「確定拠出年金(企業型)」金融機関選びのポイント(導入をお考えの企業様へ) - 年金・社会保険全般 - 専門家プロファイル

小川 正之
マネーアドバイザーズトウキョウ株式会社 COO(最高執行責任者)
東京都
ファイナンシャルアドバイザー

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閲覧数順 2024年04月24日更新

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「確定拠出年金(企業型)」金融機関選びのポイント(導入をお考えの企業様へ)

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老後資金・リタイアメントプランニング

厚生労働省の発表(2015年3月末)によれば、企業型確定拠出年金の実施事業主数は19,832社、加入者数は505.2万人とのことです。

確定給付年金からの移行や、福利厚生の拡充としての導入によって、その数は右肩上がりに増加しています(2005年3月末は4,350社、2010年3月末は12,902社でした)。

厚生年金基金の解散による確定拠出年金の導入も想定されるため、今後益々の普及が見込まれます。

今回は、企業型確定拠出年金を導入する際の金融機関(運営管理機関)選びのポイントをお話します。

また、確定拠出年金は大企業だけの制度ではありません。中小企業でも同様の制度を導入することができます。中小企業が最も導入しやすい制度設計は、“選択制”だと思います。その“選択制”についても触れたいと思います。

お役立ていただければ幸いです。



確定拠出年金のメリット

企業型確定拠出年金の1番の目的は、社員の老後資産づくり・資産形成だと思っています。現役時代から老後資産準備をしていくための手段(福利厚生の一つ)であり、国も自助努力を支援・推進していることから、様々な税制優遇措置があります。

確定拠出年金は、社員の資産形成を促すと同時に企業の社会保険料も削減できるという“企業”と“社員”の双方にとってメリットのある制度です。

社会保険料の削減(事業主、加入者)

確定拠出年金の掛金については、税金(所得税・住民税)や社会保険料の算定賃金の対象外となります。それに伴い、社会保険の標準報酬月額の等級が下がりますと、社会保険料の会社負担分も軽減されることになります。

所得税・住民税の節税(加入者)

確定拠出年金の掛金については、全額が所得控除の対象となります。

運用益の非課税(加入者)

確定拠出年金における運用益は非課税となっています。通常の運用では利益に対して税率20.315%ですので、非課税というのは大きなメリットです。

※積み立てられた年金資産に対しては特別法人税の対象ですが、現在は凍結中です。

給付時の税制(加入者)

60歳以降に受け取る際、一時金か年金かを選ぶことができますが、課税対象となります。しかしながら、それぞれ下記の優遇措置があります。

・一時金 : 退職所得控除の対象

・年金 : 公的年金等控除の対象



金融機関(運営管理機関)による違い

取引のある金融機関や近所の金融機関に相談をされるケースもありますが、金融機関(運営管理機関)選びは重要なポイントとなりますので、慎重に決めていただきたいと思います。

従業員数に制限を設けている金融機関もあります(従業員○○人以上など)。

費用

金融機関(運営管理機関)によって費用は大きく違います。主に下記2点について確認いただき、複数の金融機関を比較されるのが良いと思います。

・初期費用 : 初期導入手数料、口座開設手数料

・経常費用 : 運営管理手数料(事業主手数料、加入者手数料)

商品ラインナップ

加入者が選択できる商品ラインナップも重視していただきたい点の一つです。それによって、加入者(社員)の運用における選択肢が変わってきますし、結果的に老後資産(運用成果)に大きな影響を与えることになります。

具体的には、元本確保型に定期預金があり、投資信託については国内外の株式・債券のパッシブ型(インデックス型)が揃っていると良いと思います。投資信託内にも信託報酬という費用があり、アクティブ型よりもパッシブ型(インデックス型)の方が比較的低コストです。

継続教育

導入したら終わりではありませんので、導入後の運営も大切です。特に、加入者(社員)に対する継続教育のサポートがポイントです。加入者への継続教育は、事業主の“努力義務”とされています。力の入れ具合は企業毎に大きな差があります。継続教育の方法も、企業の人事部が研修を実施したり、運営管理機関がレポートを配布したり、企業によって様々です。

福利厚生として導入したものの、多くの加入者が有効に活用できていない、というのが現状です。弊社にも「勤務先が確定拠出年金を導入したが、何に投資をしたら良いのかわからない」という相談は多く、「よくわからないから、とりあえず定期預金を積み立てている」という方が非常に多いです。加入者一人ひとりのライフプラン(資金計画)に合わせて活用できる優れた制度ですので、それを上手に活用できていないというのは非常に勿体無いことです。

一方では、継続教育に熱心に取り組んだ結果、加入者の理解度・満足度が非常に高いという企業もあります。取り組みの一例としては、各年代ごと(年齢別)にその年代向けのライフプランセミナーを開催し、その中に確定拠出年金の内容を織り込んで実施していたりします。

継続教育については、運営管理機関以外に依頼するというのも一つの方法だと思います。弊社も継続教育のサポートを提供しております。



選択制という選択肢

中小企業が最も導入しやすい制度設計は、“選択制”だと思います。勿論、大企業、中小企業問わず導入可能です。

これまでに述べた確定拠出年金としてのメリットや注意点は同様です。

大きな特徴としては、社員自身が、確定拠出年金の掛金として拠出するか、前払退職金として給与に上乗せして受け取るか、その選択を行ないます。社員自身が自ら拠出するので、“選択制”と呼ばれています。(確定拠出年金の掛金ではなく、給与の上乗せを選択した場合は、税効果や社会保険料効果はありません。)

確定拠出年金の導入に伴い、給与の一部を減額して掛金を捻出する方法(事業主が新たに資金負担をしない)をお考えの場合、“選択制”によって加入者に選択肢を与えてあげることができます。

加入者1名から導入可能としている金融機関もあります。



マネーアドバイザーズトウキョウ株式会社

弊社では、企業型確定拠出年金の「導入支援」や「導入後のサポート(継続教育)」を提供しております。

企業型確定拠出年金を導入することによる、メリット(社会保険料の削減効果)と費用を試算することもできます。導入を検討中の企業様はお気軽にお申し付けください。

導入済みの企業様におかれましても、継続教育の面でお役に立てることがあると思います。弊社では、確定拠出年金についてのアドバイスのみならず、ライフプラン全般(住宅ローン、保険、教育資金準備など)についてのアドバイスも提供しております。確定拠出年金は老後資金準備の一部であり、老後資金準備はライフプランの一部だと考えているからです。

また、弊社は金融商品の販売や仲介を一切致しません。ご相談者様の立場でアドバイスを提供しております。




ご質問やご相談等がございましたら、お気軽にご連絡ください。

http://www.money-advisers-tokyo.com

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