日経記事;『パナソニック、中国でEV基幹部品 車大手と合弁生産 エコカー最大市場開拓』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『パナソニック、中国でEV基幹部品 車大手と合弁生産 エコカー最大市場開拓』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 各種の新規事業・事業拡大
経営戦略 新規事業開拓・立上

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

6月12日付の日経新聞に、『パナソニック、中国でEV基幹部品 車大手と合弁生産 エコカー最大市場開拓』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『パナソニックは中国の大手自動車メーカー、北京汽車と組んで、天津市で電気自動車(EV)向けの基幹部品を合弁生産する。数百億円を投じ、主に北京汽車向けに供給する。中国政府は深刻な環境問題の解決に向けEV普及政策をとっており、2015年に世界最大の市場となった。パナソニックは主要部品の現地生産で先行し、中国でのEV事業拡大を狙う。

パナソニックの津賀一宏社長が5月に中国を訪問し、北京汽車と年内に合弁会社を設立することで合意した。北京汽車傘下の自動車部品メーカー2社が計54%、パナソニックの中国事業統括会社が46%を出資する。

18年をメドに量産するのはEVなどで使うエアコンの主要部品である電動コンプレッサー。ガソリン車向けとは仕様が異なり、蓄電池の電気を使い効率的に冷暖房を制御する。高性能なほど走行距離を伸ばせる重要な部品だ。パナソニックにとって現地完成車メーカーとの合弁は初めて。安定供給先を確保して合弁会社を早期に軌道に乗せる。北京汽車以外への外販も検討する。

パナソニックはテレビ用パネル事業から撤退を決める一方、自動車と住宅の2分野を中心に企業向け事業の拡大を進めてきた。自動車関連では15年度に1兆3000億円の売上高を18年度に2兆円に引き上げる目標を掲げる。特に急拡大する中国のEV市場開拓に力を入れており、17年には大連市に車載用リチウムイオン電池工場を稼働させる計画だ。

北京汽車は1953年設立の国有企業で、15年の中国新車販売で5位。独ダイムラーと提携しており、高級車「メルセデス・ベンツ」の中国での合弁生産・販売を手がけている。EVやプラグインハイブリッド車(PHV)ではシェアトップの比亜迪(BYD)に次ぐ2位グループだ。20年に40万台のEV生産を計画している。

大気汚染の改善を目指す中国のEV普及政策によって、エコカーの開発競争が拡大している。トヨタ自動車も18年からPHVの生産に乗り出すことを決めた。パナソニックと北京汽車の提携を受け、完成車だけでなく、基幹部品でも現地生産する企業が増えそうだ。

中国汽車工業協会によると、15年の中国でのEVとPHVの販売台数は33万台となり、前年比4倍超と急成長。14年まで最大市場だった米国を抜いた。日本の販売は約2万9000台で、その差は年々拡大している。』

パナソニックは、何度か本ブログ・コラムで書いていますように、事業基盤を家電から産業用途に切り替えつつあります。産業用途の主軸は、自動車と家を想定しています。

本日の記事は、パナソニックが現在アメリカを抜いて世界最大の自動車市場となった中国で、EVやHV用途のコアデバイスの製造・販売を強化しようとする動きについて書いています。

パナソニックは、アメリカと中国の両巨大自動車市場で、HVとEVの急速普及を見据えて、電池事業に本格的投資を行っています。

アメリカ市場では、カリフォルニア州などのZEV規制を追い風に、EV事業を急拡大しているテスラモーターズにほぼ独占的に電池供給をしています。

パナソニックは、テスラモーターズと共同で、ネバダ州に建設しているバッテリー工場へ最大16億ドル(約1900億円)を投資しています。

カリフォルニア州は、前回のブログ・コラムで書きますように、ZEV規制を完全に適用しようとしており、HVのようにガソリンエンジンを搭載して2酸化炭素を排出する自動車の販売を事実上締め出そうとしています。

ニューヨーク州なども追随する可能性があります。

ZEV規制を完全にクリヤーする自動車は、EVと水素自動車になります。水素自動車の普及は、水素ステーション設置が必要不可欠なため、当面の間、EVが主役になります。

EVの最大の課題は、電池の高性能化です。テスラモーターズは、現在、1回の充電による走行距離を約200マイル(約320キロメートル)程度のEVを販売しています。

EVが実用的になるには、1回の充電による走行距離がガソリンエンジン車と同じように、500キロメートルになる必要があります。

もし、パナソニックがこの高性能リチウムイオン電池の開発・実用化に成功すれば、EV市場で覇者になれます。

高性能リチウムイオン電池の開発・実用化は、パナソニックだけでなく、ソニー、GSユアサなどの国内メーカーが素材メーカーなどと共同で進めています。

また、最近、LG電子のような韓国勢や中国勢などのメーカーも、積極的に高性能リチウムイオン電池の開発・実用化を進めています。

いずれも、アメリカや中国などで、環境対応車の積極導入が行われるようになっていることによります。

本日の記事は、パナソニックがアメリカに加えて、中国市場でも積極的にHVやEV用途の電池の開発・実用化を本格化させる動きについて書いています。

パナソニックは、中国でのHV、EV需要の急伸を見込んで、中国企業と共同で、天津市で電気自動車(EV)向けの基幹部品を合弁生産することを決めたようです。投資額は、数百億円とのこと。

パナソニックは、電池のほか、HVやEVの主要部品となるエアコンの主要部品である電動コンプレッサーも現地生産します。これは、EVの場合、ガソリンエンジン車やHVに比べて、電気の消費量を抑える必要があることによります。

EVは、アメリカ市場にてテスラモーターズだけでなく、自動運転機能を取り込んだ自動車がグーグル、アップルなどの米大手ITベンダーにより、開発・実用化が進められています。

このため、パナソニックは、電池やエアコンだけでなく、次世代ディスプレイ、高機能情報端末、画像センサーデバイスなども開発・実用化を進めています。

さらに中国では、将来アメリカのカリフォルニア州などとおなじように、ZEV規制を完全に履行するために、EVや水素自動車のみの販売に限定される可能性があります。

このようになると、EV用電池やその他関連電子デバイスへのニーズは、ますます高まります。パナソニックは、アメリカ、中国、将来的には欧州市場を念頭に、EV用途の部品・デバイス事業を強化するための大型投資を行っています。

私は、このパナソニックの自動車関連事業に対する積極的な投資は、短期間に新規事業の柱を立上げのに必要な行動であるとみています。

ただし、中国での製造展開については、電池などの重要デバイスの開発・製造ノウハウの不正流出にならないよう十分に注意して、対策することが必要です。

今後のパナソニックのEVやHVに対する事業展開に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム