日経記事;『世界の工場 中国に陰り 神鋼,投資を延期 ダイキン,国内回帰 労働コスト 日本超す』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『世界の工場 中国に陰り 神鋼,投資を延期 ダイキン,国内回帰 労働コスト 日本超す』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

12月6日付の日経新聞に、『世界の工場 中国に陰り 神鋼,投資を延期 ダイキン,国内回帰 労働コスト 日本超す』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『「世界の工場」と呼ばれる製造業の拠点である中国の地位に陰りが見えている。神戸製鋼所は米国で自動車部品の増産投資を決める一方、中国での投資を延期。

カジュアル衣料大手のアダストリアは生産の中国比率を9割から7割に引き下げる。中国市場の成長鈍化が影響しているほか、人件費の上昇も影を落とす。

表面的な人件費に労働生産性も加味した「単位労働コスト(総合・経済面きょうのことば)」では日本との逆転現象も起き、日本企業の国内回帰も広がりつつある。

神戸製鋼は衝撃を吸収するサスペンションに使うアルミ鍛造部品の増産投資を延期する。当初は今年秋に生産能力を4割高める計画だったのを1年程度延期しており、さらに先に延ばすという。中国の新車市場の成長が鈍化傾向にあるためだ。

一方、新車市場が堅調な米国では、同じ部品で約70億円を投じて生産能力を8割高める。

2014年まで中国市場が急拡大したスマートフォン(スマホ)も飽和感が強まり、関連企業に影響が出ている。スマホ部品の精密加工などに使う小型旋盤大手のツガミは中国で月1500台の生産能力を持ち、今春は月800台程度を生産していたが、足元は300~400台にとどまる。

人件費の上昇を受けて中国生産比率を引き下げる動きもある。「グローバルワーク」などのブランドを持つアダストリアは、今後5年以内に9割から7割に下げる。

代わりにベトナムなど東南アジアを1割から3割に高める。日本への輸送コストは膨らむが、人件費の抑制で全体のコストは1割下がるという。

衣料品国内最大手のファーストリテイリングはかつて9割以上だった中国比率がすでに6~7割に低下したとみられる。

日本国内に生産を切り替える動きも広がる。ダイキン工業は家庭用エアコンの中国での生産を今年度は前年度比約2割、15万台減らし、滋賀製作所(滋賀県草津市)の生産を同20万台増の100万台に引き上げる。

中国などアジア生産を拡大してきたTDKは、日本との人件費の差の縮小を受けて「新たに人件費が安い地域を探すよりも、国内生産で競争力を高める」(上釜健宏社長)という方針に転換。本荘工場(秋田県由利本荘市)などに新しい製造棟を建設している。

中国の人件費は年1割程度の上昇が続き、日本貿易振興機構によると工員の平均月給は北京が566ドル(約7万円)、上海が474ドルとなった。2千ドル超の日本を大きく下回るが、生産性も加味した単位労働コストで比べると様相は変わる。

SMBC日興証券の試算では、日中のドル建ての単位労働コストは1995年時点では日本が中国の3倍以上だった。ところが、その差は次第に縮小し13年に中国が日本を逆転。14年は中国が日本を引き離している。

第2次安倍政権の発足後、人民元に対して約4割の円安が進んだことも背景にある。同証券の渡辺浩志シニアエコノミストは「労働者の高い生産性が求められる高付加価値品ほど日本での生産が有利になる」と指摘する。

日中の労働コストは当面、再逆転しないとの見方が多い。第一生命経済研究所の星野卓也エコノミストは「円高が日本の労働コストを押し上げても中国の賃金上昇の影響が上回る」とみている。


中小企業庁が、毎年発行している中小企業白書の中に、国内製造事業者が海外投資を行うパターンや目的などの変化を経時的変化でとらえた内容がありました。

その調査結果によると、多くの中小製造事業者は、新規に工場建設を中国やアセアン地域などで行う場合、当初は低賃金の労働コスト確保を最優先に考えます。製造コスト削減が海外に工場建設するときの最優先課題になることによります。

そのあと、当該地域あるいは国に多くの製造企業が工場建設すると、多数の就労機会が生まれて、一般的には労働者賃金が上昇していきます。

多数の就労機会が生まれ、かつ、労働者賃金が上昇すれば、当該地域あるいはその国の経済状況が活性化していきます。

たとえば、タイでは過去50年くらいの間多くの製造企業が連続して投資してきた結果、日本の東京や大阪などと同じような産業集積が実現されています。

その結果、タイでは失業率が極めて低くなり、ほとんど失業がない状態になっています。現在、軍事政権発足後、タイ経済は不調になっていますが、失業率は高くなっていません。

労働者賃金も一定率で毎年上昇しています。

現在、タイに低い労働者賃金を求めて、新規に工場建設する国内企業はいません。アセアン域内で、低い労働者賃金を求めて国内企業が進出しているのは、ベトナム、フィリピン、インドネシア、ミャンマーなどです。

しかし、ベトナム、フィリピン、インドネシアでも、毎年二けたで労働者賃金が上昇していますので、将来、タイや中国のように低い労働者賃金確保が困難になるのは確実です。

現在のタイは、2015年ころから15歳から64歳までの生産年齢人口が日本と同じように減少していきます。

つまり、タイは労働者賃金と労働力確保の両面から、新規に工場建設する対象国ではなくなっています。

代わりに、タイの魅力は、比較的高い労働者賃金を確保できている生産年齢人口層が構成する中間所得層です。

タイの中間所得層は、消費意欲が旺盛であり、日本への観光客数も伸びています。つまり、現在のタイは、消費者市場としての魅力になります。

中国もタイと同じ状況になります。中国の労働者賃金も毎年上昇していますし、一人っ子政策の影響で生産年齢人口も日本と同じように今後大幅に減少していくと予想されています。

中国の魅力は、タイと同じように今後消費者市場としての魅力になります。中国は、巨大市場ですので、国内製造企業が工場建設などの進出目的は、当該市場の大きな需要獲得になります。

ここで上記しました中小企業白書に戻りますと、製造企業の進出目的は、低い労働者賃金確保から消費者市場確保のための工場建設であり、販路開拓になります。

アセアン域内でみますと、ベトナム、フィリピン、インドネシアの将来は、タイと同じになります。

そこで、中小製造事業者は、新規に工場建設するときに、進出先の現状と将来を予想して、しっかりとした事業計画(行動計画)を作って、自前の販路開拓を行っておくことが重要になります。

工場建設地域や国の事業環境が変化しても、事前に撤退や工場移管の行動計画を作っておき、環境が変化したら迷わずに実行することが必要であり、重要になります。

海外に工場建設した中小製造事業者にとって重要なことは、自前の販路開拓を海外進出前から入念に行うことになります。自前の販路をもっていれば、どこに工場をもっていても検討して行動しやすい状況になります。

販路開拓は、代理店、販売会社を活用したり、インターネット通販を含めて直販体制を確立するなどのやり方があります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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