日経記事;『デンソー、全工場にIoT 20年までに、生産変動に即対応 「ネット直結」広がる』に関する考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『デンソー、全工場にIoT 20年までに、生産変動に即対応 「ネット直結」広がる』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

1月18日付の日経新聞に、『デンソー、全工場にIoT 20年までに、生産変動に即対応 「ネット直結」広がる』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『デンソーは「IoT(モノのインターネット)」の技術を本格導入する。2020年までに国内外にある約130の全工場をネットでつなぎ、生産を効率化する。OKIも主力のプリンター事業で内外4工場にIoTを取り入れた。

この分野はドイツや米国の企業が先行しているとされる。日本の製造業でもIoTで国内外の生産拠点をつなぎ、有効活用しようとする動きが広がってきた。

IoTを導入することで、従業員の動きや技能、生産設備の状況などを素早くセンサーで分析し、効率の良い工場運営につなげる。例えば設備の稼働状況の情報をセンサーで収集し、常時接続しているシステムでリアルタイムに分析することで、故障を未然に防いだり、メンテナンスコストの削減につなげたりする。

デンソーはカーエアコンやエンジン部品など多様な製品を手掛け、世界の複数の工場で同じ製品を作る例も増えている。主力製品のひとつのメーターであれば、生産拠点は国内に加え、米国、メキシコ、フィリピンなどに広がる。IoTを通じた分析によって、ある工場で得られた効率生産の事例を同じ製品を作る別の工場にも応用する。「あたかも1つの工場のように運営する」(有馬浩二社長)ことで、生産変動などにも即座に対応する。

まず18年に一部の工場を結んでIoTに対応した新たなシステムを稼働する。これを20年までに原則としてすべての生産拠点に広げる。検討している生産系の情報システムの刷新を含め、投資は100億円規模になる可能性がある。15年に設立した「ファクトリーIoT革新室」が現在、計画を策定しており、今春をメドに詳細を固める。

OKIはプリンターの主要部品のひとつである半導体で、生産履歴をたどりやすくするシステムを導入した。担当者や製造日時などを細かく把握・分析することで、不良による廃棄を従来比で7割削減した。今後、プリンター生産部門の全体に同様の仕組みを拡大し、顧客対応窓口や協力会社にも広げる方針だ。

センサー類や通信コストの低減などでIoTは急速に広がっている。製造業による利用ではドイツが国を挙げて「インダストリー4.0」に取り組み、米国でも「インダストリアル・インターネット」の普及を目指している。

日本でもIoTへの投資は増加しており、調査会社IDCジャパン(東京・千代田)によれば、国内IoT関連市場は19年に16兆円を突破し、14年比で7割以上拡大する見込み。工場の効率運営に活用する企業も増えている。』


本日の記事は、デンソーやOKIなどの大手製事業者が本格的にIoT導入を始めたことについて書いています。

このIoTは、中小の製造事業者でも、製造から販売までのビジネスフローの中で使われ始めています。

中小企業が活用できるようになった理由は、導入コストの低減化が進んでいることによります。
IoT導入のためには、短時間に生成される多くのデータ・情報を高速に収集・分析を行う必要があります。

今までは中小企業がIoT対応を自前で行う場合、一定性能のサーバーやサーバー管理者、あるいは当該目的のアプリケーションソフトウエアを高額投資してそろえる必要がありました。

現在、クラウドサービスを活用することで、サーバーやサーバー管理者を自前でもつ必要がなくなってきました。

さらに、IoTに対する関心・需要が高まるとともに、関連したアプリケーションソフトが多くのITベンダーから開発・実用化されつつあります。多くのアプリケーションソフトの提供価格は合理的であり、中小企業にとって導入しやすくなっているものが多くなっています。

また、本日の記事に書いていますように、センサーや無線LANチップなどの関連デバイスの販売価格の低減化も大きな導入要因になっています。

中小企業、とくに一部の製造事業者は、従業員確保が難しくなっています。昨年来、中堅・大手企業の採用意欲が高まった結果、多くの中小企業は、人材確保が困難になっています。

私の支援明企業の中に、人手不足を解消するとともに、より高効率な事業の仕組みを構築しつつある中小製造事業者があります。

この企業は、海外市場を開拓するために、インターネット通販事業を第三者の販売会社を使った販路に加えて新規に立ち上げました。

その結果、国内販売に加えて、ネット通販による海外販売が急速に伸びました。ここで人手不足が一気に表面化しました。

製造現場では、ロボット導入を含めてある程度の自動化を進めていましたが、製造需要の急速な伸びは、売上や在庫管理、工場の生産予定管理、仕掛品管理、部材・部品の発注、完成品の在庫管理、運送トラックの手配など多くの関連する業務に支障が出るようになりました。

そこで、この企業からの依頼を受けて、一気にビジネスフローを自動化するやり方を検討して、実行することになりました。

まず手を付けたのは、急速に伸びているネット通販事業による売上への対応です。ネット通販の場合、売上管理データは自動でリアルタイムに処理されます。海外向けビジネスの場合、1日24時間売上が立ちます。

この過去数カ月の売上データから、各商品ごとの平均売上台数から、過小在庫および過剰在庫をさけるための適正在庫となる商品回転率を算出して、ネット通販の売上台数の動きに合わせて設定した商品回転率を維持するためにに、不足分を製造側に自動発注する仕組みにしました。

製造側でも今までの出荷実績から、各商品を作るための部材・部品を納入リードタイムに従って定量発注するやり方を自動化しました。とくに納入までのリードタイムが長い部材・部品は、在庫が不足しないよう集めに在庫をもつようにプログラムされています。

部材・部品の発注は、自動的にeメールで取引先に送られるようになっています。取引先には、発注したeメールに記載されているURLをクリックして、受注・納入予定を確認するWebサイトで当該情報を入力してもらって、当該部材・部品の発注と納入予定を確認できるようにしました。

部材・部品の取引先は、発注企業に対して出荷するときに、同じWebサイトに出荷日時を入力してもらいます。このことにより製造側は納入品の納入予定時期を理解して、在庫データベースに反映できます。

製造ラインに投入される部材・部品には、バーコードチップが貼られており、各ラインに投入されたものはセンサーで読み取られて、数量や仕掛在庫数量がリアルタイムで自動的にデータベースに反映されます。

完成した商品は、ネット通販で受注した売上や在庫台数により、自動的に顧客や在庫分に引き当てされます。

顧客に送る分は、ネット通販の売上データから、顧客名や送付先などの情報を運送会社に連絡して、飛行場や港などに運送されることになります。

上記の仕組みは、IoTを利用して行っています。導入時は、支援先企業のIT担当者、各種アプリケーションソフトを開発・実用化するITベンダー、クラウドサービス事業者などとミニプロジェクトを作って実行しました。

導入コストは、一定金額を要しましたが、導入後はスムーズに稼働しており、クラウドサービスを活用することで、大きな固定費負担を避けることができています。

中小企業でも、創意工夫を行うことにより、低コストでIoT対応を実現することができるようになりつつあります。

IoTは、人手不足に直面する中小企業にとっては、導入や活用の仕方を工夫すれば、有効な武器になることを実感しています。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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