日経記事;『日本勢、素材・部品で存在感 14年世界シェア調査 9品目で首位に』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『日本勢、素材・部品で存在感 14年世界シェア調査 9品目で首位に』に関する考察

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皆様、

おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

7月6日付の日経新聞に、『日本勢、素材・部品で存在感 14年世界シェア調査 9品目で首位に』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日本経済新聞社は5日、2014年の世界の「主要商品・サービスシェア調査」をまとめた。50品目のうち日本企業は9品目で首位だった。東レが炭素繊維で大きくシェアを伸ばすなど素材や部品で存在感を高めた。

消費者向けの分野では巨大な母国市場を持つ米国や中国企業の後じんを拝しているが、企業向けのビジネスに重点を移していることを示した。

首位の品目数は米国企業が16と最多で、日本は欧州の10に続く。韓国は8、中国が6だった。

東レは炭素繊維で躍進した。14年3月に約600億円で買収した米ゾルテックは低コストの炭素繊維に強みがある。航空機用など高機能品が得意な東レは品ぞろえ拡充で首位の座を盤石にした。

ソニーはスマートフォン(スマホ)での撮影に使う「CMOS(相補性金属酸化膜半導体)イメージセンサー」で伸ばした。米アップルなどスマホ大手が軒並み採用し、スマホ市場の拡大で出荷が増えた。ソニーはスマホ事業は赤字だが、同センサーを中心とする電子部品事業の14年度の営業利益は930億円と、金融以外で最多だった。

工場の組み立て工程で使う産業用ロボットはファナックが首位。北米を中心に自動車などの新工場での需要を取り込み、15年3月期の純利益も過去最高だった。

市場拡大する企業向け品目では首位以外も日本勢の伸びが目立つ。リチウムイオン電池では首位の韓国サムスンSDIがシェアを落とす一方、2位のパナソニックが米テスラ・モーターズの電気自動車向け出荷が増え追い上げた。

消費者向けではデジタルカメラとレンズ交換式カメラでキヤノンが伸ばしたが市場は縮小している。同社は監視カメラ3位のスウェーデンのアクシスコミュニケーションズを今春買収。企業向け需要が好調な監視カメラに力を入れる。』


何度か本ブログ・コラムで取り上げていますように、国内製造業の中で、素材・部品・デバイスなどの産業を支える分野については、世界市場で勝ち組になる企業が増えています。

本日の記事もその一つになります。

例えば、ソニーのCMOSイメージセンサーは、現時点で世界シェア39.5%を取っており、2位のオムニビジョンテクノロジーの16.2%に比べて断トツでフロントランナーになっています。

ソニーは、CMOSイメージセンサーの生産能力を2016年9月末までに月産約8万7000枚(300ミリメートルウエハー換算)に増強すると発表しました。約450億円を追加投資するとのこと。

ソニーのCMOSイメージセンサーの需給が逼迫しており、積極的な設備投資で世界首位の座を固めるとされています。

イメージセンサー市場は、スマートフォン(スマホ)やタブレット型端末用途に加えて、自動車の自動ブレーキや自動運転機能などの分野でも急拡大しています。

この市場拡大時に、ソニーがさらなるフロントランナーの地位を固めるための、積極投資は合理的です。ソニーが断トツで2位以下の競合他社に対してぶっちぎりの立場を固めることを大いに期待します。

ソニーがAV機器を中心とする家電分野で負け組になり、CMOSイメージセンサーなどにハードウエア事業の軸足を移していくことに異論が出ています。

ソニーにかってのウオークマンなどのユニークな商品作りを期待しています。しかし、個人や家庭用途の電子機器市場は、ITの進化により、常に急速な汎用化の波が押し寄せていますので、現時点では、ソニーにこの価格競争に陥りやすい市場環境での電子機器復活を期待するのは難しい注文です。

米GEや蘭フィリップスなどの大手家電メーカーも、個人・家庭用途事業の縮小や撤退していることも同じ理由によります。

大手企業といえども、自社の強みを最大化して、世界市場で勝ち組、あるいはナンバーワンの地位を確実に維持強化する姿勢で臨まないと激しい競争環境で勝ち残れないことは確実です。

私は、この視点からソニーがCMOSイメージセンサーに積極投資をしていくことが合理的であると考えます。

東レの炭素繊維事業もソニーと同じように、世界市場で36%のシェアを取っており、競合他社を圧倒しています。

しかも、炭素繊維事業の市場規模は、航空機に加えて自動車用途でも伸びており、成長率は20%となっています。

東レや帝人、三菱レイヨンなどの国内大手は、長年、炭素繊維の開発・実用化に多額の投資をしてきました。この経営姿勢が、今日の東レの一人勝ちにつながっています。

その他、国内メーカーが提供する素材・電気電子部品・デバイスなどが世界市場で高いシェアをもっています。

確かにかって家電製品などで世界市場を席巻した国内電気機器メーカーの勢いは、ありませんが、産業のインフラとなる素材・電気電子部品・デバイスでしっかりと結果を出している国内メーカーは、数多く存在しています。

ITの分野でも、OSや検索エンジンなどの大きなビジネスインフラを提供できる国内ITベンダーはいません。

しかし、小粒でもしっかりとした足場を固めて、ニッチ市場対応のアプリケーションソフトや解析ツールなどを世界に提供しているITベンダーが増えています。IoTや人工知能などでも実力を出し始めているITベンダーがいます。

国内企業が世界市場で勝ち組になるためのやり方の一つとして、ニッチ市場あるいは事業インフラの分野で、徹底した差別化・差異化を可能にする技術・ノウハウでビジネス展開する方法がありあります。

このやり方は、中小企業には大いに参考になりますので、今後も当該事業分野での国内企業の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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