屋根にテーブルと椅子とキッチンがある「屋根の家」 - 住宅設計・構造設計 - 専門家プロファイル

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屋根にテーブルと椅子とキッチンがある「屋根の家」

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作品紹介
「屋根の上でご飯を食べられたら楽しいだろうな」というクライアントのユニークな意向を汲んで設計しました。

最初の発見は、平屋の上に屋根をかけると屋根が大きなデッキテラスになるということです。そこで平屋の屋根の上にテーブルと椅子とキッチンとシャワーを付けて、生活空間の一部にすることにしました。

また、クライアントが前の住まいでは窓から屋根に出入りしていたと言われるので、それでは室内のあらゆる場所から天窓を使って屋根にアプローチできるようにしてはどうかと考えました。それが開閉可能な8つの天窓になったわけです。「ひとつの天窓にひとりの人」という発想で、家族それぞれが自分の空間から第二のリビングともいえる屋根に出ることができるようになっています。

構造は池田昌弘氏(池田昌弘建築研究所)によるもので、一般的材料である105mmの角材を井桁(いげた)に組んだものを構造用合板でサンドイッチすることによって梁をなくし、150mmの極薄の屋根を実現しました。薄い屋根にしたのは、中と外との薄い境界からすっと頭を出すとそこに「違う生活がある」というイメージを大切にしたかったからです。

もうひとつ重視したのは、屋根に傾斜をつけたこと。多摩川の土手に行くと、カップルたちのほとんどが斜面に座っていますが、斜めだと座りやすいし、同じ景色を見ることによって話題が生まれるわけです。この関係性を屋根のリビングにも生かすことにしました。

さらに屋根の軒はぎりぎりまで低くして、庭から料理を持って屋根に上れるように梯子をかけました。建て主さんによれば、隣家のおじさんが「こんにちは」とビール片手に上がってこられることもあるそうで、この屋外リビングの存在が近隣にひとつのコミュニティを生み出してもいるようです。

(photo (c) Katsuhisa Kida)

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建て主の“夢”を引き出し形にするのが建築家の役割

「設計テーマをどこから導き出されたのですか?」という質問を受けることがありますが、それはクライアントの頭の中にあるのです。話を聞き、突き詰めていくと、必然的な形が見えてくる。そんな夢を引き出し、形にするのが建築家の役割だと思っています。

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