- 大澤 眞知子
- Super World Club 代表
- カナダ留学・クリティカルシンキング専門家
対象:子供の教育・受験
カナダと日本の両方で、日本人生徒の指導をしています。
カナダでは、カナダ現地高校・大学に通う日本人生徒たち。
日本では、日本の高校・大学に通う日本人生徒たち。
18世紀の遺物のような教育制度の日本に置いておくには勿体ない!という能力のある生徒を、助け出し、カナダの教育の中に送り込んでいいます。
先日、こんな出来事がありました。
カナダで高校に通う留学1年目の生徒がとっているSocial Studies.
Globalization について習っています。
「自分のIdentityを深く認識」「周りの異文化の存在を普遍的なものと認識」「実社会で起こっていることをクリティカルシンキングで分析」「情報の正誤を論理的、科学的に分析」
そして、そこから自分の意見を客観的、論理的、科学的、批判的に述べる能力とスキルを日々身につけています。
生き生きと脳がたくさんのことを学習しています。
それに比べ、余りにも異なる日本の学校の社会科の授業の、犯罪にも匹敵するような結末を、新たな目で目撃したのが先日のエピソードです。
小さな時から、日本人に最適な方法で英語の基本を教え、現在中学3年生。
クリティカルシンキングを教え始めた生徒たち。
学校でも優等生。
私のところでも、理解力、スピードには驚嘆するほど優秀な生徒です。
「カナダのSocial Studies のレベルについていく勉強を始めるよ。」
「はい!」
「ところで、最近の学校の社会科の授業で何をやったか教えてくれる?」
「え。。。」
「一番最近の授業の内容説明してくれる?」
「少子化について」
「少子化の何をどのように習ったの?」
「日本の人口が減っていくということ。」
「いつどのくらい減るの? 少子化とは一体どういうこと? 数字は並べてみた? 他の国との比較は? そして、一番肝心なこと。 一体何が原因なのか、調べたり、色々な資料を見て考えたりした?」
「いや。。。教科書を読んで、黒板を写しただけです。」
「じゃ、今少子化について何を知ってる?」
「少子化が問題だということだけです。 あとは、暗記するように言われました。 テストに出るから。」
背筋が冷たくなるのを感じました。
こんな優秀な頭脳を全く殺してしまっていると。
自分の周りで起こっていることに興味・好奇心を持つのは人間の遺伝子に組み込まれている特性です。
その遺伝子のおかげで、人類はこの地球上で繁栄してきました。
周りをよ〜く時間をかけて観察し、「なぜ?」を常に感じ、自分の頭で考え、問題をみつけ解決する。
これが人類の能力であり、それを伸ばすのが教育のはず。
ところが、日本の学校がやっていることは、その素晴らしい遺伝子が開花することを必死で妨げることです。
この生徒たちは、「なぜ・」を奨励する教育の中ならば、人類全体にも大きな利益となる優秀な人材に育つはず。
自分の意見すら組み立てることも出来ず、ただ言われたことに従い、お上の言うとおり、黙々とロボットのように働いて一生を終える。
産業革命後の労働者を確保すべく、18世紀に西洋が始め失敗したこの教育方法。
その後の科学技術の進歩、求められる労働者像の変遷、科学を駆使した脳が学習する方法の研究、などを基に、柔軟に進化を繰り返しているカナダ・アメリカの教育。
それでも、超速で進化するITについていくためには毎月ベースで見直しが必要な教育なのに。
余りのひどさに目を覆います。
日本社会にも大きな貢献が出来るはずの、この中3生の脳を破壊してしまる日本の教育。
何が目的なんでしょうね。
「考えられない脳」にされた大人たちが社会にあふれている日本。
その大人たちが考える「教育」とは、自分たちが受け身で受けてきた「内容のない暗記教育」。
その悪循環がどんどん下方スパイラルとなり、日本の教育の質を劣化して行っているようです。
それも加速度がついてきたような。
スマートフォンをちょっとタップすれば、あらゆる情報を集めることが出来る今、すぐに取り出すことの出来る膨大な「事実」のほんの0.000000何パーセントだけを暗記するだけのために、10代の貴重な時間を無駄にする日本の子供たち。
情報・事実の分析方法も知らない。
情報・事実の分析すらも今やコンピューターがやってのける時代なのに。
ただ座って言われた同じことだけを繰り返している日本の子供たち。
ロボットが日々の行動から次なるより良い行動へと進化出来る今なのに。
もうすぐ、ロボットにも劣る能力しか持ち合わせなくなる予感がします。
信じられないほど愚かな教育制度だと思います。
「カナダで日本の生徒を教えています。」にそろそろ集中するべきだと真剣に考えたエピソードでした。
「日本の教育が酷すぎて、脳が壊されてしまいます。」というのは政治的迫害に入るかな?
カナダに難民申請してみたらなんてどうなるでしょうね?!
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Virtual Teaching を駆使し、 カナダの小・中・高校の教育課程を基にした指導をしています。
クリティカルシンキングの能力をつけた生徒は「カナダの小さな町での留学・ボランティア」で自分本来の能力を発揮中です。
Super World Club(大澤眞知子、Robert McMillan)
このコラムの執筆専門家
- 大澤 眞知子
- (カナダ留学・クリティカルシンキング専門家)
- Super World Club 代表
カナダにいらっしゃい!
カナダ 在住。パンデミック後のNew Normal 留学をサポート。変わってしまった留学への強力な準備として UX English主催。[Essay Basics] [Critical Thinking] など。カナダから日本に向けての本格的オンライン留学準備レッスン・カナダクラブ運営。
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