日経記事;『社説 公道実験促し自動運転の実用化を急げ』に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『社説 公道実験促し自動運転の実用化を急げ』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

4月9日付の日経新聞に、『社説 公道実験促し自動運転の実用化を急げのタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『自動運転の車を公道で実験走行させる際のガイドライン(指針)案を、警察庁が初めてまとめた。保安基準に適合した車両を使い、ドライバーが搭乗して緊急時にハンドルやブレーキの操作をするといった「常識的」な内容だ。

これまで明確な基準が示されていなかったことから、一部のベンチャー企業や研究機関は公道実験に乗り出せないでいた。

自動運転をめぐる国際的な競争は一段と激しさを増している。指針の策定に限らず、国は安全を十分確保したうえで実証実験への幅広い参入を促し、自動運転の開発を加速させていくべきだ。

指針案では、交通量が少ない道路から段階的に実験を行うことや、事故や不具合に備えてドライブレコーダーを装備することなども求めた。自動車メーカーなどはすでに、こうした環境のもとで公道実験を行っている。

近年、交通事故は減少傾向にあるが、大型バスの転落や高速道路での逆走、車が暴走して歩行者を次々とはねるといった悲惨な事故は相変わらず起きている。

自動運転の技術でこうした事故の減少や被害の軽減が期待できる。たとえば前方の障害物を探知して車を止める自動ブレーキはすでに実用化され、一部の車に搭載されている。富士重工業によると、自動ブレーキの搭載車は非搭載車に比べ事故が約6割少ない。

実験を経て効果が実証された技術は、積極的に市販車に導入していくべきである。運転者が乗らない完全な自動運転を目指すのとは別に、日々目の前で起きている事故を軽減する技術の開発・普及も急務だ。新技術を搭載した車の保険料引き下げなどで後押ししていくべきだろう。

米国は2022年までに、国内で販売する新車のすべてに自動ブレーキを搭載することで日本を含む自動車各社と合意している。日本がこうした動きに遅れるようなことがあってはならない。

指針案の公表とあわせて警察庁は、自動運転の実現に向けて今後検討すべき課題をまとめた。自動運転車で事故が起きた場合の責任を誰が負うのかや、システムへのサイバー攻撃をどう防ぐかといった問題があげられている。

新しい技術の開発に法律や制度が追いつかず、混乱を招く事態は避けなければならない。議論を深め、新しい車社会のルールづくりを進めていく必要がある。』


高級車市場でブランドを確立したアメリカEV(電気自動車)メーカーのテスラモーターズが「モデル3」という、販売価格が3万5千ドルからとされます。日本円で400万円クラスの車です。

テスラモーターズの創業者は、アメリカシリコンバレーのIT事業家です。テスラのEVは、インターネットやITとの親和性を高めており、テスラのEVに搭載されるソフトウエアの更新はインターネット接続で自動的に行われます。

さらにテスラのEVに搭載されている部品・デバイスの状況がインターネットを通じてサーバーに集約されて、自己診断機能により問題発生の可能性の予測と、効果的な保守サービスにつなげるようにしているとされます。

テスラのEVは、走るIoT 対応自動車になります。

アメリカでは、2018年以降カリフォルニア州やニューヨーク州などで、ZEV(Zero Emission Vehicle);排出ガスを一切出さない電気自動車や燃料電池車の販売を強制されるようになります。

このため、カリフォルニア州のシリコンバレーやサンフランシスコなどに拠点をおく、アメリカ大手ITベンダーであるグーグルやアップルなどが積極的にEVの開発・実用化を進めて、商品提供を始める可能性が高くなります。

世界最大のインターネット通信販売事業者であるアメリカアマゾンも、EVの開発・実用化を進めていると言われています。

アメリカのEVの特徴は、テスラが行っているように動くIoT 対応車になることです。EVはいわば動くインターネット出口端末の一つになりつつあります。

アメリカのEVは、インターネット・ITを活用して、エンターテインメント用途だけでなく、ナビゲーションシステム、自動ブレーキなどを実現しつつあります。

そして究極のアメリカのEVは、自動運転車になります。グーグルがカリフォルニア州の許可を得て、公道で自動運転車の開発・実用化のために、試験走行を毎日行っており、膨大な量のデータを蓄積しています。

自動運転車の開発・実用化には、ハードウエア以外で安定しかつ高速でつながるインターネット接続、大量データの高速処理を可能とするアーキテクチャー、膨大なデータを蓄積可能なクラウドサービス、蓄積したデータを活用して運転能力を維持向上させる人工知能などの実現が不可欠になります。

インターネット・ITは、今までの既存事業の基盤を根底から破壊しつつ、新しいプラットフォームや事業環境を再構築しています。また、そのスピードはとても速くなっています。

アメリカのカリフォルニア州やニューヨーク州などのZEV規制対応車をEVか燃料電池車にするかどうは別として、同時に自動ブレーキ車や自動運転車が近々に開発・実用化することが見えてきています。

たとえば、IoT 対応端末機器の代表であるスマートフォンの場合、アップル商品を除けば、ほぼ全端末がアメリカグーグルが提供するアンドロイドOSを搭載しています。

アメリカのEVがアンドロイドOSを搭載した動くインターネット出口端末となり、かつ自動運転車化すると国内自動車メーカーに大きな影響を与えます。

ソニーやパナソニックなどの国内家電メーカーは、アップルを代表するアメリカITベンダーとの競争で、インターネット・ITあるいはソフト対応で出遅れて、市場を奪われました。

自動車産業でも、アメリカの大手ITベンダーに家電事業と同じようなことが起こる可能性があります。

いわば、テスラのEVは、その先駆けと考える必要があります。

トヨタ自動車は、最近アメリカシリコンバレーに巨大なソフトウエア・IT関連研究所を作って、多くの研究者・エンジニアを集めています。

トヨタ流のやり方で、アメリカGEと同じようにソフトウエア・ITを内製化して競争力を高めようとしています。

アメリカ大手ITベンダーは、アップルが行ったように、商品企画、開発、設計とソフトウエアのプラットフォーム構築に注力して、製造は製造専門事業社に委託するやり方を取るケースが多くなっています。

テスラの場合、現在はEVをすべて自社生産していますが、将来、EVの生産を製造専門事業者に委託するやり方を取る可能性があります。

トヨタやホンダ、日産自動車などの国内自動車メーカーが、アメリカ大手ITベンダーが実現しつつする自動運転機能付のEVに負けると、国内企業は、自動車を作る専業事業社になる可能性もでてきます。

このような状況下、本日の社説でもありますように、国内で自動運転車の開発・実用化を促進するために、規制緩和や新しい規制作成と地域を限定した自動運転車の公道での開発試験を許可する動きを加速させることは必要不可欠になります。

もし、国内自動車産業が国内家電事業と同じように、インターネット・IT対応で負けると国内産業や経済に大きな影響を与えます。

インターネット・ITの開発・実用化は、急速に進んでいますので、政府の効果的対応を早期に行うことを期待します。

この視点から国内での自動ブレーキや自動運転の開発・実用化について注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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