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日経記事;『インフラ点検、ロボ活用 規制緩和で人手補う 安全性向上・成長産業に 政府、来年度にも』考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月20日付の日経新聞に、『インフラ点検、ロボ活用 規制緩和で人手補う 安全性向上・成長産業に 政府、来年度にも』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『政府は橋やトンネルといった公共インフラの点検で、ロボットの活用を促すため規制の見直しを進める。技術の向上で、人が行う作業の補助や代替が可能になったためで、2016年度にもロボットを導入できるよう「目視」などを前提とする規制を緩める。

老朽インフラの点検が増えるなか、技術者の不足に対応するとともに、点検の精度を上げてインフラの安全性も高める。技術開発を促しロボットを成長産業に育てる狙いもある。

政府の規制改革会議が国土交通省など関係省庁とともに、不要な規制の撤廃や新たなルールづくりに着手する。

橋やトンネルの維持管理には、人間が高いところに登って目視で亀裂がないかを確認したり、設備の表面を金づちでたたいて音で強度を確かめたりしている。

これをカメラ搭載型の小型無人機(ドローン)や集音器付きのロボットに切り替えることを想定している。ダムの点検には潜水士が水中に潜ってコンクリートの劣化を調べているが、水中撮影ができる専用ロボットで代替したい考えだ。

ただ公共インフラの保守に関する法令や橋梁などの点検要領ではロボットを使えるかが曖昧。そこでルールを明確にし、ロボットによる作業の代替を進めやすくする。

インフラ点検用のドローンについても、規制が妨げにならないよう配慮する。14日に閣議決定した航空法改正案は、空港周辺や住宅密集地での飛行を禁じたが、安全が脅かされない地域では飛行を認める方向で政省令を調整する。

電波法も見直し、インフラ点検に使うドローンや無人駆動ロボットのための電波帯を新たに決める方向で検討している。

政府がロボット活用を進める背景には人材の不足がある。インフラの点検作業を行うのは地方自治体などの委託を受けた建設作業員などだ。だが少子高齢化などで技術や経験をもつ後継者が不足し、点検頻度が落ちる問題が出ている。

このままでは安全対策に支障が出ると政府は判断し、省力化や点検精度の向上につながるロボットの活用を進める。

企業も需要を見越してロボットの実用化を急いでいる。日立ハイテクノロジーズは高圧送電線の検査を自動化するロボットを販売する。送電線にぶら下がって走り表面の傷を調べるロボットで、東京工業大学発のベンチャー企業、ハイボットから独占販売権を得た。

パナソニックはダムの壁面を点検する水中ロボットを開発中。NECや富士通はトンネル、橋の点検に使うドローンの開発を進めている。

世界的な公共インフラの老朽化で、頻繁な点検が必要な施設は国内外で急増している。経済産業省によると、インフラの点検に関わる市場の規模は、世界全体で直近の50億円から30年には2兆円に増える見通しだ。

政府は規制緩和を通じて点検ロボットの実用化や技術開発を促し、関連産業の育成を側面支援。世界の市場で3割のシェアを握る目標を掲げる。』
 

最近の社会インフラの大事故としては、2012年12月2日に中央自動車道上り線笹子トンネルで発生しました笹子トンネル天井板落下事故が記憶に残っています。

この大事故では、山梨県大月市笹子町の天井板のコンクリート板が約130mの区間にわたって落下し、走行中の車複数台が巻き込まれて死傷者が出ました。

事故原因については、トンネル内の設備老朽化にあります。トンネルの管理会社は、当時、「笹子トンネルは1年に一度の定期点検、5年に一度の詳細点検を実施しており、事故の直前は2012年9月に詳細点検を実施していたが、このときは異常は特に見当たらなかったという」説明をしています。

笹子トンネルの詳細検査において、天井板を固定する金属ボルトの異常を検知する打音検査については「目視で異常を確認した場合」にのみ実施する運用としていたこと[、打音検査は2000年以降実施していないなどの実態が警察の調べで明らかになっています。

つまり、通常の検査は目視を中心に行っていたことになります。目視検査は、熟練した担当者が丁寧に行えば、異常を検知できる可能性がありますが、人の目視で行う検査の精度には限界があります。

しかも、熟練検査員の数は減少しています。

また、戦後国内で積極的に建築された橋、トンネル、高速道路、新幹線を含む鉄道網などの社会インフラは、老朽化が進んでいます。

検査需要の高まりと検査要員の減少が同時に起こっていますので、ロボットやデジタル技術などを駆使した自動検査方式のニーズは必然的に増加します。

本日の記事は、政府が目視検査の限界を考慮して、公共インフラの検査にロボットやドローンなどのIT・デジタル機器の活用を促す規制緩和を考えていることについて書いています。

すでに公共インフラの検査・監視市場には、ベンチャー・中小企業が参入しつつあります。例えば、産業用無人機やドローンなどの設計、製造、販売を行っている株式会社エンルートは、複数のプロペラを付けて安定性を高めたヘリを独自開発して、河川の堤防を上空から撮影したり、切り立った崖沿い道路の側面検査などの事業を行っています。

東京工業大学発のロボットベンチャーであるハイボットは、関西電力などと組んで、送電線の点検ロボットを開発したとされます。

上記以外にも、多くのベンチャー・中小企業がこの社会インフラ監視・点検事業に参入しつつあります。

政府の規制緩和が進みますと、ベンチャー・中小企業や中堅・大手企業に、社会インフラの監視・点検用途として大きな市場が見込まれます。

老朽化した社会インフラの監視・点検需要は、日本だけでなく米国や欧州の先進国共通に存在します。

さらに、アセアンなどの新興国でも、既存の社会インフラに対する監視・点検需要が大きくなっていきます。

この社会インフラの監視・点検は、国内企業のように細かな点に着目して、改良を重ねて、正確性を向上させることを得意とする会社に適しています。

センサー、無線LANなどのデバイス、制御回路、軽量部材、通信技術、人工知能、クラウドサービスなど、社会インフラの監視・点検事業を支えるビジネスプラットフォームも安価に利用可能になっています。

アイデア、商品企画力、技術開発力をもったベンチャー・中小企業にとっては、自社あるいは他社との連携・協業で社会インフラの監視・点検事業に参入できます。

装置の製造は、製造専業事業者に委託することで、ファブレス企業でも商品の開発・製造が可能になっています。

国内のベンチャー・中小企業にとっては、社会インフラの監視・点検事業は大きな市場になります。同時に、欧米や中国、韓国などの企業にとっても大きなビジネスチャンスになりますので、世界市場で激しい競争になることが予想されます。

国内企業は、高効率でかつ高性能・高正確な監視・点検機器を開発・実用化するだけでなく、世界市場で戦うにはコスト競争力も必要不可欠なものになります。

今回の政府による規制緩和が、数多くの企業を社会インフラの監視・点検ビジネス参入を後押しすることは確実です。

国内企業、特にベンチャー・中小企業が、ニッチな社会インフラの監視・点検用途で、徹底的な差別化・差異化を可能にする技術・ノウハウを確立して、国内だけでなく海外市場でも勝ち組になることを期待します。

この視点から、今後の社会インフラの監視・点検ビジネスの進展に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

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