日経記事;『マツダ、タイでエンジン生産 海外初の一貫拠点 』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『マツダ、タイでエンジン生産 海外初の一貫拠点 』に関する考察

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皆様、

こんにちは。
グローバルビジネスマッチングアドバイザー 山本 雅暁です。

8月8日付の日経新聞に、『マツダ、タイでエンジン生産 海外初の一貫拠点 』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は、以下の通りです。

『マツダは7日、タイで10月にエンジンの現地生産を始めると発表した。まず排気量1500ccのディーゼルエンジンを生産する。当初の生産能力は年3万基。マツダにとってタイは基幹部品であるエンジン、変速機の製造から車両組み立てまで手がける、海外初の一貫生産拠点となる。

先行して変速機を生産する(チョンブリ県の工場)。

100%子会社のマツダ・パワートレイン・マニュファクチャリング・タイランド(MPMT、タイ東部チョンブリ県)で生産する。2016年1月には1300ccのガソリンエンジンを追加する。組み立て工程のみの初期投資額は45億円。約50人を雇い入れる。

生産するディーゼルエンジンは小型車「マツダ2」(日本名デミオ)に搭載する見通し。当面はエンジンの組み立て工程のみだが、将来は前工程の金属加工などを含む本格生産に発展させる。

MPMTは1月に稼働し、現在はAT(自動変速機)を生産している。マツダ本体の小飼雅道社長は7日の正式な開所式で、一貫生産体制の構築を見据えて「いまやタイは最も重要な拠点だ」と話した。

小飼社長は今後の増産投資について「日本は工場のスペースの制約や働き手の減少もある。能力を増やすのは海外になる」と指摘。タイ、中国、メキシコが有力候補との見解を示した。』


自動車用エンジンは、自動車用部品の中で最重要なものになります。エンジンは、自動車の差別化・差異化を実現するコア部品になることによります。

また、エンジンは、高度な技術やノウハウを駆使して、開発・実用化する必要があります。熟練度の高いエンジニアや作業労働者と、エンジンを構成する主要材料・部品の調達や新規開発が必要になります。

自動車産業は、エンジンだけでなくブレーキ、変速機や車体などのコア部品まで含めると、非常にすそ野が広い産業群になります。

したがって、自動車部品の開発実用化は、日本のように6次下請けまで含めた多様な企業群が集積していない場所でないと実現できません。

多くの国内自動車メーカーは、日本の工場をマザー工場にして、エンジンのような高度機能・性能を必要とする部品を日本のマザー工場で開発・実用化と生産を行っています。

本日の記事は、マツダがエンジンの生産をタイで行うことについて書いています。このことは、マツダはタイに集積している日系製造事業者の技術と設備、熟練労働者を活用すれば、自動車用エンジンを生産できると判断したことを意味しています。

国内製造事業者は、自動車と電気電子機器の両分野を中心に、今まで約50年の時間をかけて、投資を続けた結果、日本とほぼ同じ産業構造が出来上がりました。

マツダがエンジン生産をタイで行うことを決めたことは、タイの自動車産業群が日本と同じ水準になったことを意味しています。

タイは、日本を含む多くの外資系メーカーが投資した結果、失業率はほとんどゼロに近い状態になっています。

タイの15歳から64歳までの生産年齢人口は、今がピークで今後徐々に減少していきます。タイでは、生産年齢人口の減少と高い労働者賃金から、靴や繊維産業などの労働集約型産業の工場展開には適していません。金型や鋳物などの新規工場展開にも、タイは適していません。

タイ政府は、このような事業環境を理解しており、今後、日本と同じように産業の高度化を図ることで、経済の持続的発展を実現しようとしています。

たとえば、新規投資優遇制度(BOI)は、当該文脈で制度化され適用されています。エンジンは、高度化製造事業に入ります。

タイは、アセアン域内の第二の日本として製造事業としての拠点化が進むとみています。タイを中心に、ベトナム、インドネシア、フィリピン、ミャンマーなどの周辺国で製造事業の集積が進むとみています。

TPPが締結されますと、関税引き下げなど貿易障壁が低くなりますので、ベトナムとアメリカ間の貿易がさらに活性化することになります。

一つのやり方として、タイの主力工場で開発・実用化した部品や製品をベトナムの工場で生産して、アメリカに輸出する仕組みが有効になります。

自動車の場合、タイの主力工場で開発・実用化した主要部品を、アメリカ市場向け製品についてはメキシコで生産するやり方も想定できます。

本日のマツダに関する記事は、今後中小製造事業者が海外販路開拓や工場の新規展開を計画・実行するときに、アセアン地域、米国や欧州の先進地域での事業展開のやり方を総合的な見地から
判断することの重要性を示唆しています。

この視点から今後のマツダのタイ工場での事業展開のやり方に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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