日経記事;『フィリップス,ヘルスケアで稼ぐ 機器でデータ収集,患者に情報 医療インフラ構築』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『フィリップス,ヘルスケアで稼ぐ 機器でデータ収集,患者に情報 医療インフラ構築』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 海外展開
経営コンサルタントの活動 海外展開支援

皆様、
おはようございます。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

2月2日付の日経新聞に、『フィリップス,ヘルスケアで稼ぐ 機器でデータ収集,患者に情報 医療インフラ構築』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『欧州電機の雄、フィリップス(オランダ)が健康・医療分野の製品から情報サービスまで扱う「総合ヘルスケア企業」に変貌しようとしている。医療機器から集まる膨大なデータを生かし、米IT(情報技術)大手とも組んで治療現場などに役立つ情報を提供する。

同社は事業再編を繰り返し、年内には祖業の照明部門も分離する。同時に消費者との接点は保ち、法人向けシフトを急ぐ他の先進国の電機大手と一線を画す。

ヘルスケア機器を起点にサービス分野を広げる(昨年11月、世界最大級の医療機器見本市「メディカ」)

「データは持ち運び、スマートフォン(スマホ)でも確認可能。個人に合った医療を追求する時代にはデータこそが重要です」。昨年11月、独デュッセルドルフで開かれた世界最大級の医療機器見本市「メディカ」。フィリップスの担当者は磁気共鳴画像装置(MRI)の最新技術の特徴と同時に、付加サービスの説明に時間を割いた。

向かいに陣取る独シーメンスで機器の最新技術の説明が中心だったのに比べて違いが際立った。

フィリップスは家庭や病院の健康・医療関連のあらゆる機器がインターネットでつながる「IoT」の時代の到来をにらむ。体重計や血圧を測るリストバンド、MRIなど同社製の数万の機器をネットで接続し、個人情報に注意しながらデータを集める。他社製品の接続も受け入れる。

これらに同社の病理学の知見や過去のデータを加えた「ヘルススイート・デジタル・プラットフォーム」を構築。人工知能(AI)も活用し、医師が診断方針を決めるのに役立ててもらう。脳血管治療など分野ごとのソフトとして売り込み、機器販売との相乗効果を見込む。

米IT企業のヘルスケア分野とフィリップスのデータに対する関心は高い。同社は医療関連のクラウドサービスで2014年に米セールスフォース・ドットコム、15年には米アマゾン・ドット・コムとの提携をそれぞれ決めた。

フランス・ファン・ホーテン社長は「当社は健康・医療のビッグデータ提供者。クラウドの専門企業と組みながら事業を広げる」と語る。製薬会社からもヘルススイートに接続したいという声があるという。

フィリップスは1891年に白熱電球メーカーとして生まれて以来、数々の発明品を世に送り出してきた。特にソニーと共同開発したCDは有名だ。だが今、これら製品を見るには創業地アイントホーフェンのフィリップス博物館に行くしかない。撤退したからだ。

テレビは台湾冠捷科技(TPVテクノロジー)、音響機器は米ギブソン・ブランズに売却済み。ただ、テレビなどでフィリップスのブランドは残し、ブランド使用料を受け取りながら、消費者の認知度の維持も図る。

医療機器で競合する米ゼネラル・エレクトリック(GE)やシーメンスは家電部門を売却し、再編が遅れた日本の電機大手もテレビなど消費者向けを縮小している。

一方、再編で先手を打ったフィリップスの売上高に占める企業向けの比率は近年7割で変わらない。ファン・ホーテン社長は大幅な再編には一区切りをつけており、一段の消費者向けの縮小に否定的だ。「すべての消費者が患者になる可能性があり、健康・美容の需要は今まで以上に増す。IoTの時代は消費者との接点がより重要になる」と語る。

6月までには業界首位の照明について、売却か新規株式公開(IPO)を決める。事業領域を絞り込んできた同社で、06年に投資ファンドに売却した半導体部門を率いていたのがファン・ホーテン社長。そこで生まれたNXPセミコンダクターズは昨年、米社買収で合意し車載用半導体の世界首位に立つ見通しだ。

「電機業界は変化が早い。時代にあわせ外に出た方がよい結果が出る。照明もNXPと同じようになるだろう」と同社長は話す。健康・医療サービスとともに照明の行方にも注目が集まる。』


私は、昨年(2015年)11月中旬に開催されましたMEDICA(メディカ)2016に、支援先企業とともに出席しました。

MEDICAには、毎年医療やヘルスケアなどの関連業界から数多くの企業が出席・出展します。MEDICAは、世界市場で最大の医療機器関連展示会であることによります。

国内企業が世界市場で医療ビジネスに参入するには、MEDICAへの出展が有効な方法の一つになります。多くの販売会社や代理店、病院関係者など多くの企業・人も出席するので、販路開拓・集客に結びつく商談を数多くもてることが一つの理由になります。

ところで、毎年MEDICAに出席して感じることは、米GE、蘭フィリップス、独シーメンスなどの欧米大手企業が、医療ビジネスに対する積極的な投資を続けていることです。

とくに昨年でのMEDICAでは、例年に比べてフィリップスがより積極的に商品や技術を展示・発表している姿勢を感じていました。

以前の会社勤務先がフィリップスとは事業連携・協業の関係にあったため、たびたびフィリップスの本社を訪問して、多くの打合せをもちました。

この時に、フィリピンの経営状況や今後の経営支援などについて定期的に情報収集・分析を行っていました。

2000年代前半から、フィリップスは事業収益の低下問題に直面しており、総合電機メーカーの冠を外しつつあり、とくに採算が悪化していた家電事業や半導体事業から、順次撤退や事業売却を行っていました。

少なくとも、フィリップスの事業の集中と選択作業は、国内大手電気機器メーカーより先行していました。

しかし、フィリップスは数多くの事業群をもっていたため、合理化はステップバイステップで順次行ってきました。

事業の集中と選択作業をGEとフィリップスで比較すると、GEの方が迅速に進めてきたとの印象をもっています。

フィリップスのやり方は、国内企業に似ているところがあります。企業風土や社会環境も影響しているとみます。

フィリップスは、新聞記事にありますように、以下のように集中と選択作業を行ってきました。
・2006年;半導体事業売却
・2007年:携帯電話事業売却
・2009年:液晶パネル事業撤退
・2014年:テレビ事業撤退
・2014年:音響機器事業売却

そして、GEの家電事業のように、企業の顔の一つである照明機器事業を売却して、撤退しようとしています。

フィリップスは、今後、医療機器と白物を含めた家電事業を経営の柱とする専業メーカーに特化しようとしています。

昨年のMEDICAで感じたフィリップスの勢いは、医療機器事業をより大きくするというメッセージが込められていました。

欧米日の先進国では、欧米では移民受け入れによる人口増加があるとともに、3地域・国共通の課題として、高齢化による老人人口と医療費高騰の問題があります。

老人人口の増加や医療費高騰は、世界の医療機器市場が拡大していることを意味します。この医療機器事業に、フィリップス、GE、シーメンスなどの世界企業は長年にわたり投資を行ってきましたので、各社とも強固な事業基盤を欧米市場で構築しています。

上記3社とも拡大し続ける医療機器市場で、シェア拡大を図るため今後も継続して投資を続けます。IoT対応は、その一例であり、1社だけでは実現しませんので、国内大手関連企業も含めて多くの企業間でインターオペラビリティの確保・セキュリティ対策などに対応していきます。

このような現在の医療機器事業は、日欧米の市場でのニーズが高いので、国内中小企業が海外で医療機器事業に参入するとき、欧米市場に切り込む必要があります。

国内の中小企業や所有している技術や商品の知名度は、海外ではほとんどゼロですので、上記しましたように、すでに欧米企業が築いた強固な事業基盤に簡単に入り込むことはできません。

国内の中小企業が欧米の医療機器事業に参入するには、差別化・差異化可能な技術や商品をもっていることが前提になります。

この中小企業が、知恵を絞ってさまざまな事前準備ややり方を計画・実行すれば、欧米市場で販路開拓・集客や連携・協業先の企業確保などを実現することが可能になります。

欧米の医療機器市場は、拡大していますので、中小企業が当該市場に参入できれば収益拡大を実現できます。

MEDICAへの出展は大きなきっかけや機会獲得になる可能性があります。ただし、単に出展するだけでは高額なコストの観光旅行を行うことになります。

出展前の事前準備を入念に行って、MEDICA開催中の商談やミーティングの事前設定・予約をどれだけ行えるかも、当該展示会出展の成功の秘訣の一つになります。

欧米の医療機器市場は非常に魅力的ではありますが、国内の中小企業が簡単に参入できないことを認識・理解して、参入するためのやり方を計画・実行することが重要であり、必要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営コンサルタントの活動」のコラム