- 前田 紳詞
- 代表取締役
- ファイナンシャルプランナー
対象:お金と資産の運用
やはり現状はかなり厳しいようです。
年初めは米国の減産の影響がありましたが新興国が良かったため8月ぐらいまでは逆に増産の話が出ていたようです。
それが一転、生産量が従来の半分に落ち込んでいます。
先の見通しもまだたっていない状態です。
他のところでは、パチンコ関係も話を聞きましたが売り上げが従来の10分の1に落ち込んでいます。
景気が悪いと娯楽費が真っ先に削られるようです。
スリッパとかの消費財を卸している会社でも聞きましたが、こちらはまだあまり影響がない、とのこと。消費財で単価も低い商品のため、まだ影響が低いようです。
かつては好景気で沸いていた中部地区も落ち込みがひどくなってきていることを実感します。
今、起きている一番の問題は
世界的な「貸し渋り」と「貸しはがし」です。
日本の場合は貸し渋りと倒産、失業対策のためのセーフティーネットの拡充が必要です。
具体的には
☆中小企業だけでない企業への資金繰り対策のため、政府保証での資金供給
☆倒産した場合の社長家族とかへの生活保障制度
などなど
今回、政府の対策として中小企業に対する融資が盛り込まれました。
これはいい政策でしょう。
リーマン破たん以後、世界中でも「貸し渋り」が起きています。それで多くの企業が倒産、または破綻寸前に陥っています。
この第2弾が始まっています。今は新興国に対する「貸し渋り」に「貸しはがし」です。
これまで高金利の新興国にお金を預けていた人(企業や個人)たちがみんな引き出してドルや円に変えています。だから世界でドル高と円高が起きています。
アイスランドが破たんし、次はハンガリー、ウクライナ、ベラルーシ、パキスタン、アルゼンチンが危ない状態です。
私の記憶が正しければ、パキスタンの証券取引所はずっと閉鎖状態が続いているはずです。
世界経済はまだ大変不安定な状態です。
IMFが中心になって資金を投入していて何とか改善の兆しが見えてきているのは良い傾向です。
米国の金利が下がり、株価も上昇して安心感が少し出ていますが、これには注意が必要です。
ここ1週間、今まで投資をしたことのない、または避けていた人たちからの相談が増えています。
電話やメールでの問い合わせや、顔を合わせると
「今、外貨、買った方がいいだろうか?」
とか
「株式買おうと思うんだけど、どう思う?」
という相談が異常に増えています。
証券口座開設件数も普段の倍以上に増えています。
金券ショップにいったら人民元を除いてすべての外貨が売り切れになっていました。
確かに今は、かなり割安ですが、知識もなく雰囲気で購入している今の流れ、バブル形成期に似ています。
今は、投資をするならば資産分散をした積立方式〔時間分散)が最適ですが、
ほとんどの人は
「オーストラリアドルはもうこれ以上下がらないから今のうちにいっぱい買っておこう」
とか
「株価はもう底だから、今のうちに株を一挙に買っておかないと損」
というような感覚の人が大半です。これらには正しい根拠は何もありません。
しかも何か
バスに乗り遅れないために必至
という感じです。
こういう人が多ければ多いほど、株価や為替は値が急激に大きく上がります。
しかしいずれこれは是正されます。しかも何かをきっかけに大きく下がります。
大きく上がれば上がるほど、その反動も大きくなります。
いろいろなデータをチェックしていますが、まだまだ厳しい状態です。
日経平均のPERを見ても予想PERで12倍ぐらい。これは他の国々と比較しても高いです。
私が単に悲観的すぎるのかもしれません。
もしこれが1、2か月続き、12月の一般誌や女性誌に「今こそボーナスは株に投資!」
なんて言葉が躍ったら、”ミニバブル”状態です。
”ミニバブル” が起きないことを願います。