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日経記事;『社説;日本の製造業にデジタルで新風を』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

8月31日付の日経新聞に、『社説;日本の製造業にデジタルで新風を』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『デジタル技術の進展が、製造業に変革を迫っている。あらゆるものをインターネットにつなぎ、大量のデータを使って新たなビジネスモデルを競う時代の到来だ。機器単体ではなくサービスと一体で売る知恵や、事業のスピード感を企業は問われる。

日本の製造業の足元はしっかりしている。本紙の集計では、自動車や電機などの好調で4~6月期の純利益は、1年前より26%増えた。だが、油断はできない。長年の蓄積を無駄にしないためにも、競争ルールの変化にあった自己改造が必要だ。

独米中に後れとるな

世界の動きは速い。ドイツは官民を挙げてIT(情報技術)をてこにした製造業の革新に乗り出した。部品の製造や組み立て、販売などの現場をネットワークでむすび、データを共有して需要の変動に柔軟に対応できる生産体制づくりをめざしている。

モノのインターネットと呼ばれる潮流だ。製造業の復活をねらう米国では、大企業が手を組み、産業機器にセンサーを付け運用や保守に生かす試みなどが広がる。経済が減速する中国も、製造業のIT化に活路を探る。

日本はどうか。コマツはブルドーザーなどの建設機械をITで熟練者並みに自動制御するしくみを実現した。生産設備のデータを分析し、品質向上に生かす繊維大手の東レのような例もある。

問題はこうした動きが一握りの企業に限られることだ。コンサルティング会社アクセンチュアの調査によると、「収益源の創出にモノのネット化が役立つ」と考える経営者は世界全体で約6割に上るが、日本は3割にとどまる。

日本の製造業が戦後の経済発展をけん引したのは間違いない。精密加工や品質管理のノウハウは財産だ。しかし、自信が過信になっては世界競争で埋没しかねない。旧来型の機器販売は、価格競争に巻き込まれやすい。デジタル技術で新風を吹き込み、新たな製造業へ踏み出すときだ。

人工知能ベンチャー、プリファード・ネットワークス(東京・文京)の西川徹社長は「ITと製造業の連携で日本から新たな価値を提供したい」と語る。工作機械のファナックなど大手メーカーと協業し、高度な自動化技術などを開発するという。こうした試みはもっとあっていい。

製造業を強くするデジタル技術は数多く、生かさない手はない。例えば、事業のアイデアをネットに投稿し、必要な資金を大勢から集めるクラウドファンディング。ものづくりに応用すれば、投資リスクを抑えながら、実験的な商品投入に挑みやすい。

ソニーが出資するベンチャー企業は、ドアのカギをスマートフォンで開け閉め可能にする電子機器の商品化にクラウドファンディングを使った。うまく利用することでベンチャー、さらには個人にも製造業の担い手を広げられる。

仕事を外注したい企業と、受注したい個人をネットで仲介するクラウドソーシングも使いこなしたい。ユニークな素材や加工の技術を持ちながら事業化できずにいる企業は多い。ネットでソフト開発やデザインを頼めば、新たなものづくりにつながるだろう。

人材育成が課題に

このサービスの大手クラウドワークスには、ITなどの技能を持つ働き手70万人が登録する。ネットを通じて社外から英知を取り込み、事業スピードをあげる。自前主義に陥らないオープンな姿勢は製造業の刷新に生きるはずだ。

ロボットや身につけるウエアラブル端末など、工場で働く人を助ける技術にも期待したい。人手不足を補うだけではない。画一的な作業から解放され、創造的な仕事に注力できる環境は、イノベーションを起こすのに重要だ。

さらに、将来を担う人材の育成が欠かせない。これからの製造業は斬新なビジネスモデルを編み出す発想力が一段と大切になる。だが、そうした人材が必要と考える企業の7割が実際は確保できていないとIT人材白書は指摘する。

子どもにプログラミングを教えるNPO法人CANVAS(東京・台東)は、ドローン(無人飛行機)やロボットの操作など、デジタル時代のものづくりをみすえた教育に取り組む。石戸奈々子理事長は「産業を生み出す力を育む」と話す。こうした人材の育成に、企業は積極的に関わるべきだ。

日本の製造業は1千万人が働く中核産業である。政府はIT活用を成長戦略に掲げる。世界に手本を示す気概で製造業を21世紀型につくりかえなければならない。』

昨日は、日経記事;『クボタ、全国でIT農業 データ駆使、効率生産 15法人で1000ヘクタール展開』に関する考察のタイトルでブログ・コラムを書きました。非製造業のIT活用について書いています。

本日は、日経新聞の社説に関して考えを述べます。

製造事業にITをもっと積極的にビジネス展開する動きを加速させる考え方ややり方に賛成します。
過去のビジネスに対するIT導入の実績は、既存インフラの破壊と創造の繰り返しになっています。

この動きは、マイクロソフト、グーグル、アマゾン、アップルコンピュータなどの米大手ITベンダーによってもたらされました。

こうした動きに国内製造事業者は、防戦一方だったのが実態です。代表的な崩壊事例は、国内デジタル家電商品になります。例えば、ソニーの旧ウオークマンは、アップルのiPodに市場を取られました。

米大手ITベンダーが仕掛けたやり方の一つに、ITを活用した水平分業があります。アップルやグーグルは、製造工場のインフラをもっていません。もっているのは、商品の企画・開発・設計機能とソフトウエア開発力です。

製造は、外部の台湾などの専業製造事業者(EMS;Electronics Manufacturing Service)に委託して行うファブレス事業者になっています。

ファブレス事業は、工場をもたないため固定費負担が少なく、商品企画力・開発力・ソフトウエア開発力ですぐれた商品を開発・実用化すれば、大きな事業収益を確保できます。

これに対して、当時の国内家電メーカーは、差別化・差異化を可能にする手段の一つとして、工場を自前でもって製造技術の高度化やコストダウンなどのモノづくりを強化して対抗しようとしました。

これに対して、ソフトウエア開発力の強化は、出遅れた感があります。多くの大手家電メーカーは、ソフトウエア開発を外部のITベンダーに依存していました。

いわば、米大手ITベンダーと国内大手家電メーカーは、インターネットやIT事業環境下で真逆の対応をしていたことになります。

現在のIoT化対応や人工知能活用は、製造事業自体に大きな変化や影響をもたらします。IoTは、部品・装置・商品を相互にインターネットでつないで、新たな付加価値を出したり、モノづくりをより効率的に行ったり、保守点検をより容易に低コストで行うなどの用途に活用することが想定され、すでに実装が加速化しています。

インターネットは、上記しましたように、既存の事業基盤を破壊もしくは新規創造していきます。
インターネット通販は、現在BtoBタイプのビジネスでも多用されており、国内だけでなく海外市場・顧客にも使われており多大なビジネス効果を出しています。

現在、多くの国内中小製造事業者は、海外市場・顧客に対する販路として、販売会社を使っています。これは、販売会社が最終顧客に対する販路をもっていることと、保守管理も代行してくれることによります。

IoT対応が進んで、部品・装置・商品に対する保守管理の大部分がインターネット回線でソフトウエア更新などで対応できるようになると、販売会社を使う必要性が薄れて、インターネット通販がさらに使われる状況になるとみています。

製造事業者が、インターネット通販を使って最終顧客に直接販売できるメットは、最終顧客に対する販売価格決定権をもてること、最終顧客の反応や不満などを直接理解できること、利益幅を自社にプールできるため新規投資の原資確保ができることなどのメリットがあります。

インターネット通販は、小売などのリアル店舗事業を圧迫することは確実です。しかし、中にはリアル店舗事業の強化とインターネット通販事業の強化をうまく組み合わせて、事業拡大している事業者もいます。

たとえば、家電商品・カメラ機器などの大手国内量販店のヨドバシカメラは、リアル店舗では商品説明力を強化して顧客満足度を高めると共に、インターネット通販事業も強化して、取扱い商品の拡充と商品出荷リードタイムの短縮と送料無料を武器に売上拡大を実現しています。


IoT対応実現には、取扱いデータや情報の高速処理を実現するアルゴリズムの開発・実用化、高速かつ安定して大量のデータ・情報のやり取りを可能にする無線LANなどの通信網の実現・確保、大量のデータや情報の処理を可能にするクラウドサービスの強化などの総合的な対策が必要です。

これらの課題を実現するには、標準化対応を含めて、政府と産業界の協力体制が必要になります。ドイツは、一足早くインダストリー4.0として、官民一体で動き始めています。

本日の日経新聞社説は、日本のモノづくりにインターネットやIT利用の視点を積極的に取り入れて、製造業界全体で動かないと、アメリカ、ドイツ、中国に後れを取ると指摘しています。この指摘に賛成します。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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