- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
高校留学についてのアンケートを行いました。
子供の外国体験には「はい、とても賛成」が 66.7%!
でも。
そんな親たちでも「高校留学」となると「高校の間は反対」が 47.6%。
なぜ「高校の間は反対」なのでしょうか。
またまたアンケートをしてみたい気分ですが、今日のところは長年の経験から類推してみました。
それと同時に現在提供中の「カナダの小さな町で高校留学」のサポート内容の裏にあるものをご紹介します。
「高校の間は反対」のおそらく第一の理由は:
1.まだ精神的に幼いので心配。。。かな?
至極納得
精神的に幼くない15歳・16歳なんてもし存在するのなら、走って行ってスカウトしたいくらいです!
だから、そのために、どんなサポートが必要かというと。
ー 留学先のコミュニティに良い大人のネットワークを作り、みんなで親の目の替りをする
良いホストファミリーも大切ですが、それだけでは足りません。
一歩町に出ると、いつでも声掛けをしてくれるコミュニティの大人たちを巻き込むことが必須です。留学している町全体でのサポートが必要だということです。
ー カナダ(他の英語圏でも同じ)と日本との違いを認識している大人が日本語で相談に乗る
3年留学しても、自分の悩みを100%英語でうまく表現出来る子供はほとんどいません。
日本人独特のちょっとした目の動き・表情・身体の動きなどから、困っている様子を察しし、先回りの面倒を見れる大人の存在が必須です。
その大人が、留学先コミュニティの良い大人たちとの橋渡しをうまくやってのける必要があります。
そもそも「高校留学サポート」を始めた理由は、英語指導をしてきた生徒たちが「留学」を希望した際に、上記のような親の心配、そして必須のサポートを認識している留学業者が存在していなかったということです。
それなら自分で作るしかない!と。
今も状況は同じです。
業者が提供しているサポートはましな業者でも「日本語での緊急時の電話対応」「親への定期報告」くらいがせいぜいです。
こんなもので大切な子供を高校留学に送り出せるわけないですよね。
しかし。
「こんなもの」でカナダに留学してくる日本人高校生がたくさんいます。
みんな、狐につままれたような表情で、孤立し、寂しく日本とTwitter, LINE で時間をつぶし、幼いまま、いやもっと幼くなって帰国して行きます。
なぜ、この子の親は「こんなもの」で送り出したんだろう?と心が痛くなるほどです。
次なる理由は:
2.カナダの高校の授業についていくには能力がない。。。かな?
これも納得。
日本の教育制度で育った子供に、カナダの15歳・16歳と同等の能力などありません。
これも、あれば全力疾走してスカウトに行きます!
だから、高校留学にはかなりの準備が必要と力説しています。
留学中も勉強のサポートに何時間もかかります。
ー まだまだ強化の必要な英語の基本的な指導、宿題のやり方、教科書の読み方、エッセイの書き方、授業への参加の仕方
ー 学校の先生たちとの緻密な連携を築き、生徒を全面的に応援してもらえる体制を作る
こうやって、やはり周りの大人たちを巻き込んでのサポート体制が必須です。
そうでないと、留学生だけで寂しく過ごすESLコースだけの留学や、地元の問題児と一緒の低レベルのコースにしか入れないという、悲惨な留学生活になってしまいます。
地元の優秀な子供たちと同じレベルのクラスに入り、その子供たちと友達になれないような留学では意味がありません。
これも、理解している留学業者は皆無でした。
今も同じです。
留学先での勉強の面倒を徹底的にみてくれるサポートはないようです。
「留学先教育機関からの重要事項・成績証明書の翻訳」などを高らかに謳っているのが関の山です。
そんなもの何の役にも立ちませんね。
ある業者のサポート内容を見ると:「入学願書の作成指導と送付」「授業料などの送金代行」「入学許可書の入手とビサ申請書類のアドバイス」「保護者同伴のオリエンテーション」「航空券の手配」「留学生保険、海外携帯電話、クレジットカードの紹介」「空港での出迎えと手配」。。。
留学自体に何の役にも立たないどころか、これで年間50万ほど費用上乗せとなっては目も当てられません。
そんな「何の役にも立たない」業者に送られて、日本の高校生がカナダにやって来ます。
もちろん、地元の良い子たちとはまるで異質な空間で、信じられない低レベルの勉強ごっこをして帰って行きます。
親は自分の子供がどんな留学生活を送っているのかなど、どうでもいいと思っているのではと感じてしまいます。
あともうひとつあるとしたら
3.本人の意志次第。。。ですか?
そんなに意志の明確な15歳・16歳がいると思いますか?
親のみなさんは、その時期に自分の意志をはっきり持ってましたか?
そんな無理な注文で子供の「高校留学」を躊躇するのは滑稽です。
逆に「どうしても留学したい! 今すぐ!」などと吠える子供のほうが危険です。
「留学」の意味も理解しないまま、「日本の高校受験に失敗した!」「日本の制度が悪い(自分の努力不足を棚にあげて)」などなどの「逃げる!」意識が強い場合がほとんどです。
そんな子供は、留学したとしても数ヶ月でボロが出て、まず失敗して帰国します。
明確に意志を出せない子供に代わって活躍すべきは親です。
親が、カナダの教育制度の意義を見出し、惚れ込んだのなら、一緒に情報を得、子供を励まし、自信を持って後ろ盾になってやること。
これも留学成功の重要な要因です。
その親の自信を後押しするための大切な期間であるのが、留学への準備期間です。
カナダの高校に対応するために集中して準備をします。
その間に、カナダで果たしてやっていけるのかどうかの疑問も答えが出てきます。
そして、親子で最終決定するのが「高校留学」の本来の入り口のはずだと思っています。
「高校の間は反対」意見が 1%でも減ることを祈って書いてみました。
悲劇的な日本の教育で潰される前にカナダに呼びたい生徒のために。
Come to Canada!
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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