日経記事;『車部品、自動生産を加速 ヨロズ、米新工場に140億円 ノウハウを新興国に移植』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『車部品、自動生産を加速 ヨロズ、米新工場に140億円 ノウハウを新興国に移植』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

10月11日付の日経新聞に、『車部品、自動生産を加速 ヨロズ、米新工場に140億円 ノウハウを新興国に移植』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『自動車部品メーカーが日米で生産ラインの大幅な自動化を進める。大手のヨロズは140億円で米南部アラバマ州にサスペンション製品の工場を新設し、材料などを自動で運ぶ装置を大量導入する。

エンジン部品のケーヒンや車体部品のジーテクトは、日本で製造ロボットの設置を増やす。人件費を抑えるとともに、生産効率の高い最新工場のモデルを確立して新興国に順次展開する。

ヨロズは部品の組み立てロボットの開発を進めている。

ヨロズの工場は米国で2カ所目となる。2016年初めに着工し、17年夏から車体とタイヤ部分をつなぐ足回り部品のサスペンションを作る。

主要取引先の日産自動車のほか、周辺のトヨタ自動車やホンダ、独ダイムラーなどの工場に納入を目指す。20年度に135億円の年間売上高を目指す。米新車市場が景気回復で10年ぶりの規模に広がるなか、自動車メーカーからの受注が増え、テネシー州の既存工場では手狭になっていた。

無人搬送機(AGV)や組み立てロボットなど自動化装備を多数導入するため、部品工場としては高水準の140億円という投資規模になる。

従来は人手をかけていた生産ラインに部材を運んで設置する作業を、全て自動化する。テネシー州の工場より、従業員1人あたりの生産性が単純計算で約8割高まるという。

日本の自動車部品工場でも自動化を進めた生産ラインの開発が相次ぐ。

ケーヒンは15年度中にも、部品の組み立てや完成した製品の目視検査を自動化したラインを国内工場で稼働する。機械式の部品供給装置や、カメラや重量センサー付きロボットを組み合わせ、従来6人必要だった工程を1人で担当できるようにする。ラインの長さも1割程度短くできる。

ジーテクトは車体部品の溶接時に、必要な部品を正確な位置にセットするロボットを開発した。人手に頼りがちだった位置決めをカメラで判断する。年内にも国内工場の一部に導入する。

日本の部品メーカーは完成車メーカーに合わせて工場を海外展開してきた。以前は人件費の安かった中国やタイなどの新興国も経済成長で人件費が上昇し、多くの部品メーカーにとって悩みの種となっている。

ヨロズは米国の新工場を高効率工場の最新モデルと位置づけ、他国の工場に自動生産のノウハウを提供する。

ケーヒンやジーテクトも、日本の主力工場を新製品や自動化設備の開発拠点と位置づける。今後、新興国工場にノウハウを移植した際に使用料などの収入も得る。

人口が減少傾向にある日本の新車市場は拡大が見込みにくい。部品各社は他国の工場へ生産技術を供給する拠点として国内工場の活路を見いだす。』


現在多くの中小を含む製造事業者が、タイ、ベトナム、インドネシア、フィリピンなどのアセアン地域で工場建設を進めています。

工場建設を進めている理由は、日本や中国に比べて安い労働者賃金と、消費者市場に隣接して需要に柔軟に対応できる事業環境確保などになります。

タイは、数年前まで国内製造事業者が最も投資していた対象国でした。しかし、最近、失業率がゼロに近い状態にあり、また、労働者賃金も高騰していることから、新規工場投資は大幅に減少しています。

代わりに、ベトナム、インドネシア、フィリピンなどの、相対的に労働者賃金が低い国に対する新規工場建設の投資が増えています。

しかし、多くの製造事業者は、これらの国々でも、将来は労働者賃金が高くなることを理解しておく必要があります。たとえば、インドネシアは社会の安定を維持するため、意図的に労働者賃金を高くする政策をとっています。

衣料や皮革製品などの労働集約型産業の場合、ベトナム、インドネシアなどの労働者賃金では採算確保が難しいため、より安いミャンマーやバングラデシュなどの国への投資を増やしています。

労働者賃金が高くなることは、今のタイのように中間所得層が拡大して、消費者市場が形成されますので、大きなメリットになります。

製造事業者の視点からは、一般的に労働者賃金が高くなった国は一般的に工場建設・運営の面で魅力がありません。

アセアン地域が発展してくると、必然的に労働者賃金が高くなります。製造事業者は、高くなる労働コストの課題を克服しないと、当該地域で工場運営の維持が将来的には難しくなります。

労働コストを低減化させるやり方の一つが工場の自動化です。日本では、ファナックやキャノンなどの大手製造事業者が、すでに工場の自動化を行っており、日本で製造された製品を海外に輸出するビジネスモデルの構築・維持に成功しています。

本日の記事は、車部品メーカーが工場の自動化を実行していることについて書いています。ヨロズは、多くの自動車メーカーが工場を稼働している米国内に自動化工場を建設・稼働しようとしています。

ケーヒンやジーテクトは、日本国内の工場を自動化する動きを加速させています。日本は、少子化で労働者不足が今後顕著になってきますので、工場の自動化は、日本で工場を稼働させるには、極めて有効な手段となります。

中小製造事業者も、創意工夫することで、巨額投資なしに工場の半自動化や自動化を実現することが可能になっています。

仮にある程度大きな投資になっても、半自動を含む高効率な自動化工場を安定して運営ができれば、投資回収を行うことが可能です。

さらに、この自動化工場を市場の需要に柔軟に対応させる工夫も必要です。取引先となる部材メーカーや販売先などとインターネットやITをフル活用して、受発注数量と最適な生産・在庫数量
などを算出できる仕組み作りも構築・運営する必要があります。

工場自体の自動化だけでなく、工場周辺の事業環境も機械化・自動化する工夫が必要です。インターネットやITの活用がポイントになります。

私の知っている中小の製造事業者の中に、工場の半自動化を進めながら、関連取引先とグループウエアを共同使用することで、市場の環境に合わせて、材料手配数量、納入時期、工場からの出荷数量や時期などを機械的に処理するシステムを構築・維持している企業があります。

このやり方は、多くの大手製造事業者ですでに採用されています。工場の自動化と合わせて行うことで、さらに大きなメリットを生みだします。

インターネットやITの進化やハードウェアの高度化は、投資コストを低減化させており、中小の製造事業者にも工場の自動化や、周辺事業者との高効率な運営システムの構築・維持を可能にしつつあります。

IoT対応も含めて、多くの製造事業者は工場や周辺事業環境の自動化・機械化を考える時期に来ていると感じています。

競争力のある部品・機器を提供できる製造事業者は、多少の投資をしても、高効率に製造・供給できる仕組みをもっていれば、投資回収は確実に行えます。

TPPの大枠合意は、今後、アメリカを中心としたビジネスに追い風になる可能性があります。加えて、メキシコやカナダは、TPP加盟国としてだけでなく、アメリカと自由貿易協定(FTA)を結んでいます。

ベトナムは、TPP加盟国です。TPPが批准されば、アメリカ、メキシコ、カナダなどとの貿易障壁が低くなります。

当面、上記しましたようにベトナムへの投資が加速するとみています。ベトナムで工場を作る場合、将来的には労働者賃金が高騰することも見据えて、工場を移転するか、あるいは自動化対応なども考えておく必要があります。

今後、中小の製造事業者は、アセアンや中南米などの海外に工場を作る場合、アセアンの経済統合、TPP、FTAなどのビジネス的な環境と、インターネットやITの進化や機械の高度化などを見据えた工場の自動化などを総合的に勘案して、柔軟に対応する創意・工夫が必要になります。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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