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日経記事;『ビジネスTODAY自動運転市場2割占有狙う 日立が試作車。。。車版インテルへ』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

11月14日付の日経新聞に、『ビジネスTODAY自動運転市場2割占有狙う 日立が試作車 中堅メーカーに「心臓部」提供 車版インテルへ』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日立製作所は13日、初めて試作した自動運転車を公開した。富士重工業の車をベースにはしたが加減速や方向転換を指示するコントロールユニット、センサーなど心臓部は全て自社製。部品の存在感が増すいわば車版インテルだ。

経営資源が限られる中堅完成車メーカーにシステム丸ごとを提供する。2020年度に1兆円以上へ拡大する見込みの自動運転市場で世界シェア20%を狙う。

「自動運転に必要な技術を全てそろえた世界唯一の存在だ」。日立グループの日立オートモティブシステムズで最高技術責任者(CTO)を務める川端敦氏は同日、十勝テストコース(北海道帯広市)で胸を張った。

外見は一般の車と変わらないが、中には自前部品が詰め込まれている。人間の目を模したステレオカメラ、前後左右の状況を把握するサラウンドカメラ、遠距離監視レーダーの各種センサーに加え、全地球測位システム(GPS)と連携してレーンまで正確に把握する高精度地図、遠距離の状況を察知する車車間通信機器を搭載した。

目玉は銀色の弁当箱サイズの「自動運転電気コントロールユニット(ECU)」だ。2つのCPU(中央演算処理装置)で各種情報を瞬時に判断する。同日のデモンストレーションでは車線変更、遠い前方の路上駐車に対する注意喚起、200メートル先の車両確認、素早い自動駐車などを披露した。技術水準は高速道路で利用できる「レベル2」で、完成車メーカーと比べて遜色がない。3年以内の実用化をめざす。

総合電機として幅広い製品を持つ日立は「選択と集中」ができていないと批判されることもある。しかし、自動運転時代では、逆に総合力を生かしてシステムを丸ごと提供できる。競合する独ボッシュは、自動車向けリチウムイオン電池ではほとんど実績がない。パナソニックや三菱電機など大手電機勢に対しては、日産自動車から譲り受けた自動車部品のノウハウで差をつける。

日立にはIT(情報技術)業界での地殻変動が車でも起きるとの読みがある。インテル・インサイド(インテル、入ってる)。パソコンのブランド力は米インテル製CPUの採用が決め手となった。最近では台湾の半導体大手、聯発科技(メディアテック)が部品と設計図を提供し、誰でもスマートフォン(スマホ)メーカーになれる時代に。日立幹部は自動運転についても「完成車の世界大手は自前にこだわるだろうが、多くのメーカーから自動運転システムを請け負える」とにらむ。

自動運転の市場規模は15年度見通しで3千億円程度。日立のシェアは5%未満とみられる。「日立、入ってる」を業界標準とし、東京五輪が開催される20年度にはシェアを4倍に増やす計画だ。

そのためには今まで以上に顧客との結びつきが重要になる。日立の中西宏明会長兼最高経営責任者(CEO)は「社会イノベーション」との言葉を使い、顧客に入り込むこと、社会を大きく変える技術の大切さを訴える。自動運転をそのモデルケースとする方針だ。

15年度の日立の自動車分野の売上高は約1兆円の見通し。18年度の目標1兆2千億円の上方修正を検討中だ。1910年に日産と同じ源流を持つ企業の修理部門として創業した日立。次の100年の成長へ、ハンドルを切る先は自動運転だ。』


本日の記事は、日立製作所が自動運転車市場に参入することについて書いています。自動運転車は、センサーなどのデバイス、インターネット・IT・人工知能などの必要な技術ををフル活用しないと実現できない言わば究極の自動車技術になります。

インターネット・ITがキーテクノロジーの一つになる意味は、自動車がパソコンやスマートフォンなどの電気電子機器と同じように水平分業型の事業に近づくことを意味します。

また、自動車は今後環境対応がさらに進んで、水素自動車、電気自動車、ハイブリッド車などが主役になっていきます。

ガソリンエンジン車は、将来、マイナーな自動車になる可能性があります。現在の自動車メーカーは、ガソリンエンジン車で培ったノウハウをもとに、安全性、走行性、快適性、信頼性、耐久性などを訴求してきました。

これらのノウハウ蓄積は、自動車専業メーカーとしての垂直型事業形態で可能になっています。ガソリンエンジン車の開発・実用化能力は、専業メーカーでないと実現・蓄積できません。

水素自動車やハイブリッド車は、トヨタ自動車に代表されるガソリンエンジン車の専業メーカーのノウハウ蓄積がないと実現できません。

しかし、電気自動車は、テスラモーターズが先陣を切ったように、基本的な開発・設計エンジニアを集めれば、自動車専業メーカーでなくても、開発・実用化が可能になっています。たとえば、中国では多くの電気自動車メーカーが生まれています。

電気自動車は、環境対応車の一角を占めていくのは、確実です。どの非自動車専業企業でなくても、電池を使った電気自動車を利用して自動車産業に参入できるようになります。

米大手ITベンダーのアップルやグーグル、アマゾンなどは、自社内に開発・設計エンジニアを確保して、電気電子機器を開発・実用化し、大きな新規事業として立上ました。これらの企業の特徴は、工場をもたないファブレスであることです。

ソフトウエア、商品企画力、デザイン、開発などの総合力で差別化・差異化を実現して、既存の電気電子機器メーカーを圧倒しました。

自動車産業も、電気自動車を中心に自動運転対応の開発・実用化が進むことで、自動車メーカーのプレーヤーが変わる可能性があります。

さらに、ガソリンエンジン車であっても、ITベンダーなどの非自動車企業が、OEM供給を自動車メーカーに委託して、自社ブランドの自動運転対応車を開発・実用化するやり方も想定できます。

ガソリンエンジン車の専業メーカーの中には、自動運転車の製造を一手に引き受ける企業になるところも出てくる可能性があります。

日立製作所は、自動運転に必要な「人間の目を模したステレオカメラ、前後左右の状況を把握するサラウンドカメラ、遠距離監視レーダーの各種センサーに加え、全地球測位システム(GPS)と連携してレーンまで正確に把握する高精度地図、遠距離の状況を察知する車車間通信機器をそろえることができる」としています。

日立は、総合力で自動運転に必要なこれらのデバイスとソフトウエアを非大手の中堅自動車メーカーに売り込むことを想定しています。

グーグルやアップルなどの米大手ITベンダーは、電気自動車をベースに、明確に自動運転車の開発・実用化を進めています。

また、米GEも自動運転車に必要な中核技術をソフトウエア・人工知能も含めて急速なスピードで実現しつつあります。

一方で、自動運転車の開発・実用化に必要なデバイス、ソフトウエア、通信機能などの技術革新は、急速に進んでいきますので、多くのベンチャーや中小企業にとって大きな新規事業機会が生まれています。

環境対応した自動運転車が、近い将来先進国では大きな需要を生む可能性が高いので、自動車専業メーカーだけでなく、ITベンダーや他の業界から多くの企業が参入することが想定されます。

この群雄割拠状態となりつつある自動運転車事業環境で、自動車専業メーカー、日立やGEなどの総合企業、ITベンダー、新規事業参入企業が激しい競争を起こします。

私の期待は、国内のコアデバイスやソフトウエアを提供するベンチャーや中小企業が、大きな技術革新を起こして、新規事業機会を獲得することです。デバイスやソフトウエアの提供で、事業機会が生まれる可能性があることによります。

日立やGEの総合力が、大きな力を発揮する可能性がありますが、技術力のあるベンチャーや中小企業も一定規模の市場を獲得する機会創出にも期待しています。

この視点から、自動運転車の開発・実用化について、関連企業の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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