日経記事;『欧州、EV・HVシフト VW不正、ディーゼル逆風』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『欧州、EV・HVシフト VW不正、ディーゼル逆風』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

1月10日付の日経新聞に、『欧州、EV・HVシフト VW不正、ディーゼル逆風』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正でディーゼル車に逆風が吹くなか、ディーゼル車に依存してきた欧州の自動車大手が電動車両への移行を加速する。各社は電気自動車(EV)の走行距離を伸ばす開発を進め、今年以降、低コストの簡易型ハイブリッド車(HV)も投入する。ディーゼル車に次ぐ欧州発「エコカー」の登場で、日本勢との競争も激しくなりそうだ。

VWの2015年のグループ世界販売台数は、前年比2%減の993万600台。VWは戦略の立て直しを迫られている。VWブランド乗用車部門のトップ、ヘルベルト・ディース氏は、米国で開かれている家電見本市「CES」の開幕前に基調演説し、「新たな流行をしかける」と訴え、ミニバンのEV「バディー」のコンセプト車を初公開した。

このEVは電気だけで600キロメートル走ることが可能だ。20年までに市販する。投資原資が限られるVWが電動車両向けに開発した共通プラットフォーム「MEB」の第1号となる。大容量の電池の置き場所を共通にし、量産しやすくした。

VW傘下の高級車メーカーは1回の充電で500キロメートル走行できるEVのコンセプト車を発表済み。ポルシェは昨年12月、10億ユーロ(約1280億円)を投じ20年までの発売を決めた。投資を圧縮しているアウディも、新型EVの18年発売に向けた投資は確保した。

欧州自動車工業会(ACEA)によると、現状で欧州のEVの走行距離は160キロメートル。VWグループが開発を進めるEVは3倍以上走る。独ダイムラーは車載用電池の技術を内製化しコスト削減を急ぐ。

ただEVには高い電池価格や充電インフラ整備の遅れなど普及の壁はあり、欧州の新車販売に占めるEVのシェアは1%に満たない。ディーゼル車からの本格的な代替はまだ先の話となる。

そこで欧州勢が力を入れるのが「マイルドHV」と呼ばれる簡易型のHVだ。低電圧の48ボルトのモーターを走行時の補助用に使う。燃費は10%程度減らせる。電力変換装置とあわせたシステムのコストは、100ボルトモーターを使うフルHVの半分という。大容量の電池を積みにくい小型車に向いているとされる。

日本勢が先行したフルHVの対抗技術として準備を進めてきた欧州勢が今年以降、販売を始める。今年は「マイルドHV元年」となりそうだ。仏ルノー、プジョーシトロエングループ(PSA)などが発売を予定。VWも数年後に看板の小型車「ゴルフ」に採用すると報じられる。

独のボッシュ、コンチネンタル、シェフラー、仏ヴァレオなど部品大手もモーター一体型部品などの開発に熱心だ。コンチネンタルは「20年にはマイルドHVが世界販売の4%に達する」と見通す。

欧州連合(EU)は各社の域内で販売する新車の1キロメートル走行あたりの平均二酸化炭素(CO2)排出量を21年に95グラム以下にするという、世界で最も厳しい基準がある。ディーゼル車排ガス試験の運用を厳しくすることも決まっており、ディーゼル車で対応しようとしても技術開発費などで企業の負担は増える。フランスでは燃料となる軽油の税制優遇が段階的に減り、ディーゼル車利用者の負担は拡大する。

独BMWのハラルト・クリューガー社長は昨年12月、独紙に「規制が厳しくなり、ディーゼル車は経済的でなくなる。電動車両が決定的な役割を果たすことになる」と指摘した。BMWは全車種にプラグインハイブリッド車(PHV)を採用する方針だ。』

今まで欧州の自動車メーカーは、ディーゼルエンジン車を環境対応車として製造・販売してきました。

そのディーゼルエンジン車が、VWの排ガス規制への不正対応と、EUが決めた厳しいCO2排出量規制の適用により実質的に売れなくなる状況になりつつあります。

国内の自動車メーカーの中には、欧州市場対応や欧州自動車メーカーとの競合に打ち勝つため、ディーゼルエンジン車の開発・実用化を行っている企業がありますが、先進国市場では今後ディーゼルエンジン車の需要は減少していくとみています。

電気自動車(EV)は、CO2排出量がほとんどゼロですので、現時点では燃料電池車と並んで究極の環境対応車の一つになります。

EVの課題の一つは、より実用的な電池の開発・実用化にあります。EVの走行距離数を単純に増やすだけでなく、真夏、真冬、雨天などの厳しい自然環境下でガソリンエンジン車と同じような快適性の実現が求められます。

さらに、EVに対する充電インフラ整備も大きな課題になります。現時点では、充電スタンスはほとんどありません。

そこで、当面の環境対応車は、ハイブリッド車(HV)になります。HVは、充電スタンドを必要としませんし、電池の走行距離の問題がないことによります。

このHVの開発・実用化は、トヨタ自動車やホンダなどの国内自動車メーカーが大幅に先行しています。

欧州市場は、今までディーゼルエンジン車が主流になっていましたので、国内自動車メーカーには大きな事業機会を獲得することは、難しい状況になっていました。

今後、HVが需要の中核となりますので、国内自動車メーカーにも大きな商機が生まれます。同時に、国内自動車メーカーは、HVの分野で欧州勢との激しい競争にさらされることになります。

今まで、HVは販売価格の点でディーゼルエンジン車とは区別できており、一種の差別化ができていました。

今後、欧州自動車メーカーがHV市場にフル参入しますので、価格競争は厳しくなることは確実です。

本日の記事にありますマイルドHVの実力はよく分かりませんが、価格の面では今のトヨタやホンダのHVよりも低コストで実用化されるようなので、欧州市場では、低価格のHVを導入しないと勝てない可能性があります。

トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、今後、欧州と米国市場でHVの激しい競争に直面しますので、当該状況を想定して新車の開発・実用化を進めるとみています。

当初、国内自動車メーカーがHVを開発・実用化したときに、HVはガソリンエンジン車からEVもしくは燃料電池車に切り替わるまでのショートリリーフになるとみられていました。

しかし、この状況はディーゼルエンジン車の失速で大きく変わります。国内自動車メーカーは、HVの開発・実用化で先行した結果、多くのノウハウや強みをもっています。

これらのノウハウ強みを最大化して、欧州自動車メーカーに対して徹底的に差別化・差異化を可能にするHVを開発・実用化して欧州市場を席巻することを期待します。

米国市場でもCOP21の目標達成のために、HVやEVに対する需要が高まります。米国市場では、当面の間、ガソリンエンジン車の高需要が続くとみていますが、今後、カリフォルニア州やニューヨーク州などの環境意識が高い州では、HVやEVに対する需要が高くなることは確実です。

国内自動車メーカーは、素材、デバイス、部品、ソフトウエアなどの各要素技術を最大限に活用して、より高効率なHVを開発・実用化してきましたし、今後はその動きが当然のごとく加速されます。

ここに、中小企業にとって大きな新規事業機会が生れる可能性があります。徹底したオンリーワンの技術やノウハウをもつ中小企業が、自動車メーカーと協業・連携して次世代のHVを開発・実用化できれば、ともに世界市場で勝ち組になれます。

HVの課題の一つに、ガソリンエンジン車と比べて高価格になることがあります。高信頼性を損なわずに、より低価格化なHVを実現することが、HVの急速普及には必要不可欠になります。

国内の関連企業が、次世代HVの開発・実用化に成功して、世界市場の勝ち組になることを大いに期待します。

この視点から今後のHVの進化に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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