トリミングは悪ではない - 写真撮影レッスン - 専門家プロファイル

宮本 陽
And EM アンド・エム 代表
兵庫県
カメラマン

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トリミングは悪ではない

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以下、メールマガジン「平成のデジタルフォト通信」より抜粋アーカイブです。

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AKIRA MIYAMOTO Official MailMagazine
【平成のデジタルフォト通信】 2015.11
・・・・・Photo Edition・・・・・

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・・・・・【今回はPhoto Editionです】・・・・・

今回は、構図に絡めてトリミングについて考えてみます。


■□■□━━【INDEX】━━━━━━━━━━━━━━━━━━■□■□

1. トリミングは良くないのか?
2. 目的をハッキリさせる
3. 画素数とのバランス




■□■□━━ 【1. トリミングは良くないのか?】━━━━━━■□■□

トリミングとは、ご存じの通り撮影後にオリジナルの画像を切り
抜いて一部分のみを使用すること、という前提でお話しします。



「トリミングは良くない」
と言われることが多いのですが、果たしてそれは正しいのでしょ
うか?

フォトコン等では、トリミングは禁止、との条件が設定されてい
ることがあります。

そのコンテストでは、撮影時点でどの程度構図を追い込む実力が
あるのか。一枚の作品に伝えたいことをしっかり盛り込んでいる
かどうか。
という部分を評価するために、撮影後の変更を禁止しているもの
と思われます。

また、後から何でもできる条件にしておくと、撮影から離れた部
分で加工されてしまうことも有り得るため、公正な条件での評価
を行う意味での枠組みでもあるように考えられます。

こうした明確な目的がある場合には、やはり後加工という行為は
良くないものとして語られます。




他方、画像処理が身近な存在になったこともあり、撮影時点で、
いい加減に撮られた画像データや、失敗か?と思われる写真も、
後処理でそれなりの形に仕上げることも可能になってきました。

これを取り違えた人が、「撮影なんてテキトーでいいや!あと
から何でもできるし...。」
といった発言をすることが増えてきています。

ですが、
「そうではないよ!撮影時点で可能な部分は追い込んでおきま
しょうね。その結果、よりアピール度の高い作品を得る確率も
も上がるはずですよ。」

というアドバイスをしたいベテランが、怒り交じりに「ダメダメ
」と発言しているシーンも目にすることがあります。



大切なことは、何でも「良くない、良くない」と、その言葉自
体を一人歩きさせるのではなく、目的に応じて判断することで
はないでしょうか。





■□■□━━【2. 目的をハッキリさせる】━━━━━━━━━■□■□

例えば、商業印刷(商業撮影)の分野では、オリジナルの写真作
品としての価値ではなく、最終印刷物として使用される図柄が重
要視されることから、レイアウトや切り抜きの自由度を大きく残
しておくことが必要とされます。

こうしたケースでは、まずトリミングありきで、周囲にはかなり
余白を残した構図で撮影をしておく。といったことが当たり前の
世界です。

料理メニュー用の撮影では、一押しのディッシュを扉ページに採
用するため、お皿を大きく横にずらして、余白のテーブルクロス
部分に文字入れする...、といったことも行われます。

この場合に、お料理だけを一枚の写真として撮影してしまうと、
周囲のクロス部分に余裕が無いため表紙には採用できない、とい
った結果になってしまいます。
この時点で「お仕事撮影者」としては失格ということです。


このように、目的によって構図は決められるべきであって、何で
も「トリミングは悪だ」と決めるべきものではない、ということ
です。




■□■□━━【3. 画素数とのバランス】━━━━━━━━━━■□■□

ここで、撮影するカメラの画素数について考えてみます。

トリミングし一部分を使用するためには、切り抜きした後であっ
ても必要な解像度が得られるだけの画素数が必要です。

現在では、ビギナーモデルの35ミリ一眼レフ(普通にショップで
販売されている入門機)でも、2,000万画素程度は当たり前の時代
になり、少しくらいトリミングしても解像度が足りない、といっ
たケースは皆無かと思います。
トリミング前提であれば、画素数は多いに越したことはないわけ
です。


実は、トリミングが良くない、と言われたのはフィルム時代から
であって、35ミリ判(一般向け普通のフィルム)は品質面でもギ
リギリの状態であったことは、今となってはあまり語られません。

商業ベースの撮影では、より大きな面積を持つフォーマットのフ
ィルムで撮影され、35ミリ判はコンシューマ向けとされていまし
た。

こうした背景から、ギリギリの品質のものを更に切り抜くと、明
らかに品質低下を招くことから、トリミングは良くない、といわ
れた歴史もあるのです。



何か、撮影時の構図の優劣を語るために、トリミング行為を悪に
仕立てて語るようになっていますが、単純に、品質低下を避ける
意味で言われてきた。といった背景を知っておくのも良いのでは
ないでしょうか。



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以上、
メールマガジン「平成のデジタルフォト通信」より抜粋。

 

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