日経記事;『鈴木幸一氏の経営者ブログから、■相貌を変えるインターネット』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『鈴木幸一氏の経営者ブログから、■相貌を変えるインターネット』に関する考察

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皆様、

おはようございます。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

2日前の記事になりますが、8月18日付の日経新聞に、私の敬愛するインターネットイニシアティブ(IIJ)の創業者であり、現会長の鈴木幸一氏が毎週火曜日に書いていま「経営者ブログ」を読んでいます。

私が鈴木幸一氏を知ったのは、経営コンサルタントとして独立後、製造事業者と共にITベンダーの新規事業立上や海外販路開拓の支援を行うようになった時に、日本のIT業界の歴史を勉強したことによります。

IIJは、富士通や日立、東芝などの大手IT企業と比べて決して大きな事業規模になっていませんが、徹底的に差別化・差異化を可能にする技術開発先行型の企業として注目しています。

また、IIJが郵政省(現総務省)との激しいやりとりの末、93年にネット接続サービスを開始したことで知られています。この辺のいきさつは、鈴木さんが2015年3月に出版しました「日本インターネット書紀」に書かれています。

さて、その鈴木幸一さんが8月18日に「流されるまま変わっていくこと」のタイトルで経営者ブログを書かれました。

本日は、このブログ記事について、私の考えを述べます。

鈴木幸一さんが書かれたブログの内容は、以下の通りです。
ここでは、後半部分を中心に抜粋して記載いたします。

『昔の話だが、お盆の頃、私の育った町では、夏祭りがあって、榊神輿(さかきみこし)が担がれた。朝早く神社を出て、夕暮れ、若者に激しく担がれ、揺れ続けた榊神輿が海に入るまで、夏の一日は心湧き立つようだった。

。。。。

■相貌を変えるインターネット

インターネットという技術革新の核心は、技術そのものの価値よりも、この技術が、政治に始まって、社会、経済、産業、人々の暮らし方に至るまで、あらゆる仕組みを変えてしまうことにあると、IIJを始めた1992年頃から、繰り返し話している。

気になるのは、自らの暮らし方から感性に至るまで、さしたる引っ掛かりもなく、流されるままに変えてきた日本が、構造そのものを変えてしまうインターネットの革新に対しては、極めて鈍感で危機感を持たないまま、世界に後れを取っていることである。自らの意志で仕組みを変えることに対しては、抵抗が強いのである。

IoT(Internet of Things)、つまりあらゆるモノとモノがネットにつながる世界が、具体的に実現されてきたということ、それはインダストリアル4.0、つまり第4次産業革命の始まりであるといわれている。

国や産業の施策は、その前提にたって考えないと、世界に取り残されるか、後塵を拝し続けるぎりぎりの段階に来ているのに、正面から向き合った対策を怠っている。蒸気機関、電気、化石燃料の膨大な消費、原子力利用の具体化、そしてコンピュータリゼーションが、わずか200年程度で人間の生きる形を変えてきたように、インターネットは、いま、世界を変えつつあるエンジンとなっている技術である。

インターネットは、オープン化、フラット化という端的な言葉で表現される当初の思いとは違って、究極の集中化、監視につながる技術として、その相貌を変えてきている。

IoTという技術を最適に生かすには、あらゆる産業を横串にしたような規範なりルールをつくり上げる必要がある。確固とした方法的制覇につながる取り組みが必要なのである。

こうした状況に対して、一歩進んでいるといわれるドイツの政策を見ていると、かつて、日本の強みとされていた産・官・学の護送船団方式を際立った形で遂行しているようだ。SAPやシーメンスのような、標準的なプラットフォームをつくり上げることで、まさに方法的な制覇に狙いを絞った戦略を基本認識として、政府・産業界・学界が一体となって進めている。

いささかでも、第4次産業革命を想定して、行動をすることの意味を理解するのであれば、現在の日本の政策は歯がゆいものとしか言いようがない。危機感の欠如といってもいい。

日本人は、外的な力によって、流されるままに変わって行くことについては、高い順応性を持つのだが、自らの意志で、根本から仕組みを変えようということについては、まず躊躇(ちゅうちょ)してしまうようだ。自らの意志で本質的な変化に対応するには、あらゆる面で、変えることの痛みを伴うことは避けられない。どうも、それが苦手なのかも知れない。

。。。。。』


何度か本ブログ・コラムで書いていますように、インターネットは、既存の社会・インフラ基盤を破壊・変革する力をもっています。

私が経営コンサルタントとして独立後、製造事業者と共にITベンダーの経営支援を強化したこともインターネット革命の実力を体感したことによります。

私は、以前国内大手AV家電メーカーに勤務していました。この会社では、アナログ技術では世界最高の技術をもっており、世界市場で勝ち組になっていました。

ところが米マイクロソフトがWindows95を導入した後、一気に世の中がアナログからデジタルに切り替わって、アナログ技術で実現していた商品やサービスをパソコンやインターネット回線との接続や周辺機器などの開発・実用化が一気に進みました。

顧客にとっては、デジタル化で価格低下と利便性向上が同時にやって来ましたので、大いに歓迎されました。当然のごとく、既存のアナログ技術・商品は陳腐化していきました。

多くの家電メーカーが米国ITベンダーなどに後れを取りました。現在の苦境につながっています。

インターネットやITは、今、社会やビジネスのインフラに深く入り込んでおり、これらを抜きに個人生活やビジネス活動ができない状況になっています。

インターネットやITは、製造事業だけでなく、小売事業の分野でも大きな影響を与えています。日本の小売市場全体では、生産年齢人口減少を反映して全体の市場規模は縮小しています。

しかし、インターネット通販事業は、右肩上がりで成長し続けています。インターネット通販の利便性や効率性が、商品・サービスの提供者と顧客の双方に受け入れられていることによります。

このインターネット通販は、国内製造事業者に、海外顧客に対する販路開拓・集客の有効な選択肢の一つを提供しています。

国内製造事業者が、自社の英語などの外国版Webサイトを立上て、自社商品・サービスの広告・宣伝や情報発信を効果的に行えれば、インターネット通販の仕組みを使って海外顧客に直販できるようになっています。この動きは、BtoCだけでなく、BtoBの領域でも拡大しています。

私が今一番注目していますが、IoTです。IoTはざっくり言いますと、部品・装置・商品などのモノとモノをインターネットでつなく仕組みです。

IoTが急速に普及し始めた理由は、数多くのセンサーデバイスが安価に提供される、無線LANトップの小型化・高性能化・低価格化が進んでいる、無線LANのインフラ整備が進んでいる、音や映像・各種デジタル信号の高速処理を可能にするアルゴリズムの開発・実用化が進んでいる、安定したインターネット通信網の構築・整備が進んでいるなどによります。

また、IoTから得られた情報処理の高速化を実現する人工知能などの解析ソフトウエア・アルゴリズムの開発・実用化も急速に進化しています。

従来人工知能のような高度なソフトウェアを使うには、高性能サーバーを自前でもつ必要がありましたが、クラウドサービスの普及は、その必要性を軽減しています。

国内では、アマゾン、IBM、グーグル、日立、富士通、IIJなどの大手ITベンダーが各種クラウドサービスを提供しています。

このような状況下、数多くの中小製造事業者、ITベンダー、中堅・大手製造事業者などがIoTの開発・実用化を進めており、すでに多くの個別企業は商品・サービスの提供を開始しています。

私の支援先企業や知っている会社は、IoT対応した部品・装置・商品や関連ソフトウェアを海外顧客に販売しています。

このように国内製造事業者やITベンダーは、個別にIoT対応を開発・実用化しています。問題は、日本政府や業界団体がIoT対応の重要性をまだ認識していないことです。

IoTは、企業や個別の部品・装置・商品を超えて国内外でつながることにより、非常に大きな利便性や付加価値を商品・サービスの提供者と使用者に提供します。

このIoT対応で大きなビジネス価値をもつためには、プラットフォームを押えることが必要です。
プラットフォームは、IoTを支える無線LANを中心とした通信網やアルゴリズムなどになります。

例えば、通信網で巨大なデータを高速かつ高信頼でやり取りするには、無線LANなどの通信方式について国際的なレベルで標準化することが必要になります。

ドイツは、政府と民間企業が連携してインダストリアル4.0として、国全体でデファクトスタンダード作りを進めていますし、アメリカも同じような動きを加速しています。

日本は、インダストリアル4.0的な動きをかける方向性は出つつありますが、官民一体となった動きになっていません。その点が鈴木幸一氏には歯がゆい事態となっています。

私は、この点について鈴木さんの考えに同意します。

すでに多くの国内企業は、IoT対応を進めています。日本政府が、国内企業のIoT対応を後押しして、通信規格などの国際標準作りなどを進めるようになることを期待します。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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