日経記事;『米規制 プリウス翻弄 カリフォルニア州で「非エコカー」に トヨタ,世界戦略に影?』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『米規制 プリウス翻弄 カリフォルニア州で「非エコカー」に トヨタ,世界戦略に影?』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 各種の新規事業・事業拡大
経営戦略 新規事業開拓・立上

皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

6月11日付の日経新聞に、『真相深層米規制 プリウス翻弄 カリフォルニア州で「非エコカー」に トヨタ、世界戦略に影?』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車が誇る「環境車メーカー」の看板が米国で揺らいでいる。最大市場のカリフォルニア州でハイブリッド車(HV)への燃費規制が2018年に向けて強化され、旗艦車「プリウス」がエコカーではなくなるのだ。優遇するのは排ガスを出さない電気自動車(EV)だ。世界が倣う米規制でのつまずきはグローバル戦略にも影を落としかねない。

「こんなに稼いでいるのか」。EVベンチャーのテスラ・モーターズ。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が4年後の100万台生産計画をぶちあげた5月の決算会見で、自動車業界の関係者が台数以上に注目したのは5700万ドル(約62億円)の「ZEVクレジット」収入だった。

「Zero Emission Vehicle(排ガスゼロ車)」を意味するZEVは、加州が自動車メーカーに一定割合の販売を義務付けている。環境に優しい電気駆動の車の普及が狙いで、達成できないメーカーは罰金を払うか、他社からクレジットを買う必要がある。テスラはたまったクレジットを売ることで赤字体質の収益を補完してきた。

米国最大の車市場である加州ではどのメーカーもZEV規制を意識する。実はそこで苦戦を強いられているのが日本では環境イメージの強いトヨタだ。1990年施行の規制は段階を経て厳しくなり、12年には18年以降のHVをZEVとして扱わないことが決まった。プリウスも例外ではない。

影響はビジネスに直結する。まず州の高速道路のエコカー専用渋滞回避レーンでの走行が11年7月からHVはできなくなった。渋滞が多いサンフランシスコなどの消費者にとっては致命的で、プリウス人気は低迷した。原油安も加わり、新型を含めたプリウスの1~5月の販売台数は前年同期と比べて24.9%のマイナスだ。

HVの販売不振にあわせて獲得クレジットも減る。トヨタは18年以降を見据えクレジットの貯蓄を始めたとされるが、15年には初めてクレジットの買い手に転落した。トヨタは規制を緩和するよう当局への陳情を繰り返したが一切聞き入れられなかったという。

加州がそこまで排ガスゼロにこだわる背景には、公害に悩まされてきた地域の歴史がある。40年代のロサンゼルスでの光化学スモッグ対策が自動車規制の発祥だ。

今のZEV規制は、大気汚染とそれに伴う健康被害への対策に、温暖化問題が加味された。

加州大気資源局(CARB)のアルベルト・アヤラ副局長は「HVは燃費面で優れた技術だが、有毒な排ガスを出している時点でダメだ」と言い切る。

見逃せないのは加州の規制がグローバルでのひな型になりつつあることだ。連邦法に基づき、他州はCARBの規制をそのまま導入してもよい。ニューヨークやコネティカットなど東西9州が連合を組み、これだけで米新車市場の3割をカバーする。

さらにドイツやノルウェーなど加州を参考にEV優遇の規制を導入する国も出てきた。

トヨタも無策でいるわけではない。米国で15年に販売が始まった燃料電池車(FCV)「ミライ」はEV同様に排ガスゼロで加州の要望を満たす。だが現時点で州内の水素充填インフラは18基だけで普及には時間がかかりそう。ニューヨークなど他州でのインフラ整備の本格化は17年以降だ。

その間隙を縫うようにEVではテスラが台頭、ゼネラル・モーターズ(GM)も年内に1回の充電で200マイル(約320キロメートル)走行する大衆向けEVを出す。HVのプリウスが世界に先駆けた00年とは異なり、今のエコカーを巡る競争環境はかつてなく厳しい。

ただ、歴史を振り返れば自動車の技術の進化は規制の強化と裏腹でもあった。70年代、米国が制定した厳格な排ガス規制「マスキー法」はホンダなどの低燃費車の開発を後押しし、結果として同社の米国進出を助けた。

今後の規制の道筋について、CARBは「50年にZEV比率を100%にする」(アヤラ副局長)と宣言している。トヨタが今を危機と見なすか好機と見なすか。「環境車メーカー」の腕の見せどころである。』

アメリカのカリフォルニア州などが2018年以降に厳格に適用する「排ガスゼロ車:ZEV)」規制については、以前から明確になっていました。

トヨタ自動車にとって誤算だったのは、HVがガソリンエンジンを使っているということで、排ガスゼロを目指すカリフォルニア州当局から、HVがエコカーの適用対象から完全に外されることです。

ZEVを満たす自動車は、電気自動車(EV)か、燃料電池車(FCV)です。FCVは、まだ導入が始まったばかりであり、水素ステーションがガソリンスタンドのように普及しないと、実用化されません。

中期的・短期的な解は、EVになります。

現時点で、トヨタ自動車はEVをもっていません。まだ正式に発表されていませんが、トヨタも近々にEVを市場導入するようになると考えています。

EVを投入しないと、最重要市場であるアメリカで、カリフォルニア州、ニューヨーク州、コネティカット州など東西9州で自動車を売れなくなることによります。

トヨタは、HVやPHVで多くのノウハウ蓄積をしていますので、EV対応車の開発・実用化にはそれほど多くの負担をかけないで実現するとみています。

EV分野では、アメリカのテスラモーターズが一歩先行しています。テスラモーターズのEVは、単にガソリンエンジン車をEV化したものではなく、動くインターネット端末機器であり、将来的には人工知能を活用して自動運転車化するように対応しています。

また、グーグル、アップル、アマゾンなどの米大手ITベンダーも、テスラモーターズと同じようなEVの開発・実用化を進めています。

トヨタなどの国内自動車メーカーは、アメリカ市場において、当面のエコカーの主流となるEVで、既存自動車メーカーに加えて、これらの大手ITベンダーとも競争する事業環境下に入りつつあります。

トヨタは、十分にその事業環境到来を意識しています。たとえば、トヨタはシリコンバレーに人工知能(AI)の巨大な研究施設を作り、ロボットを含めた多くのトップクラスの研究者を集めています。

EVの開発・実用化で大きな課題となるのが、電池です。EVがガソリンエンジン車並みの性能を出すための条件の一つになるのが、1回の充電で500キロメートル走行できることです。

現在の電池能力では、最大で300キロメートルです。

トヨタが次世代電池の開発・実用化を、パナソニックやソニーなどの国内企業と進めています。
その成果物は何時頃実用化されるのは不明ですが、そう遠くない将来ではないとみています。

EVの基幹技術である電池は、今後、EVだけでなく、多くの蓄電用とに幅広く使われますので、国内企業にとっては、中国、韓国などのアジア勢との激しい競争に打ち勝ちながら、新規技術の開発・実用化を進めていくことで、大きなビジネス機会を獲得できます。

当面の課題は、1回の充電で500キロメートル走行できるリチウムイオン電池の開発・実用化です。

同時に、EVの消費電力を最小化するために、自動車用エアコンの小型・軽量化、省電力化なども重要なポイントになります。

トヨタが、自動運転技術の開発・実用化を進めながら、より高性能のリチウムイオン電池や新タイプのエアコンなどの基幹部品・装置を搭載することで、競争力のあるEVを市場導入できます。

このような動きは、ホンダや日産などの他の国内自動車メーカーにとっても必要不可欠なことになります。

中国もアメリカのように、本格的に公害対策を行い始めており、北京などの大都市では、PVやEVでないと販売できない状況になりつつあります。

トヨタとホンダは、世界に先駆けて水素自動車を開発・実用化しましたが、先進国市場で本格的に普及するには、まだ時間がかかります。

それまでは、当分の間、PVに加えてEVの開発・実用化が自動運転車の市場導入と共に並行して行う必要があるとみています。

今後、両社が自動運転機能を取り込んだEVの開発・実用化をどのように進めていくのか、注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム