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渕本 吉貴
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日経記事;『中小企業、2030年消滅? 社長の年齢、14年後 80歳前後に 世代交代で利益率改善も』に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

6月6日付の日経新聞に、『エコノフォーカス中小企業、2030年消滅? 社長の年齢、14年後 80歳前後に 世代交代で利益率改善も』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本経済を支える中小企業が「消滅」の危機を迎えるかもしれない。経営者の中心年齢は2015年に66歳となり、この20年で19歳上がった。円滑な事業承継や若者の起業が進まなければ30年には80歳前後に達し、いまの男性の平均寿命とほぼ並ぶ。早く手を打たないと厳しい未来が現実になってしまう。

東京五輪が遠い思い出となった30年の日本。年老いた中小企業経営者の2人が沈んだ顔でなにやら身の上話をしていた。

後継者がいない

A「俺たち団塊の世代ももう80代か」
B「その昔、一億総活躍ってのがあったけど、俺もこの年までよく活躍したと思うぜ。もう引退させてもらいたいよ」
A「息子さんもぼちぼち還暦だろ。継いでくれるのか」
B「大企業でも定年が75歳になったそうで、いまの会社に骨をうずめるって言うんだぜ」
A「うちも継ごうなんて人は見つからないよ」
B「まだしばらく活躍するとしようか……」

いまから14年後の団塊世代の会話を絵空事と片付けるわけにはいかない。そんな未来はもう目の前に来ている――。

授業などで使うチョークで、一時期は国内シェア首位を誇った羽衣文具(愛知県春日井市)は15年3月、80年超の社歴に幕を下ろした。滑らかな書き心地で国内外に愛用者が多く、「チョーク界のロールスロイス」と称されるほどだった。

しかし、渡部隆康社長(72)の病気で事業を続けることが難しくなった。後継者も見つからず廃業に追い込まれ、技術や設備、商標は韓国企業に引き渡した。渡部社長は「他に手立てはなかったのか」と悔やむ。

中小企業のうち従業員数が20人以下の事業者は、14年までの2年間で廃業が開業を17万社上回った。規模の小さい企業は減少局面に入っている公算が大きい。民間の調査によると、休業や廃業、解散をした企業のうち半数近くの経営者が70代。経営者が70歳を超えると会社の存続に見切りを付ける可能性が高まる。

中小企業庁が経営者の年代別の人数を調べたところ、15年のピークは66歳。1995年は47歳だったため、毎年ほぼ1歳ずつ上昇している。このままでは2030年には80歳に届く計算で、多くの企業が存続の判断を迫られることになる。

日本では企業数の99%超、働く人の70%を中小企業が占める。全ての中小企業が消えることはないとしても、経済の土台は間違いなく揺らぐ。

こうした未来を避けるには、早いうちに世代交代をすることが重要になる。だが若い世代はリスクとリターンの両面で二の足を踏む。経営者の個人保証という慣行が一部に残るうえ、大企業と比べると収益性は低い。

中小企業の売上高はリーマン・ショック後の水準をなお下回り、緩やかに持ち直している大企業との違いが鮮明だ。円高対応や新興国需要を取り込むために大企業は海外展開を加速。中小企業が請け負っていた仕事も海を渡ってしまった。

大企業の国内回帰に大きな期待を持てないとすれば、中小企業に残された道の一つが自ら海外需要を取り込むことだ。輸出を手がける日本の中小企業の比率は3%程度。産業構造が似るドイツでは20%程度に達しており、それだけ伸びる余地があるとも言える。

精密機械の部品を製造する由紀精密(神奈川県茅ケ崎市)の大坪正人社長(41)は13年に父親から会社を引き継いだ。先代の時代はコネクターなどの下請けに特化し、IT(情報技術)バブル崩壊の後遺症から抜け出せずにいた。

大坪氏は世界に目を向けた。最新設備の導入や国際標準化機構(ISO)の規格取得に動いたほか、フランスにも拠点を設けた。線路沿いの町工場に世界中からロケットや航空機部品の注文が舞い込むようになった。

M&A活用も手

中企庁の調査によると、「積極的に投資していく必要がある」と考える49歳以下の経営者は32%。70歳以上の21%を上回る。若返りの歯車が回れば、将来への種まきにつながる可能性がある。

M&A(合併・買収)を含め、経営者が代わった企業の利益率は高くなる傾向がある。07~08年度に経営者が交代した企業の14年度の経常利益率は1.88ポイント上昇し5.50%。交代しなかった企業は3.37%と1.16ポイントの改善にとどまった。

事業承継を待つばかりでなく、若者の起業を促すことも有効な手立てになる。ただ14年度の開業率は4.9%。政府が目指す欧米並みの10%前後は遠い。政府も税制などの面で事業承継や起業をしやすい環境整備に動いているが、中小企業を消滅の危機から救うのは時間との闘いになる。』


中小企業庁が2016年4月に発表しました、「2016年版中小企業白書」によると、中小企業数は、1999年に483.7万社あったものが、毎年減少しており、2014年には380.9万社に減少しています。

このうち、中規模事業者は、1999年の422.9万社から、2014年には325.2万社に、小規模事業者は、1999年の60.8万社から55.5万社へと各々減少しています。

中小企業者、小規模事業者の定義は、以下の通りです。

 


このうち、中規模事業者をみますと、2012年から2014年の2年間で4.7 万者増加しました。
そのうち、開廃業については、開業が7.2 万者、廃業が4.8 万者で、開業が廃業を2.4 万者上回っています。

規模間の移動については、小規模企業から中規模企業への移動が6.8万者で、中規模企業から小規模企業への移動が6.3 万者で、中規模企業と小規模企業間での移動は+0.5 万者でした。このことから、中規模企業の増加には、既に存続していた小規模企業からの成長よりも、開業がより大きく影響しているといえます。

2012年から2014年にかけての中規模企業者の開業について、業種別に見てみると、サービス業の開業が目立っており、宿泊業・飲食サービス業が1.5万者、医療・福祉が1.2万者と、高水準となっています。

一方、小規模企業数の推移の内訳をみますと、2012 年から2014 年の22年間で9.1 万者の減少
でしたが、そのうち、開廃業については、開業が28.6 万者、廃業が45.7 万者であり、開業から廃業を引いた数が▲17.1万者と廃業が大きく上回りました。

「2016年版中小企業白書」では、これらの中小企業の廃業理由について、明確に記載していません。しょうしょう古い情報になりますが、「2008年度版中小企業白書」によると、廃業した、あるいは廃業を検討している理由(複数回答)は、以下の通りです。

★中規模事業者
1.需要が頭打ち:30.4%
2.競争が激しい:28.4%
3.後継者がいない:12.7%
4.代表者の高齢化:2.9%
5.資金繰りが苦しい:17.6%

★小規模事業者
1.需要が頭打ち:25.6%
2.後継者がいない:20.1%
3.競争が激しい:19.7%
4.資金繰りが苦しい:16.3%
5.代表者の高齢化:11.2%

現在中小企業者が廃業している理由は、多分、「2008年度版中小企業白書」で書かれていることと大きく変わっていないと考えています。

私が経営コンサルタントとして中小企業を経営支援できる分野は、上記廃業理由の解決の視点からみますと、新規事業立上や海外販路開拓が主になります。

現在の日本は、15歳から64歳までの生産年齢人口減少や製造事業者の海外移転などにより、市場規模が縮小していますので、中小企業者が国内だけで事業を行うと、収益拡大を実現する可能性が低くなっています。

同時に、中規模事業者の高齢化や後継者不足も大きな課題になっています。中小企業の事業継続のために、創業者から息子や娘への事業承継、あるいは後継者不在から他社への事業売却(M&A)支援を行っています。

後継者がいても、上記しましたように、国内市場での需要低下や競争激化で、事業継続を断念する中小企業も数多く存在しています。

過去の支援実績の中に、国内市場で苦境に立たされた製造事業者に対して、差別化・差異化可能な技術やノウハウをもっている場合、2代目への事業承継と海外販路開拓を同時並行して実行したことが二けたの事例あります。

これは、若い世代の方が、海外販路開拓に対して総じて積極的であり、海外市場・顧客へのアクセスに必要なインターネットやITの活用をより容易、かつ柔軟に対応できることによります。

今まで、厳しい市場環境下にある国内市場で事業継続してきた中小企業者は、ほとんどの場合、どこかに競争力の源泉となる強みをもっています。

その強みを最大化して、差別化・差異化可能な技術・ノウハウなどを武器にして、若い世代が事業承継しつつ、海外販路開拓・集客を行っていくことが、本日の記事にあります中小企業の事業継続の課題解決のやり方の一つになると考えています。

私は、この視点から引き続き中小企業の経営支援や情報発信などを行うことにより、1社でも多くの国内中小企業者が事業継続・拡大を実現してもらえる状況に貢献したいと考えています。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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