不動産財産分与の関連事項 - 住宅ローン全般 - 専門家プロファイル

涌井啓勝
株式会社コアトータルプランニング 代表取締役
不動産コンサルタント

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閲覧数順 2024年04月16日更新

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不動産財産分与の関連事項

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不動産財産分与の関連事項

**住居を購入する際、夫の両親に出してもらった頭金は財産分与の対象になるのか
それぞれが結婚前から持っていたり相続したりした財産(特有財産)は財産分与の対象にはなりません。
多くの場合、円満な結婚生活のために夫婦に対して、住宅購入資金として贈与されたといえる場合が多いでしょう。そのような場合は、夫の両親から出してもらった頭金相当分も夫婦の共有財産ということになります。しかし、特別の事情があって相続分の前渡しなどの意味で夫に贈与されたものと考えられるような場合は、頭金相当分は夫の特有財産ということになりますから、財産分与の対象とはなりません。

**財産分与に税金はかかるか
財産分与の額が、夫婦が協力して得た婚姻中の財産の額や社会的地位からして、夫婦共有財産の清算として相当な額であれば、贈与税は一切かかりません。

**支払う側の税金
現金で支払う場合には、課税されません。現金以外の物で分与する場合には、譲渡所得税という税金がかかります。不動産を財産分与した場合、所得税法にいう資産の譲渡に当たるとして、譲渡所得税がかかる場合があります。いくら課税されるかは、一般の譲渡所得税の計算によります。また、株式、ゴルフの会員権などを譲渡した場合にも課税されます。
※親などに支払ってもらうと、親からの贈与を受けたとして、贈与税が課せられることもあります。
※不動産を譲渡する側は所有権の移転費用が必要。

**受け取る側の税金
財産分与を現金で受け取る場合には、所得税も贈与税もかからないのが原則です。
※不動産を譲渡される側は、譲渡された後で不動産取得税がかかります。不動産取得税は都道府県税事務所で税額を確認します。

〔注意事項〕
1.一切の事情を考慮しても財産分与として分与された財産額が多すぎる場合は、その多すぎる部分について、贈与税がかかります。
2.贈与税を免れるために離婚を手段として財産が譲渡された場合。この場合、贈与があったとみなされて、贈与税がかかります。

**居住用不動産の財産分与について

***(1)財産分与として渡す場合
居住用不動産の譲渡所得について2つの特例適用

1.居住用不動産の譲渡の3,000万円の特別控除
売却利益が3,000万円以内の部分は無税です
2.居住用不動産の軽減税率適用
所有期間が10年を超えていれば特例を受けることができます

親族以外への譲渡が要件となっていますので、離婚して親族ではなくなった後に財産分与として不動産を渡す必要があります。


***(2)財産分与のために売却する場合
(1)と同じく、「3000万円の特別控除」と「居住用不動産の軽減税率適用」があります。内容と要件も(1)と同じです。


***(3)婚姻期間が20年以上の夫婦の場合
・婚姻期間が20年以上の夫婦の場合、居住用不動産を贈与しても引き続き居住するときは、基礎控除110万円のほかに2,000万円の配偶者控除がありますので2,110万円まで非課税です。
・婚姻期間が20年以上の場合、離婚前に2,000万円に相当する不動産を贈与し、離婚後に残りの持分を財産分与すれば、税金を払わずにすむ場合もあります。
※不動産取得税は課税されます。


***(4)ローン付居住用不動産
住宅の時価から分与時のローン残債を差し引いた残りの額が財産分与の対象になります。例えば、住宅の時価が5,000万円で、夫名義の住宅ローンが3,000万円残っていたとすると、5,000万円から3,000万円を差し引いた残りの2,000万円が財産分与の対象になります。寄与度が二分の一とすると、夫婦それぞれの財産分与額は1,000万円ということになります。

**離婚の財産分与請求権の時効
離婚が成立した日から2年以内に請求しなければ無効です。
※離婚が成立した日とは、協議離婚では離婚届が受理された日、調停離婚では調停が成立した日、審判離婚では審判が確定した日、裁判離婚では判決が確定した日です。

**離婚後も財産分与の請求はできるか
離婚した後も時効にかからなければ請求できます。
財産分与を決めずに離婚するのは危険です。いったん離婚が成立した後には、相手方がなかなか財産分与の話合いに応じず、応じたとしても額を低く値切られることがありますので、財産分与を請求するのであれば、離婚が成立する前に請求するべきです。また、財産分与が決まるまでに時間がたってしまうと、相手が勝手に処分したり、売却する恐れもあります。この場合、権利としては請求できても 実際問題として実現できなくなることがあります。協議できない場合には、家庭裁判所に調停・審判を申し立てましょう。

**一度放棄した請求権は取り戻せないのか
離婚の時に「離婚に関する債権債務が一切ないことを相互に確認する」「今後名目の如何を問わず、一切の請求をしない」という約束をしていると、詐欺や脅迫によってそうした約束をさせられた、あるいは重大な思い違いをしていたなど特別の事情がないかぎり財産分与の請求はできなくなります。

**離婚に際して財産を隠そうとしている場合の対処法
すでに解約された銀行口座がある場合には、解約日前日の残高証明書を銀行からもらっておきましょう。そうすれば、解約し隠してしまった預金がいくらあったのかを証明できます。銀行の預金や不動産を離婚中に勝手に処分されないためには、以下の方法によって財産を保全しておくのが最善の方法です。
・家庭裁判所に離婚の調停を申し立て、調停手続きが終了するまでの間、財産の処分を禁止する仮の処分を申し立てます。
・家庭裁判所に審判を申し立てた上で、審判前の保全処分を申し立てます。この処分に執行力があるため、相手が財産を隠したり処分したりするのを防ぐことができます。
・民事上の保全処分手続きを利用します。地方裁判所に対して、不動産や定期預金の処分禁止の仮処分や仮差押えの申し立てをします。

親族以外への譲渡が要件となっていますので、離婚して親族ではなくなった後に財産分与として不動産を渡す必要があります。

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