日経記事;『賢い電子部品に軸足 医療/自動運転/省エネなど向け 京セラ,専門新組織 / 村田,米社を買収』考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『賢い電子部品に軸足 医療/自動運転/省エネなど向け 京セラ,専門新組織 / 村田,米社を買収』考察

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皆様、
こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

9月12日付の日経新聞に、『賢い電子部品に軸足 医療/自動運転/省エネなど向け 京セラ,専門新組織 / 村田,米社を買収』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『電子部品大手がソフトウエアを組み込んで自ら動作する「賢い部品」に事業の軸足を置き始めた。京セラは専門開発組織を新設し、2019年度までに200人体制にする。

村田製作所はソフト技術を持つ米ベンチャーを買収した。モノのインターネット化(IoT)の技術が広がり、電子部品の競争力は微細化だけでなく用途開発に直結するソフトに移りつつある。産業構造の変化に合わせ、ソフト開発を自ら手掛ける戦略に転換する。

電子情報技術産業協会によると、電子部品の世界生産額の15年の見通しは前年比4.5%増の22兆4800億円。日本メーカーのシェアは4割弱で、電気を蓄えるコンデンサーや必要な電波をより分けるフィルターなどの高機能部品で圧倒的に強い。

部品のソフト開発では車載用大手の独ボッシュが先行している。日本勢はIoTなどで頻繁に使うセンサー部品向けを中心にソフト開発を一斉に強化。着実な成長が見込まれる部品市場で高い競争力を維持しながら、製品の用途も広げていきたい考えだ。

京セラは自動車の自動運転に必要なセンサーの画像処理ソフトなどの開発に取り組む。20人規模の組織を都内で10月から稼働させ、19年度までに200人に増やす。村田製作所は省電力分野のソフトを開発する米ベンチャー、ベデロソフトウエア(テキサス州)を買収した。センサーで集めた情報を処理するソフトの開発人員を確保する。

投資を伴ってでも自社開発にカジを切るのは、IoTや自動運転などの新産業で事前のソフト組み込みが求められるケースが増えているため。パソコンやスマートフォン(スマホ)では電機メーカーが部品とソフトを組み合わせて完成品を製造していたが、IoTなどを手掛ける企業はソフトを使いこなす技術に乏しいケースがある。

このため電子部品メーカーは部品内のメモリーにプログラムを書き込みセンサーで測定したデータを加工するソフトの開発を急ぐ。例えば大気の圧力から高度や天候の変化を表したり、脈波から体の状態をソフトが処理して導き出したりする。

次世代技術である自動運転ではセンサーで周囲の状況を感知する。センサーから入ったデータで障害物や周囲の車、交通標識を認識できるようにソフトが処理する。部品メーカーがソフトまで手掛けることで最適なプログラムを組むことができ、ハードウエアの能力を最大限に引き出せる。

電子部品大手は一斉に開発体制を拡充しており、ロームはフィンランドでセンサー用ソフトの拠点を開設した。オムロンは人の動きや表情を認識するセンサーのソフトを手掛け、子どもや高齢者の見守り用カメラの製品化につなげている。TDKやアルプス電気も全社横断的なソフト開発体制を強化。京セラや村田は海外の開発拠点を新増設する検討に入った。』


部品・デバイス・商品のIoT対応は、急速に進んでいます。インターネット接続することで、さまざまな新規サービスや保守点検作業の効率化・付加価値向上が可能になることによります。

また、IoT対応のコアデバイスであるセンサーや無線LANなどのチップ・部品の性能が向上するとともに、並行して低価格化が進んでいることが追い風になっています。

IoT対応の代表事例の一つである自動車の自動運転は、米大手ITベンダーのグーグルがカリフォルニア州で実用化試験を加速させています。ある見方によれば、2017年ころにはグーグルは自動運転の実用化に成功するとされます。

自動運転実現には、高性能の各種センサーチップ・デバイス、無線LANチップ、映像などの各種データの高速処理を可能にするソフトウエア、高速判断を可能にする人工知能などの高度アルゴリズム・ソフトウエア、大量のデータを保管・管理するデータセンターなどの総合的な事業インフラを構築・運用することが必要になります。

グーグルは、自動車メーカーではありませんが、自らコア技術の開発・商品企画を行って、自動車本体の開発・実用化・製造を自動車メーカーに行うやり方で事業化するようです。

グーグルは、自動車を動くインターネット端末機器の一つとして活用して、主力収入源となる広告・宣伝事業の販路開拓・拡大につなげることを計画しているとみます。

米アップルがiPhoneで大きな事業分野を構築したことを自動車分野でやろうとしています。このアップルも、自動車を動くIoT対応機器と見立てて、近々に自動運転事業に参入するとの話しも聞かれます。

iPhoneやアンドロイド端末のようなスマートフォンは、代表的なIoT対応機器になります。このスマホを構成している部品やデバイスに、ソニー、京セラ、村田製作所、TDK、アルプス電気などの国内電子電気部品が大量に使われています。

自動車も同じような動きになっています。自動運転でなくても、今実装が進んでいる自動ブレーキは、安全性を飛躍的に高める効果が見込めるため、各自動車メーカーが実装を加速させています。

自動車ブレーキを実現するには、自動運転と同じようなIoT対応したチップ・部品・デバイスと上記したような関連ソフトウェアの開発・実用化が必要不可欠になります。

国内電気・電子部品メーカーは、自動車関連に関してIoT対応を行わないと、アメリカやドイツなどの競合他社に需要を奪われます。

ドイツは、官民一体でIoT対応を産業界全体で動かすインダストリー4.0を推進していますし、米GEは独自でIoT対応を加速させています。ドイツのボッシュは、今まで既存自動車メーカー向けの部品・デバイス供給を主事業にしていましたが、最近、IoT対応を軸に新規事業分野に積極的に出ていこうとしています。

このような事業環境下、京セラ、村田製作所、TDK、アルプス電気などの国内大手電子電気部品
メーカーは、IoT対応などのためにソフトウェアベンダー企業の買収を積極的に行うようになっています。

ハードウェアとしての部品やデバイスを構成する素材、加工技術、電子回路などについては、国内電気電子部品メーカーは、世界最高水準の技術やノウハウをもっています。

今後、IoT対応などを行うためには、部品やデバイスに実装される組込み型ソフトウエア開発力の実力が競争力を左右します。

一般的に、国内電気電子部品メーカーの実装ソフトウエア開発力は、欧米の競合他社に比べて弱い状況になっています。

今まで、実装ソフトウエアの性能差が、電気電子部品の競争力を左右する事態になっていなかったことによります。

しかし、IoT対応などの必要性は、この既存事業環境を激変させています。実装ソフトウエアの性能向上が必要不可欠になっています。

このため、大手電気電子部品メーカーは、短期間にソフトウエア開発力を向上させるため、欧米のITベンダーの買収を積極的に行っています。

大手電気電子部品メーカーは、大きな資本力をもっていますので、その体力にモノを言わせて企業買収が可能です。

しかし、中小の電気電子部品メーカーは、欧米ITベンダーの買収を行うことは、財務的にも、人的資源の観点からも困難です。

でも、実装ソフトウエアなどの性能を向上させないと、中小の電気電子部品メーカーは、世界市場で勝ち残れなくなります。

このような事業環境下で、最近活発になっているのは、中小の電気電子部品メーカーとベンチャーや中小のITベンダーの協業です。

ベンチャーや中小のITベンダーが、ソフトウエア提供に関してメーカーの下請けになるのではなく、水平分業化で行うイコールパートナーシップでの、協業・連携による共同開発です。

この場合、ソフトウエア開発を受託する当該ITベンダーは、受託型事業モデル一般的になっている人月ベースで事業を行いません。

ある中小のITベンダーは、実装ソフトウエアの開発・実用化を中小電気電子部品メーカーと共同行い、その部品メーカーが売った分から使用ソフトウエアのライセンス収入を受け取るビジネスモデルを採用しています。このとき、このITベンダーは、ソフトウエア開発コストを自社でカバーしています。部品メーカーと同じやり方で実装ソフトウエアを開発するのです。

最近話題になっている人工知能関連のITベンダーの中に、東大発のプリファード・インフラストラクチャー(PFI)があります。

このPFIは、非常に優秀なソフトウエアエンジニアを抱えており、大手企業との協業・連携、資金提供、資本参加などの動きがあり、決して人月提供ベースのビジネスモデルになっていません。

国内のベンチャーや中小のITベンダーは、PFIほどではないにしても、優秀なソフトウエア開発力をもっていれば、中小の電気電子部品メーカーと協業・連携して、新規事業立上の機会獲得が可能になります。

ITベンダーは、実装ソフトウエアで使用されているC言語、C++、アセンブリ言語、JAVAなどを使いこなしてさまざまな開発課題を実用化する実力が求められます。

東京や神奈川、埼玉のような首都圏だけでなく、地方に優秀な上記のようなソフトウエア開発力をもったベンチャーや中小のITベンダーが存在しています。

中小の電気電子部品メーカーとITベンダーが協業・連携して、徹底的な差別化・差異化を可能にするソフトウエアを実装した部品・デバイスの開発・実用化を積極的に行うことを大いに期待します。

私も経営コンサルタントとして、電気電子部品メーカーとITベンダーの協業・連携を支援して、新規事業立上機会の拡大少しでも貢献して行きたいと考えています。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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