日経記事;『トヨタ、ネットで運転支援 全車種に通信機能 日米で年400万台』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『トヨタ、ネットで運転支援 全車種に通信機能 日米で年400万台』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

10月17日付の日経新聞に、『トヨタ、ネットで運転支援 全車種に通信機能 日米で年400万台』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『トヨタ自動車は主要市場の日米で販売するすべての乗用車に通信機能を標準装備する。2016年をメドに新型車への搭載を始める方針だ。各種センサーを通じて走行状況などの情報を常時取得する。集めた膨大なデータを活用して、運転支援などの新サービスも開発する。日米の年間販売が約400万台に達するトヨタの標準化によりコネクテッドカー(つながる車)の普及が加速しそうだ。

世界の自動車業界では電気自動車メーカーの米テスラ・モーターズが全車両に通信機を搭載しているが、大手メーカーによる標準搭載は初めてとみられる。取引関係があるKDDI(au)などに回線提供の拡大を申し入れた。米国でも地元の通信大手と組む方向だ。

トヨタは既に、オプションで通信機を搭載した車を販売しており、13年時点で約70万台が国内を走っている。地図情報の自動更新などに使われていた。

今後は小型車から高級車まで、すべての乗用車に段階的に標準装備。車から様々な情報を集めて、トヨタへ送れる仕組みにする。例えば、エンジンや変速機に取り付けたセンサーで得た情報をデータセンターに集約。故障を予測しドライバーに点検を呼びかけるといった使い方も可能になる。

開発中の人工知能(AI)を活用して、ドライバーの運転パターンを分析し、省エネドライブなどを提案する。事故の際に、人が連絡しなくても緊急車両の手配を依頼できるサービスを利用できるようになる。

既存のサービスは原則有料(トヨタ車は年間1万2960円)で提供している。標準搭載した車でも、一定の利用料が必要になる見通しだ。料金体系は今後詰める。

車が外部と通信できる機能や高精度な地図情報は、道路状況を判断しながらハンドルやブレーキを操作する自動運転の基盤にもなる。多くの車から情報を集めることができれば、これまで以上に高精度の地図を作製できる。トヨタを含む自動車各社は自動運転車の開発を進めており、コネクテッドカーが増えれば実用化に弾みがつきそうだ。

産業界ではあらゆるモノがネットワークにつながる「IoT(インターネット・オブ・シングス)」が注目を集める。米IT(情報技術)大手のシスコシステムズによると、ネットにつながるモノは20年に13年比約5倍の500億個まで増える見通しだ。車はこの領域でも大きな市場になる。

一方で、外部のハッカーに侵入され、勝手に操作されたり情報が漏洩したりするリスクも高まる。普及には、こうした面の対策も不可欠になる。』


トヨタ自動車は、自社の乗用車に対する自動ブレーキや自動運転対応を加速させています。基本的には、トヨタは2020年に東京で開催されるオリンピックまでに、自動運転対応車を開発・実用化することを表明しています。

また、政府もトヨタや他の国内自動車メーカーの動きを支援することと、国内に次世代新規事業の柱を作るべく、自動車の自動運転対応を実現する社会環境を作るため、10月15日に日経新聞は、政府が自動車の自動運転実現に法整備を行って、2020年までの実用化後押しする目的で法整備を検討すると報じました。

この記事によると、政府は自動運転車の公道実験の指針を2016年に作成するとことです。この指針が作成・実施されますと、トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、国内の公道で自動運転車の試験走行が可能になります。

すでにトヨタは、ドライバーが搭乗した自動運転車を高速道路で実験走行しました。各種記事やテレビ放送の内容をみますと、かなり完成度の高い試験走行ができているようです。

政府の新指針で、自動車メーカーが公道でさまざまな環境下で、自動運転車の試験走行が可能になりますと、多くの実用的なノウハウ蓄積が可能になります。

トヨタは、すでに基本的な技術やノウハウをもっていると想定していますので、政府の新方針は日本国内での自動運転車の開発・実用化を一気に加速させることは可能です。

同時に、トヨタは本日の記事にありますように日米で販売するすべての乗用車に通信機能を標準装備するとしています。

トヨタは、一部の乗用車に有償ベースで通信機能を搭載しています。これを日米で販売する乗用車すべてに有償ベースで通信機能を搭載するようにします。

自動運転車は、必然的に通信機能をもつ必要があります。これは、自動運転車が安全かつ快適に走行するには、走行している直近の周辺状況だけでなく、道路の渋滞や交通事故などのイレギュラー状況、地震・津波・暴風雨などの自然災害情報を順次適切に車が把握する必要があることによります。

また、自動車道路や道路周辺の状況は、しょうしょう極論していいますと、毎日・毎月・毎年変わっていきますので、ナビゲーションシステムの地図情報は、常に最新のものにしておく必要があります。このためにも、自動車は通信機能をもつ必要があります。

自動運転車は、必然的にIoT対応することになります。自動運転車は、言わば動くスマートフォンやパソコンになります。

トヨタは、2020年までに水素自動車の普及を進めて、オリンピック開催時には選手の移動用交通手段に水素自動車を使ってもらうための準備も行っています。政府は、この動きを支援していますので、ホンダなどの他の国内自動車メーカーも同じような動きを行うとみています。

水素自動車は、究極の環境対応車とされています。米国のベンチャー企業であるテスラモーターズは、電気自動車が究極の環境対応車であるとして、普及を加速させています。

また、テスラモーターズは自社の電気自動車に通信機能を標準装備しており、完全なIoT対応をしています。当然のごとく、将来は自動運転車を市場に投入するでしょう。

米国では、グーグルが自動運転車の開発・実用化を加速させています。グーグルが、自動運転車の開発・実用化を進めていますのは、IoT対応した自動運転車は、動くインターネットの出口端末になることによります。

自動運転車に乗った人は、基本的に運転をする必要がありませんので、インターネットを通じてWebサイトから情報を収集したり、発信することを積極的に行います。Webサイトをみる時間が増えることは、宣伝広告の収入増になりますので、グーグルにとっては新規需要開拓になります。

同じ理由で、アップルもIoT対応した自動運転車の開発・実用化を加速させています。

グーグルやアップルは、米国のカリフォルニア州から事業化しますので、自動運転車は必然的に環境対応車になります。現時点での選択しは、ハイブリッド車、電気自動車、水素自動車になります。

水素自動車の場合、窒素酸化物排出量や二酸化炭素の排出を基本的にほとんどゼロに抑えることができます。

欧州自動車メーカーが積極的に事業展開してきたディーゼルエンジン車は、フォルクスワーゲンの不正問題で大きなブレーキがかかる可能性があります。フォルクスワーゲンは、最近、今後電気自動車の開発・実用化に注力すると宣言しました。

環境対応車は、国内自動車メーカーが技術競争力をもっていますので、この分野の競争力を高めることは、日本、米国、欧州市場でのシェアアップにつながります。

これに、IoT対応した自動運転車を開発・実用化すれば、国内自動車メーカーの競争力はさらに高まります。

国内家電事業は、米国の大手ITベンダーによって市場基盤を破壊され、急速な勢いでコモディティー化が進み、価格競争力が削がれました。

国内の自動車産業が家電事業と同じような状況になると、国内の産業基盤が大きく揺らぐことになります。

トヨタやホンダなどの国内自動車メーカーは、自らインターネットやITを積極的に導入して、IoT対応した自動運転車の開発・実用化を加速させる必要があります。

最近、米GEがIoT対応を軸にソフトウエア事業を新規事業の柱の一つにする方針を発表しました。IoT対応は、ITベンダーの専業ではなく、メーカー自身が積極的に対応しないと自社の事業基盤を破壊されることになります。GEの動きは、国内製造事業者にとって参考になります。

メーカー自身がIoT対応の実行促進やソフトウエアを使いこなして、自動車のIT実装化を主体的に行って、グーグルやアップルなどの米大手ITベンダーと競争していくことが必要であり、重要になります。

また、IoT対応した自動運転車は、数多くのレーダーやセンサーデバイスが実装されると共に、非常に大量の情報・データを蓄積し、高速に処理することが必要になります。このために、クラウドサービス事業の拡大・整備と、高速処理を可能にするソフトウエアの開発・実用化も急務になります。

トヨタといえども、1社単体でIoT対応を含むITの完全実装は困難と考えますので、国内のITベンダーとの協業・連携で開発・実用化を行うことになるとみています。

ここに、国内のセンサーデバイスやソフトウエアなどのキーコンポーネントを提供する事業者には、大きな新規事業機会が生まれます。

さらに、IoT対応には、安定した通信環境整備が必要不可欠になります。本日の記事にありますコネクテッドカーの実現に向けて、通信規格の標準化も重要になります。

トヨタなどの国内自動車メーカー、グーグルやアップルなどの米大手ITベンダー、テスラモーターズのような米国自動車メーカーなどが大同団結して、自動車用途に適した通信規格の標準化を早期に行うことを期待します。

このようにIoT対応した自動運転車は、多くの潜在力をもっていますので、引き続き、トヨタやホンダなどの国内自動車メーカー、グーグルやアップルなどの米大手ITベンダー、テスラモーターズなどの米自動車メーカーなどの動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

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