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スポーツ心理学に学ぶ ‐ 継続は力なり

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今回は「知・情・意」の「意」、「意志」ついてご紹介してまいります。「意志が強い・弱い」というように、「意志 will」とは物事をやり遂げるための心の力です。心理学的に表現すると、目標を達成するために努力を継続する能力とも言えるでしょう。この「継続する」ことが、「言うは易しく、行うは難し」で、なかなかできません。いったん思いつくものの、「三日坊主」で終わったり、途中で挫折したりしたことがどなたも1度や2度はあるでしょう。プロスポーツ選手でも、新人賞を獲得したかと思うと2年目のスランプに陥り、気が付くと引退していたということが少なくありません。この誰もが陥るスランプを何とか乗り越えていくことが「大成」するために不可欠な「試練」なのです。

スポーツにしても仕事にしても、練習量や仕事量とパフォーマンスとの相関は図(クリックすると拡大します)のようなS字曲線を描きます。初心者がある程度の要領をつかむためには、多少の時間がかかります。このため挫折しやすく「三日坊主」になるのです。従ってこの時期は上手くなることよりも「楽しむこと」に主眼を置いて取り組むことが効果的です。たとえば、テニススクールでははじめにコートを小さく区切ったミニ・テニスを行います。細かい技術やルールはさておき、テニスの雰囲気を感じ、楽しんでいただくためです。反対に体育会のテニス部では球拾いや素振りに終始し、ラケットに触らせません。意地悪なようですが、それでも続けたいという本気の部員を選別するためです。

初級から中級にかけてはトントン拍子で上達します。スポンジが水を吸収するかのごとく、知識や技術が連鎖して身に付いていきます。「とにかく楽しい」と思える時期でしょう。この時期はことさらに指導することはありません。自然な上達を見守ります。

しかし中級になると「プラトー(停滞期)」が訪れます。一通り技術は身についたものの、なかなかそれ以上、伸びません。ルーチンの練習を繰り返す日々が続き、倦怠感を覚えます。この時に抑鬱気分を伴うと「スランプ」と形容されます。期間は人により種目によりますが、少なくとも3ヶ月は続きます。ひと夏、目に見える成果は上がらないものの、炎天下、練習に打ち込む姿が想像されます。

中級から飛躍するには、このプラトー・スランプを乗り越える必要があります。それには退屈を覚えても、途中で投げ出すことなく練習を繰り返すことです。ある程度の形はできていますから「磨き」をかけるイメージを描くと良いでしょう。それには反復練習が必要です。同じ動作を繰り返し行うことで、無駄な動きが減り、「洗練」されたフォームが身に付きます。「継続は力なり」と自らに言い聞かせ、単調な練習を辛抱して続けましょう。

地道な努力を継続していると、気が付けば「ブレイク・スルー」を生じ、上級へ至ります。武道や修行でいうところの「開眼」や「悟り」です。この状態になると全ての動作が思い通り行えます。指先の先端まで感覚が行き届き、自由自在にプレーすることができます。一方、少しでも練習を怠れば、不自由を覚えます。思うように動けず、不満足を感じます。傍目から観ても直ぐに分かりませんが、本人は気づきます。従って、上達に終りはなく、極めた後も、日々の鍛錬が求められるのです。

「近道はもちろんしたいです。簡単にできたら楽なんですけど、でもそんなことは一流になるためにはもちろん不可能なことですよね。一番の近道は遠まわりすることだっていうような考えを今は心に持ってやってるんです。それが唯一の道なんじゃないかと思えるようになったんです」イチロー哲学より

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