「S・ジョブズ氏が心臓発作」の誤報から考える - ITコンサルティング全般 - 専門家プロファイル

井上 みやび子
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東京都
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閲覧数順 2016年12月10日更新

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「S・ジョブズ氏が心臓発作」の誤報から考える

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ニュースから
少し前だが、CNET Japan に翻訳記事として以下の記事が掲載された。

「S・ジョブズ氏が心臓発作」の誤報が広まった背景

これは、10月3日アメリカの市民ニュースサイトに「AppleのCEOスティーブ・ジョブス氏が心臓発作」という誤報記事が掲載され、一時的に Apple の株価が下がるという事態が生じた。この問題をどう考えるべきか?という視点から、掲載から誤報と分かるまでの経緯を記したもの。

最終的にこの記事は以下のように締めくくられている。
ジャーナリスト、市民、プロにとっての教訓は、あと1本電話をかけ、あと1人と話をできるようにゆとりを持つことかもしれない。

一般の人たちは、われわれ報道機関がいち早く情報を手に入れることよりも、情報を正確に報道することに関心を抱いている。


大手報道機関が取るべき対応や経済上の問題はさておき、一般の人がインターネット上の情報とどう関わるかを考えてみたい。

流れは繰り返す



「ウェブ」の世界が一般に認知されだした頃(1995年頃)、まだウェブ上には有用なサイトというものはあまりなかった。本当に最先端の技術を行く人と、新し物好きの人が作ったサイトで玉石混交、「使えるサイトってあんまりないよなあ」という印象だった。

それがどんどん発展して行き、2000年頃 Google の登場で有用サイトにドンピシャでたどり着けるようになるとウェブサイトの有用性はぐんぐんと増す。

2005年にもなると「ブログ」や「SEO」がそろそろ一般に浸透し始め、ウェブ上に個人の日記や所感を記した、それだけでは有用とならない体系だっていないコンテンツが登場し始める。

2008年現在、個人的な所感としては、ウェブは再び玉石混交、ここから有用な情報を引き出すのは工夫が必要だなあと感じるようになった。

「玉」と「石」を見分ける



さてそれでは一般の人がインターネット上の情報をどう見分けるかという事を考える。

まず、「大手サイトを信用する」というのは、当面有用ではありつつも、時代を逆戻りするようだ。特定のメディアだけ、資本をもつ大手だけが情報発信の権限を握っていた時代に戻る事を意味する。

3人寄れば文殊の知恵と言うが、多くの人がまあまあ評価する情報は自分もまあまあ評価してよいと思う。というより、多くの人がまあまあ評価する事が「正しさ」と見做されるのかもしれない。
(全く新しい概念の発見などのレアケースはここでは考えない事にします。)

ブログの登場によって、「ふーん、やっぱりみんなそう思っているんだ」というまったりとした共感ができるようになった事が最近のウェブの効能だというのを聞いた事があるが(出典を忘れてしまいました)正にその通りだと思う。

ただ上記のニュースの問題においては、「突出したブログ」「突出したサイト」「大量の一般のブログ」が混ざっていて、読み手が「ふーん、大体世間はこんな感じかな」という妥当な結論にたどり着く前に株価が動き始めてしまった。

情報量をコントロールする



インターネットを利用する問題の多くは量から発生する事が多いと思う。

複製や発信のコストは量によってあまり変動しないので、発信された情報は巷にあふれかえっている。ところがそれを受け取る人間の方はというと、そんなに大量の情報をさばける能力は無いのだ。
そうすると当然、一つ一つの情報に対して「これは本当だろうか?」とか「この情報の意味するところは?」などを考える綿密さが薄れてくることになる。

その上、ネット上の文字を中心とする情報は従来の紙や人づて、テレビなどより受け取る事のできる内容が少なく(例:メールと対面会話)、「これはどういう情報か?」という事を理解するのにより時間がかかる。本来ならより慎重に解釈しなければならない情報が、日々大量に押し寄せているのだ。

余談だがブログの炎上なども量的な問題が原因の一つにあるように思う。面と向かって罵倒されたのであれば「相手は心底怒っているのか?」「ただのいやがらせか?」「便乗しているだけか?」「冗談か?」などが即座に分かりそれなりに対応が可能だと思うが、文字に書かれたものをいちいち慮って返信などの対応を決めるのは時間がかかる。忙しい方の人気ブログなどでは圧倒的に時間が足りない。そのうちにますますエスカレートするという事になるのだと思う。

限られた、ただし複数の情報ソースを持つ



情報に溺れないためには、普段から、信頼できそうな複数のソースを意識的に持って置く事が重要だ。あまり数は増やさず、ただし入れ替えはたまには検討する。

また、ウェブは最も早くかつ変化の速い情報が流れるので、ウェブ以外の情報ソースがある事も忘れないようにする。

システムの発展



システムも、より信頼性が高くより独立性を保証できる情報をネット上に保存・利用できるように発展していくだろう。

「3人寄れば文殊の知恵」をうまくウェブとシステムに応用して成功しているのがウィキペディアだ。誰でも編集可能な百科事典をウェブ上に置く事によって3人のみならず多人数の知恵を吸収できるようにしている。内容の信頼性はかなり高く、最近は用語解説の出典として引用されているのをよく見かける(日本)。

市民ニュースなどもこのような方式が採れると思うが、システム運用には技術と資金が必要なのでそのうち淘汰されそれなりのポリシーと財源を持ったサイトが突出してくるように思う。