日経記事;『「6億人市場」へ一歩 ASEAN経済共同体が来月発足 サービス自由化など遅れも』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『「6億人市場」へ一歩 ASEAN経済共同体が来月発足 サービス自由化など遅れも』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

11月23日付の日経新聞に、『「6億人市場」へ一歩 ASEAN経済共同体が来月発足 サービス自由化など遅れも』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『12月末に発足する東南アジア諸国連合(ASEAN)経済共同体(AEC)はすでに高水準の関税自由化を進めてきた。6億人の人口を抱えるASEAN域内で、経済発展の度合いに応じて生産工程の水平分業が進めば、「世界の工場」の新たなエンジンになるとの期待が高まる。一方でサービス分野などの自由化は遅々として進まず「見切り発車」も否めない。

22日にクアラルンプールで開いた署名式典。今年のASEAN議長国であるマレーシアのナジブ首相は、列席した安倍晋三首相や中国の李克強首相を前に「ASEAN発足から48年を経て、歴史的で最も重要な瞬間を迎えた」と胸を張った。

AECの最大の成果はモノの自由化だ。タイやシンガポールなど先発6カ国間ではすでに99%の品目の関税がゼロだ。カンボジアなど後発4カ国も18年までにほぼ撤廃する計画で、多くの企業が恩恵を受けている。

ただし抜け道もある。各国内の非関税障壁の存在だ。AECではその撤廃も掲げるが、現実にはインドネシアが鉄鋼製品への反ダンピング課税を発動するなど、新たに導入する事例がみられる。

理想と現実の乖離(かいり)は、発足時点での達成が先送りとなったヒトの移動やサービス分野の自由化も同様だ。

熟練労働者の移動自由化は建築士や医師などの8分野を対象とするが適用事例はまだない。物流などサービス分野で70%以上の外資出資を認める方針だが、複数の加盟国が同意していない。

欧州連合(EU)と違いAECの合意事項の実施は各国に委ねられ、法的拘束力がない。また1人あたり国内総生産(GDP)で首位のシンガポールと最下位のカンボジアの差が50倍超あるように、域内格差が取り組み遅れの一因となっている。

AEC構想は1997年のアジア通貨危機や、中国・インドの台頭への危機感から浮上した。外資の目を引くため「単一の市場・生産基地」など規模のメリットを前面に打ち出したが、各国の経済成長で外資の注目が高まったがゆえに、逆に保護主義的な考え方が強まっている面がある。

環太平洋経済連携協定(TPP)のようなより自由化度合いの高い自由貿易圏の枠組みが始動する中で、ASEANの経済統合は後戻りが許されない状況にある。日本貿易振興機構の助川成也・東南アジア事業推進主幹は「TPPなど広域の自由貿易圏構想の進展がAECの進化へ背中を押すだろう」とみている。』

以前から、ASEANでは、経済共同体(AEC)の発足を2015年末までに行うことを計画・発表してきました。本日の記事は、ASEANが最終的にAECの署名を12月31日に行うことを公式表明しました。

ASEAN域内では、タイやシンガポールなどの先進国を中心に、製造品を主対象にして域内の輸出入関税が9割超の品目ですでに撤廃されています。

当初の計画では、サービス事業も関税撤廃の対象であり、サービス事業への進出も自由化されることになっていました。

しかし、各国は自国の現地企業を海外企業との競争から守るため、対象128業種で外資の出資比率70%以上を認める計画が先送りされました。また、製造品についても、インドネシアなどでは自国の現地企業を守る規制が撤廃されません。

AECの全体のトーンは、当初計画より後退した印象をもっています。しかし、ASEANが自分たちの意思としてAECを発足させる計画を実行することに大きな意義があります。

これは、ASEANの熟成を意味していることによります。政治が安定して、経済が着実に発展・拡大できる土壌が出来上がりつつあることを示しています。

確かに、ASEAN域内では先進国のシンガポールと発展途上国のカンボジアの間では、GDPの差が50倍以上あり、国家間の経済規模や状況は大きく異なります。

一方、タイの発展が周辺国のカンボジアやミャンマーなどを潤しつつある現況もあります。ASEAN域内の、タイ、ベトナム、フィリピン、インドネシアの経済が発展すれば、ASEAN全体が経済発展することになります。

国内企業が約50年間継続的に投資してきた結果、タイの経済発展は揺るぎないものになっています。現在の軍事政権下での経済状況は、しょうしょう不安定になっていますが、ほとんど失業率がゼロに近い水準である状態が続いています。

タイは、製造事業の投資対象国というよりは、サービス業や飲食業などの第三次産業の投資対象国となっており、大きく発展した中間所得層の潜在需要獲得がポイントになっています。

ベトナムは、インドネシアやフィリピンとともに、第2のタイを目指しています。この中で、現在国内企業が投資対象国としてもっとも高い関心を示しているのが、ベトナムです。

製造事業の観点からみますと、ベトナム人の勤勉さ、手先の器用さ、比較的低い労働者賃金などは魅力になっています。

しかし、このベトナムでさえ、まだ官僚の汚職は明確に残っており、国内企業にとってわいろを要求された場合の対処の仕方は難しいものになっています。ベトナムで汚職が多い原因の一つが、公務員の低賃金にあると言われています。

ベトナムが経済発展して、国全体が豊かになり公務員の給与が上がれば、汚職の頻度も減少するとみています。

最近、大枠合意したTPPに対して、ベトナムは同じASEAN域内のシンガポール、マレーシア、ブルネイとともに参加しています。

ベトナムがTPPで規定された枠組みで経済活動を行うことは、必然的に公務員の汚職行為に対する規制も強化されます。ベトナムがTPP効果もあって、さらに安定した政治状況下で経済発展すれば、確実に第2のタイになれます。

多くの国内企業は、ASEAN域内で活発に事業展開しています。今後、新規参入や事業の多様化を考えている国内企業は、ASEANの今と将来をしっかりと見据えて、情報収集・分析と計画作成して実行することが肝要です。

ASEANでの事業展開は活発化していますが、「隣の芝生が青く見える」的な発想で安易に新規投資を行うと失敗するリスクが高くなります。

まずは、代理店(Representative)や販売会社を確実に確保して、集客や販路開拓をしっかりと行って、安定した売上が確保できるようになってから、工場建設や自前の販売会社設立などの新規投資を行うやり方が、上記リスクを低く抑えることにつながります。

海外展開には、失敗リスクを低減化させるやり方があります。リスクをゼロにはできませんが、ASEANでの事業展開はそのやり方に従って行うことが重要であり、必要です。

計画作成は、大胆かつ詳細に、行動は慎重かつ迅速に行うことが重要です。ASEANは魅力的な地域ですが、実際のビジネスには多くのリスクを伴いますので、足が地についた事業活動を行うことが必要です。

私の支援先企業には、このようにしてASEANでの事業展開を行ってもらっています。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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