日経記事;『キヤノン、最大4000億円投資 M&A、ロボや生命科学で』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『キヤノン、最大4000億円投資 M&A、ロボや生命科学で』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

しょうしょう古い記事になりますが、8月24日付の日経新聞に、『キヤノン、最大4000億円投資 M&A、ロボや生命科学で』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『キヤノンは2020年までにM&A(合併・買収)に最大4000億円を投じる。ロボットや生命科学など新分野が対象で、デジタルカメラや事務機に続く経営の柱を育てることをめざす。デジカメなど同社の成長を支えた領域は今後市場の大きな伸びが見込めない。新規事業で20年に1兆円の売上高を目指し、持続的な成長につなげる。

御手洗冨士夫会長兼社長兼最高経営責任者(CEO)が日本経済新聞の取材に対し、16年から20年までの次期経営計画で掲げる戦略を明らかにした。主力のカメラと事務機は「デジタル化が浸透し、成熟産業になった」と指摘。「新たな成長事業を作り出して高成長を実現する」と述べた。

4月に子会社化した監視カメラ世界最大手アクシス(スウェーデン)に続く大型買収を検討。「安全安心、生命科学、ロボット、材料」の4分野で買収先を探す考えを示した。6月末で約6200億円の現金及び現金同等物があり、「3千億円から4千億円を投じることは可能だ」という。

キヤノンはカメラ生産の完全自動化を目指し、ロボットなど自動化用設備の開発を進める。コスト競争力を高め、4割の国内生産比率を3年後をめどに6割とする。御手洗氏は「国内で生産技術を磨いた上で外販する」と語り、ロボットなどを外販する考えを示した。

生命科学分野では遺伝子解析装置を17年末にも米市場に投入する。同装置関連の試薬や消耗品も販売する。

キヤノンの業績のピークは07年12月期で売上高は4兆4800億円、売上高営業利益率は16.9%。10年12月期にそれぞれ5兆円と20%の達成を目指したが、リーマン・ショックやデジカメ需要の減退で近年の売上高は3兆円台後半だった。御手洗氏は「売上高5兆円と営業利益率20%を再び目指す」と強調した。』

本日の記事は、キャノンが新規事業の柱を確立して、売上高5兆円と営業利益率20%を達成する方針であることについて書いています。新規事業分野は、「安全安心、生命科学、ロボット、材料」とのこと。

キャノンの場合、現在の主力事業分野はカメラと事務機です。単体カメラは、スマホのカメラ機能の高度化と低価格化で、需要シフトが起こっており毎年市場規模は縮小しています。

将来的には、単体カメラ市場は、フイルムと同じように市場から淘汰される可能性があります。一部のカメラ愛好家が、単体カメラを使い続ける以外は、多くの顧客はスマホのカメラ機能を活用することになります。

かってフイルム事業で大きな事業基盤を作った富士フイルムは、新規事業立上に成功して生き残りましたが、老舗企業の米コダックは市場から消えました。

市場という土俵自体がなくなれば、どんな名門企業も生き残れません。

市場が縮小していく事業環境下では、オンリーワンの技術で大きなシェアを獲得しても、事業規模は小さくなります。単体カメラ市場の場合、ソニーなどの強力な競合他社がいますので、ますます収益確保も難しくなります。

事務機事業は、ITの浸透でペーパーレスが進んでおり、紙や印刷需要は減少する一途です。単体カメラと同じように、市場縮小に加えて強力な競合他社が存在しています。

キャノンは、主力2事業分野が市場縮小に直面しています。当然、柱となる新規事業分野を立ち上げないと、生き残れない状況になります。

一般的に、企業が新規事業分野を立ち上げる場合、徹底的な差別化・差異化を可能にする技術やノウハウを武器に商品・サービスを開発・実用化します。

また、対象市場は、世界中で潜在需要があり、右肩上がりで拡大している市場になります。右肩上がりで成長する市場では、後発参入企業であっても、徹底的な差別化・差異化を可能にする技術やノウハウをもっていれば、勝ち組になれる可能性があることによります。

日経記事によると、キャノンはロボットや生命科学を新規事業分野としてとらえて、自社のもつ潜在技術力で参入しようとしています。キャノンは、もし当該目的の達成に必要があれば、M&Aを駆使して他社を買収することも行うとみます。キャノンは、十分な資金力をもっていることによります。

中小企業の場合、キャノンのような大手企業と同じようなやり方はできません。しかし、自社の
既存事業を見直して、事業収益拡大が可能かどうか、対象市場が伸びているかどうかなどの確認は必要です。

中小企業は、中堅・大手企業との競合をさけるため、一般的にニッチ市場でオンリーワンの立場を確立することが収益確保・拡大につながります。

しかし、対象市場が右肩下がりになれば収益確保は難しくなります。中小企業もキャノンのような大手企業と同じように、このような事態に直面した場合は、海外も含めて新規市場・事業の立上が必要になります。

中小企業は、大手企業と異なり大胆な新規事業立上を行うことはできません。地道に新規事業の対象となる市場や潜在顧客などを調べて、行動計画を立てて実行していくやり方になります。

自社技術やノウハウの競争力、競合他社の状況、潜在市場・顧客の状況などは、インターネット上に存在する2次データを収集・分析して、可能性を探ります。

私の場合、新規事業立上や販路開拓に関する可能性確認や行動計画作成は、仮説検証型のネット上の2次データ活用による市場調査から行います。

ネット上の2次データ活用による市場調査の利点は、迅速さと低コストです。仮説検証型の市場調査は、作った仮説が調査結果に合わなければ仮説を修正して再検証を行います。

私の経験では、何度も調査を行う仮説検証型の市場調査には、ネット上の2次データ活用によるものが時間短縮とコスト圧縮の両面から最適です。

いずれにせよ中小企業は、自社の強みを最大化できるニッチ市場で新規事業立上や販路開拓を行うことが成功する可能性を高めます。

キャノンや富士フイルムなどの大手企業の動き方を参考にしながら、自社にあった最適なやり方で新規事業立上を行うことが肝要です。この視点から、キャノンや富士フイルムなどの大手の新規事業立上のやり方に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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