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日経記事;『関電など5社、送配電設備を共同調達  計1000億円削減 完全自由化備え』に関する考察

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皆様、
おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月27日付の日経新聞に、『関電など5社、送配電設備を共同調達  計1000億円削減 完全自由化備え』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『関西電力は中国電力や九州電力など西日本の電力4社と送配電設備を共同調達する。関電が中心となり具体的な品目を決め、2015年度中に始める。将来は合計で年1千億円規模の費用削減をめざす。

国内の電力業界で最大規模の共同調達になる見通し。法改正で本体から分離を求められる電力会社の送配電部門の統合につながる可能性もある。来春の電力の完全自由化をにらみ電力会社の提携の動きが加速しそうだ。

関電は中国電、九州電、四国電力、北陸電力の西日本4社とそれぞれ品目ごとに共同調達に向けた協議を始めた。電柱や電線、変圧器やスマートメーター(次世代電力計)などが対象になる見通し。「地域や会社を限定せず、共同調達はやれることをすべてやる」(関電幹部)方針だ。

発電所から家庭や工場などに電気を届ける送配電設備では毎年、多額の改修費が必要となる。設備や機器の調達額だけで、5社合計で年3千億円規模に上る。

各社は電力の送電ロスを減らすために電圧を高めたり低くしたりする変電所を数多く持つが、中核装置の変圧器や遮断器などは同じような製品を使っており、共同調達しやすい。

関電は6月の組織改編で「調達本部」を新設した。原子力発電所の再稼働が遅れるなか、16年3月期に5期ぶりの最終黒字を確保するには調達費削減が不可欠となっている。調達本部では他社との共同調達を進め、随意契約中心の発注も見直す。

九電なども関電と組めば調達費を抑制できるため、5社は共同調達額を段階的に増やしていく。費用削減は電気料金引き上げなどの顧客負担を減らす原資となる。

政府は自由化を進める一方、料金を引き上げた電力大手に経営合理化を強く求めてきた。東京電力や中部電力なども共同調達の検討を進めている。電力業界では関電の経営が厳しい。このため、4社と共同で大規模な共同調達に取り組み、経営の立て直しにつなげる。

5社は今回の共同調達を契機に送配電部門の統合に動く可能性もある。今国会で成立した改正電気事業法は、20年4月に発電部門と送配電部門を別会社に分ける「発送電分離」を盛り込んだ。

送配電部門の独立性を高め新規事業者が送配電網を使いやすくする。各社は送配電部門の投資負担を軽減する必要があり、部門統合は共同調達より大きな合理化効果を見込めるためだ。』


原子力発電事故をきっかけに議論されてきました、大手電力会社の送配電部門を発電部門から切り離す「発送電分離」を2020年4月に実施するための改正電気事業法が6月17日、参院本会議で可決、成立しました。

今まで地域ごとに設置された電力会社が一元化に決めていた電気料金の引き下げや、多数の民間企業参入によりサービスの多様化につなげる電力システム改革の最終版として設定されています。

この法律が施行されますと、電力会社が独占していた発電と送電の各事業を強制的に分離独立させることになります。

ここには、大きな新規事業機会が生まれることが期待されます。発電・送電・売電までの全過程で自由競争が起こります。

すでに多くのベンチャー・中小企業が、送電や節電などの分野で新規開発技術・商品の開発・実用化を進めています。

各電力会社は、インターネットとつながったスマートメーター設置を計画しています。このスマートメーターを使ってさまざまな省電力化サービスの開発・実用化が、ITベンダーを含めて活性化しています。

片一方、今まで独占的地域企業として無競争環境下で経営を行ってきた電力会社は、生き残るために今までにないよう形での経営施策の計画・実行が求められています。

本日の記事にあります関西電力は、東京電力と比べて経営状況が厳しいと言われています。その関電が経営体力強化のため、送配電関連コストを他の電力会社などとの協業・連携で削減することを狙っています。

また、「発送電分離」では大手電力の送配電部門と発電部門を別会社に分けることで、送配電部門の独立性を高め、新規事業者が送電線や電柱を使いやすくする狙いがあります。

電力会社は、他の新規発電事業者などに合理的な使用料金で送電線や電柱を使用させることが強く求められます。

電力会社が異常に高い料金で送電網を第三者に使用させていると判断されると、政府から厳しい料金減額要求が出されることは必須です。

このため、電力会社は、送電コストの低減に大きな努力を払おうとしています。関電を中心として、九州や西日本の電力会社がまとまって送電の調達コスト削減を実行することは極めて合理的です。

やっと電力会社が一般の民間企業並みの常識をもつようになっているとみます。

発電事業では、太陽光や風力などの再生可能エネルギー発電が今後さらに増えていくと予想されます。再生可能エネルギーの発電効率向上、蓄電・水素発電との組み合わせなどの技術革新がさらに進んで、合理的なコストで発電されるようになると、発電事業の多様化が予想されます。

発電・送電事業が分離され、自由競争原理が持ち込まれることで、激しい競争が起こり、技術革新が始まりますし、すでに始まっています。

たとえば、東京ガスが発電事業への参入を決めており、東京電力との間で顧客の奪い合いが始まっています。

ベンチャー・中小企業は、発電・送電の主力事業に直接参入することは困難です。しかし、発電・送電の分離による各種技術革新や、スマートメーター活用したを省電力対応などへの動きや対応方法などで、多くの参入可能分野があります。

自由競争は、より高効率な経済合理性、高付加価値への追及などの成果を産み出します。この点から、電力業界での事業分離の加速と合理的競争の発生は、事業価値の向上と新規事業機会の増加につながると大いに期待しています。

今後の電力業界の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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