日経記事;『トヨタ、家庭用ロボを量産 19年度にも 高齢者の生活補助』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『トヨタ、家庭用ロボを量産 19年度にも 高齢者の生活補助』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

7月3日付の日経新聞に、『トヨタ、家庭用ロボを量産 19年度にも 高齢者の生活補助』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車は開発中の家庭用ロボットで2019年度にも量産体制に入る。高齢者の生活の補助や介護に使えるロボットで、まず20年度までに累計1千台程度の供給をめざす。

ロボットは製造技術や制御技術の蓄積を生かせる新たな成長分野。外部の研究機関や企業との協力を通じて機能を高めていく。

量産するのは12年に発表し、改良を重ねる「HSR(ヒューマンサポートロボット)」。タブレット端末や音声の操作により、自分では動けない高齢者らに代わって移動し、約60センチメートルのアームで物を拾う。ペンやコップをつかみ、紙などの薄いものも吸引できる。

月額900ドル(約9万円)程度で貸し出す。すでに東京大学などに貸与しており、量産開始後は一般家庭にも供給する。

まず年300台程度の生産ラインを新設する。人工知能(AI)の研究開発でも家庭用ロボット向けに重点を置く。

ドイツのライプチヒで開催中の世界最大級のロボット競技会「ロボカップ」では来年以降、共通のハードを使い、その機能を高めるソフトウエアを競う家庭用の新部門が加わる。HSRは共通のハードに採用される。参加する研究機関や企業のアイデアを吸収でき、機能向上の共同研究も進めやすくなる。ソフト供給の動きも広がる見込み。』

本日の記事は、トヨタ自動車が家庭用ロボット市場に参入することについて書いています。すでに、トヨタは2012年からHSR(ヒューマンサポートロボット)の開発・実用化を進めており、今回の記事はこの動きを加速させ、事業化することにあります。

家庭用ロボットは、日経記事では『掃除などの家事や高齢者の介護、幼児の見守り支援、コミュニケーションを家庭内で担うロボットのことを指す。ソフトバンクロボティクスの「ペッパー」、米アイロボットの掃除機ロボット「ルンバ」などが代表格で、ソニーが1999年に投入しすでに撤退した犬型ロボット「AIBO(アイボ)」も含まれる。』とされます。


さて、自動車は、今後、人工知能、センサーデバイス、通信機能、IoTなどの開発・実用化が進んで、そう遠くない将来、自動運転車の実用化が実現することがみえるようになっています。

先日、テスラモーターズの自動運転車(自動走行車)が事故を起こしましたが、さらなる技術革新により、無事故をある程度の確率で実現できる自動運転車が実用化されることになります。

どのような形であれ自動運転車が実用化されますと、一般的にはヒューマンエラーが関連する事故の起こる頻度は減少しますので、現在のガソリンエンジン車に要求される安全基準も変わる可能性があります。

また、アメリカのカリフォルニア州、ニューヨーク州などで、2018年から完全適用されるZEV(Zero Emission Vehicle)規制により、当面の間、電気自動車が中心となって販売される可能性があります。

トヨタやホンダは、水素自動車を開発・実用化していますが、水素ステーションの普及が進んでいない状況では、水素自動車が主役になるには、まだ時間がかかることによります。

電気自動車は、ガソリンエンジン車に比べて構造が簡単であり、しょうしょう極端に言いますと、ガソリンエンジン車で培ったノウハウや技術がなくても、開発・実用化できます。

電気自動車の自動運転車化は、テスラモーターズ、グーグル、アップルなどの米大手企業が積極的に開発・実用化を進めています。

トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、そう遠くない将来に自動化され簡略化された自動車業界で、これらの新参者と厳しい戦いを行うことになります。

トヨタが家庭用ロボット市場に参入するのは、このような事業環境下で、自社の強みを最大化して、勝ち組になるという意思の表れとみます。

トヨタは、何度か本ブログ・コラムで書いていますように、トヨタは最近、米シリコンバレーに人工知能の大型研究拠点を設けて、人工知能分野で世界的な研究者を集めて、1000億円以上の投資を行う動きに出ています。

トヨタは、間違いなく人工知能分野で世界最強の企業になる意思を明確化しています。人工知能やIoT対応した家庭用ロボット市場に参入するのは、極めて合理的な動きになります。

一方、以前に家庭用ロボットである犬型ロボットAIBOを市場に導入し、ヒットさせたソニーが、6月29日に当該市場に再参入する方針を発表しました。ソニーも人工知能分野を強化しており、ソニーが新規開発・実用化するロボットは、AIBOのような「心のつながりを持ち、愛情の対象となるロボット」を目指すとのこと。

トヨタは、自分では動けない高齢者らに代わって移動し、さまざまな補助を行う家庭用ロボットの開発・実用化を目指すようです。

このようにトヨタとソニーの家庭用ロボットの開発・実用化の方向性は、異なっていますが、人工知能・IoT対応を行う点では共通しています。

両国内大手メーカーが、家庭用ロボットの開発・実用化に向けて動き出しますと、一気に当該分野の技術革新やノウハウ開発・蓄積が進み、関連市場が大きくなる可能性があります。

たとえば、家庭用ロボットがスマートフォンと連携して、家庭内の動くインターネット端末機器の一つとなり、娯楽や介護、掃除などの補助作業に関するさまざまなアプリケーションソフトの需要が高まり、関連するITベンダーは新規事業機会創出になります。

当然のごとく、今後、多くの国内企業が家庭用ロボット市場に参入してきますので、競争と大きな技術革新が起こり、国内外の市場が大きく成長する可能性があります。

この視点から、今後のトヨタやホンダなどの国内企業の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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