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日経記事;『米、新型EV競う テスラは来年末400万円弱で 環境規制強化に対応』に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

本日は、2日前の記事になりますが、4月2日付の日経新聞に『米、新型EV競う テスラは来年末400万円弱で 環境規制強化に対応』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『【ホーソーン(カリフォルニア州)=兼松雄一郎】米国で走行中に排ガスを出さない電気自動車(EV)の競争が激しくなる。EV大手のテスラ・モーターズは3月31日、カリフォルニア州ホーソーンで価格が400万円を切る新型量産車「モデル3」を初披露し、2017年末に発売すると発表した。

米ゼネラル・モーターズ(GM)や日産自動車などの競合他社を加え、EVは新車投入ラッシュを迎える。18年から同州などが「排ガスゼロ車(ZEV)」の販売義務付けを拡大することが決まっている。各社は厳しくなる環境規制への対応を迫られている。

モデル3の車体は独BMW「3シリーズ」など高級車の小型セダン並みの大きさ。1回の充電あたりの航続距離は215マイル(約345キロメートル)以上で、米で消費者が不安を感じないとされる200マイルを上回る。加速性能は時速60マイルまで6秒以下と標準的な高級車以上。価格は3万5千ドル(約390万円)で、政府から2割相当の7500ドルの所得税控除が受けられる。

通信機能を生かし、車線の自動変更などの運転補助機能が購入後も改善される特徴がある。テスラのEVは従来、価格が1千万円近く、環境意識の高い富裕層に購入者が限られていた。初の中価格帯のモデルとして、購入者の裾野拡大を狙っており、初日だけで13万台以上の予約が入った。

モデル3を筆頭に米では17年前後に航続距離が200マイル近い新型EVの投入が集中する。GMは16年末にも3万7500ドル程度の「ボルトEV」を、日産も「リーフ」の次世代型を投入する見通し。エコカー競争の中心が従来の通常のハイブリッド車からEVに移りつつある。

米新車市場は昨年1747万台と15年ぶりに過去最高を更新したが、そのうちEVの比率は1%に満たない。そのEVに各社が投資を拡大するのは、カリフォルニア州だけでなくニューヨーク州など計10州で、17年秋ごろから環境規制が強化されるためだ。10州は米新車市場の約3割を占める。

具体的にはZEVの範囲から、相対的に排ガスが多い通常のハイブリッド車を外す。そのうえで各メーカーが州内で販売する新車のうち、ZEVの義務付け割合を年々引き上げる。各社は25年にカリフォルニア州では22%、他の州では15%をZEVとする必要がある。

義務付けを達成できない場合、他社から排出枠(クレジット)を買って補うこともできる。テスラは最近3年間で年2億ドル近い利益をクレジット販売で稼いだ。大手メーカーは数年分のクレジットを買いためているためすぐに影響は出ないが、消費者からのイメージダウンは避けられない。

クレジット購入を減らすため、大手メーカーは赤字覚悟でEVや燃料電池車を拡販する。日産がリーフを月199ドルという割安価格でリースしているのも、こうした規制対策の一環だ。航続距離が長いほど多くクレジットを稼げるため蓄電池への投資が加速している。

ZEV規制のある州は高速道路の走行レーン、料金、駐車場などで対象者を優遇する政策を導入している。米調査会社IHSは21年にEVと、基本的に家庭で充電してモーターで走行しエンジンは補助発電機として使うプラグインハイブリッド車(PHV)の年間生産台数が世界で240万台に達すると予想する。

トヨタ自動車もZEV規制に対応するため、水素と酸素を反応させて発電しながら走行する燃料電池車の発売を急いだ経緯がある。ただ自動車業界全体では、より構造が単純なEVに経営資源を重点投入する事例が目立つ。インフラ整備の面などから、燃料電池車は米では厳しい戦いを強いられるとみられる。』


ZEVについては、本ブログ・コラムで何度か取り上げました。ZEVは、Zero Emission Vehicleの略称であり、排出ガスを一切出さない電気自動車や燃料電池車を意味します。自動車メーカーに窒素酸化物(NOx)や粒子状物質などがほとんど出ない車を売るよう促す規制であることによります。

カリフォルニア州などのZEV規制は、当該州内で一定台数以上販売する自動車メーカーは、その販売台数の一定比率をZEVにしなければならないと定めています。

現在は、ZEVの完全執行(電気自動車や燃料電池車の普及)前の暫定処置として、プラグインハイブリッドカー、ハイブリッドカー、天然ガス車、排ガスが極めてクリーンな自動車の販売が認められています。

このZEV規制が、2017年以降に発売する新型車からより厳格に適用され、通常のハイブリッド車は販売できなくなります。

カリフォルニア州では、アメリカ全土のエコカーの50%位の需要がありますので、自動車メーカーにとっては大きな影響を受けることになります。

また、現在のZEV規制は、1年に6万台以上販売するメーカー6社(クライスラー、フォード、GM、ホンダ、日産、トヨタ)が対象になっています。

2018年以降、ZEV規制は、販売台数が中規模のメーカー6社(BMW、ダイムラー、現代、起亜、マツダ、フォルクスワーゲン)も対象となる可能性が高くなります。

現在の技術では、ZEV規制を満たす自動車は、EVか燃料電池車になります。EVでは、アメリカのテスラモーターズが今までスポーツカーなどの高級車用途に特化した自動車を発売してきました。

このテスラモーターズが、価格が400万円を切る新型量産車「モデル3」を2017年末に発売すると発表しました。

「モデル3」の特徴は、電池性能の向上などにより、1回の充電あたりの航続距離は215マイル(約345キロメートル)以上となることで、ガソリンエンジン車より劣りますが、日常生活に使用できる航続距離を実現するとしたことです。

燃料電池車は、トヨタ自動車やホンダなどの国内自動車メーカーが積極的に開発・実用化を進めています。

燃料電池車を普及させるには、水素ステーションの普及と価格低減化が必要になります。日本市場では、政府が燃料電池車の購入や水素ステーションの設置に補助金を出して普及促進を図っています。

アメリカ市場では、燃料電池車に対するビジネス環境が日本と異なりますので、現時点でトヨタやホンダが燃料電池車を中心にZEV規制対応することは困難になります。

トヨタやホンダは、ハイブリッド車で大きな開発・実用化のノウハウ蓄積がありますので、両社は、アメリカ市場攻略のために、当面燃料電池車と並行してこれら蓄積されたノウハウを活用してEVの開発・実用化を行う必要があります。

EVのネックは、1回の充電から可能な航続距離が制約されることになります。このため、自動車メーカーは、現在使われているリチウムイオン電池の技術改良に積極的に取り組んでいます。

テスラモーターズの場合、パナソニックがリチウムイオン電池の開発・実用化と供給で協力しています。

また、EVの航続距離を長くするためには、車体の軽量化が必要不可欠になります。炭素繊維素材などの積極的導入や関連部品の技術革新で、高信頼性・強度・安全性などを担保しつつ車体の軽量化を実現することになります。

テスラモーターズやグーグル、アップルなどの米大手企業は、自動運転車の開発・実用化にも積極的に投資しています。

近未来のEVは、自動ブレーキ搭載に加えて、法規制の変更と安全性や走行性が担保されれば、自動運転車を投入します。

当然のごとく、自動ブレーキあるいは自動運転車は、現時点ではEVになります。EVは、文字通り電気とインターネット・ITがフル活用・搭載された次世代型自動車になります。

トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、重要な市場であるアメリカ市場で勝ち組になるには、当面の間、競争力のある次世代EVを開発・実用化する必要があるとみています。

トヨタは、次世代自動車の開発・実用化のために、シリコンバレーにITやソフトウエアの開発拠点を作りました。

ハイブリッド車やEVの開発・実用化で遅れたフォルクスワーゲンなどのドイツ自動車メーカーも積極的に次世代自動車の開発・実用化に取り組んでいます。

トヨタやホンダの動きは、今後の日本の自動車産業や周辺事業に大きな影響を与えます。この視点から、今後とも、トヨタやホンダがアメリカ市場のZEV規制にどのように対応していくか注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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