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日経記事;『アップル曲がり角 1~3月13年ぶり減収 ハードからソフトへ転換急ぐ』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

本日は、二日前の記事になりますが、4月28日付の日経新聞に掲載されました『アップル曲がり角 1~3月13年ぶり減収 ハードからソフトへ転換急ぐ』の記事について考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『米アップルの成長神話が曲がり角にさしかかっている。斬新な新製品をタイミングよく投入して事業を拡大してきたが、1~3月期は13年ぶりの減収となった。スマートフォン(スマホ)、タブレット(多機能携帯端末)、パソコンがそろって2桁のマイナスに沈んだ。ハードに依存した成長は限界に近づいており、ソフト・サービスにカジを切る。

「為替要因を差し引けば直近半年では1%の増収だ」。決算後の電話会見でティム・クック最高経営責任者(CEO)はやや疲れた感じの口調で語り始めた。外部環境を言い訳にしないのが強いときのアップルだが、最近はマクロ経済や為替の逆風を強調する場面が目立つ。

新商品効果薄く

2桁以上の伸びが当たり前だった屋台骨のスマホ「iPhone」の販売台数は2007年の発売以来、初めて減少した。タブレット「iPad」の販売は2年以上減少が続き、不振に歯止めがかからない。その間、iPadに代わる成長源となってきた高利益率のパソコン「Mac」の販売も2四半期連続で減少し下降気味だ。

3月末に発売した小型画面のiPhone「SE」は品薄の状況でまずまずの出足。だがアップルは4~6月期に13~17%と大幅な減収を見込む。成長鈍化を小型モデルで埋め合わせようとしたが、効果は限られる。秋に発売予定の新iPhoneで買い替え需要は見込めるが、長い目でみれば普及が進んだハードへの消費者の反応が薄れているのは否定できない。

創業者スティーブ・ジョブズ氏が亡くなった後、クック体制初の新分野の製品として昨春発売した腕時計型端末「アップルウオッチ」は既存のハードの落ち込みを埋めると期待される。だが、使えるソフトと価格のバランスが取れているとは言いがたく、主力事業に育つには時間がかかる。

発売初年の販売台数は1200万台前後とみられ、発売初年のiPhoneの2倍。ただ、ウエアラブル市場のシェア首位はアップルではなく米フィットビットだ。アップルウオッチより機能を絞り、値ごろ感を出して昨年の年末商戦はアップルの倍の台数を販売した。アップルの神通力に陰りがみえたともいえる。

驚きより手堅さ

それでもアップルにはジョブズ氏の巨大な遺産が残されている。世界で稼働する累計10億台のアップル端末だ。今後も同社を支えるのは端末に流す音楽やソフトを中心とするコンテンツ・サービス。1~3月期にはパソコンを抜き売上高全体の約12%を占める第2の事業に育った。利益率はハードより高い。

ハード不調の中、アプリ販売市場「アップストア」の売上高は過去最高を更新し、競合の米グーグルの倍の規模を誇る。長らく低迷していた音楽事業は昨年始めた定額サービスの会員が1300万人を超え「事業として底を打った」(クックCEO)。スマホなどのデータを保存するクラウドサービス「iCloud」や決済サービスも急成長している。驚きより手堅いサービスで勝負する。ジョブズ氏後のアップルの姿がより鮮明になってきている。

とはいえ、消費者がアップルに期待するのは、やはり「サプライズ」だ。アップルは電気自動車(EV)への参入機会をうかがう。クック氏は2月の株主総会で完成には時間がかかりそうなことをにおわせたが、新市場を切りひらいてきたアップルがクルマをどう変えるのか。関心は高まっている。』


この記事は、アップルが新市場を開拓して一気に事業収益を拡大させたスマートフォンであるiPhoneの売上が伸び悩んでおり、今までの右肩上がりの成長に黄色信号がともり始めていることについて書いています。

スマートフォンを家庭電器商品の一つとしてみますと、主要市場であるアメリカや日本などでは、スマホの普及率が60%を超えていますので、過去の家電商品と同じように成熟サイクルに入ったと考えられます。

家電商品が成熟サイクルに入りますと、新規顧客開拓というよりは、既存顧客の買い替え需要がメインになってきます。

買い替え需要は、既存顧客数が基本的には増えませんので、右肩上がりの成長は期待できません。
アップルのスマホ市場を拡大するには、グーグルのアンドロイドOS搭載機器から顧客を奪うしかありません。

iOS対アンドロイドOS陣営の比較でみますと、中国、台湾、インドなどのメーカーが積極的に低価格商品であるアンドロイドOS搭載スマホを市場に提供していますので、今後、アップルが大きくアンドロイドOS陣営に切り込むことは、困難とみています。

アップルのiPhoneは、かって、ソニーやパナソニックなどの国内家電メーカーが作っていた家電商品と同じように、安定はするが大きな成長を望めない「成熟期」に入りつあります。

アップルは、タブレット端末であるiPad事業を伸ばそうとしていますが、タブレット端末市場自体が大きく成長していません。

電子書籍などの電子媒体を読む、メッセージやメールをみる、Webサイトをみる、顧客への説明用端末などの用途で、タブレット端末は使われています。

これらのタブレット端末に対する需要は、ある程度まで伸びると大きな成長は期待できません。使用用途が限定されることによります。

スマホやタブレット端末は、ノートパソコンの需要を取り込んである程度まで成長してきています。ノートパソコンからスマホやタブレット端末に切り替えた人は、多くの場合、上記情報やコンテンツを見る用途に、ノートパソコンを使っていたことによります。

現在のタブレット端末は、情報・コンテンツを創造する・制作する目的には、まったく不向きです。

私も、過去にタブレット端末がノートパソコンと同じように創造的な用途に使えるかどうか試してみましたが、現時点ではタブレット端末を使えないという結論になっています。

外出先でメールをみたり、Webサイトを見る・検索するなどの用途には、iPhone(スマホ)を使っています。タブレット端末は、大きさや重さ、文字入力の不効率さなどから、私には中途半端な商品であると実感しています。

アップルは、iPadやiPadProを積極的に提供しています。これがMacパソコンの需要を減少させる要因の一つになっています。多分、電子書籍などの電子媒体を読む、メッセージやメールをみる、Webサイトをみるなどの目的でMacパソコンを使用していた顧客が、iPadやiPadProに切り替えたことによります。

アップルは、タブレット端末とパソコンの両需要を減少させる事態に直面しています。

本日の記事によると、アップルは新規事業の機会として、大きな販売数量を獲得したiPhoneをプラットフォームにしたアプリケーションソフトや音楽配信などのコンテンツの提供ビジネスを想定しているようです。

アップルが得意なソフトウエア技術で、他社を凌駕するアプリソフトを開発・実用化できれば大きな成長が期待できます。

アプリケーションソフトやコンテンツ配信の分野では、すでに多くの競合他社や競合商品が事業していますので、アップルが差別化・差異化可能なソフトウエアやコンテンツを開発・実用化できるかどうかがこのビジネスモデルを現実化するポイントになります。

また、記事では、アップルは自動運転車を含む電気自動車(EV)事業への参入の可能性についても触れています。

EVは、アメリカではテスラモーターズが先行して事業化しており、すでにグーグルが大規模な走行実証実験を行っています。また、アマゾンも当該事業分野へ参入する可能性があります。

当然のごとく、トヨタ自動車やホンダなどの国内自動車メーカーは、家電商品と同じような事態に直面する前に、積極的に自動運転車・開発環境対応車の開発・実用化で積極的な投資を行っています。

アップルがもしEV事業に参入するのであれば、どのようなハードウエア・ソフトウエア商品で開発・実用化するのか注目されます。

アップルの事例は、独創的な企画力・商品開発力で、新規事業立上を行った企業が、自社の強みを発揮して、事業基盤を変更、あるいは創造するのか、典型的なものの一つになります。

アップルの事例は、差別化・差異化可能な技術やノウハウをもつベンチャーや中小企業が、ニッチ市場で勝ち残っていくためのヒントを提供しています。

この視点から、アップルの今後の対応に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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