安易に外壁塗装をして良いのか? - 外壁塗装・外壁リフォーム - 専門家プロファイル

深澤 熙之
昭和アルミ株式会社 
埼玉県
建築プロデューサー

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対象:リフォーム・増改築

森 幸夫
森 幸夫
(代表)
木下 泰徳
(アップライフデザイナー)

閲覧数順 2024年04月18日更新

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安易に外壁塗装をして良いのか?

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外壁リフォームの事について 外壁塗装は本当に家を守る事ができるのか??


外壁塗装に関する相談者様の質問内容を拝見してみると
外壁塗装の見積は○○円ですがこれは値段は安いですか?高いですか?
外壁塗装の工事方法は?
○○塗装会社の評判はどうですか?
外壁塗装に適した塗装の種類は?
外壁の色は○○に使用と思うのですがどうでしょうか?
外壁の耐久年数は何年ですか?
外壁塗装は何年くらいでしなければならないのですか?

等々・・・と当たり前の事ですが、外壁塗装をする前提で質問をされてこられる方が殆どなのですが、
ふっと!思うのですが、
外壁塗装は何故!?数年毎にしていかなければならないのか?
何故!?今、外壁塗装をしなければならないのか?
疑問を感じられて質問されている方は殆ど、いらっしゃいません。

雨漏りが直らない・外壁の不具合・カビ、結露が酷い・・・等々という相談は外壁塗装を施工後に起こった、トラブル相談が大方、数多いのが殆どなのです。

ひび、亀裂=早く塗装や補修をしなくちゃ・・・と何の疑いもなく、外壁塗装と反応して決めているのですが、
果たしてこれで本当に良いのだろうか?
外壁塗装をするという事について外壁を守るには正しい・必要な事と判断をしてこられると思うのですが、つい、騙されなきゃ良いのに・・・とか後々、後悔をされなきゃ良いのに・・・とつい、心配をしてしまいます。

それ故、外壁塗装後に雨漏りがした!とか住宅が腐食して大変な事になった!・・・という質問相談者様からの実例や経験を基に外壁塗装の事について、書いていきたいと思います。

私が専門家として、専門家プロファイル以外の他のリフォーム相談サイトにも登録しているのですが、私が回答した記事でかなりの数多くの方が救われたという感謝の言葉を頂きましたので、そのまま、列記をして紹介させて頂きます。

●外壁塗装の工程は
外壁塗装をする前に既存の汚れや埃等・剥離して劣化をしている部分を高圧洗浄にて綺麗に洗い飛ばして、尚且つ、乾燥した後、砂埃等がまだついていますので、刷毛やホウキ等でまた綺麗に飛ばしながら、綺麗に掃いてからようやく、ヒビ補修などの補修した後、塗料を本塗りする前に下塗り用塗料で下地塗りしていくという作業の流れで進めていくのですが、

そのひび・亀裂などのコーキングなどの下地補修をする前に今一度お待ち下さい。

●外壁塗装をする前に現在のひびなどの亀裂や塗装の剥離が起きるのか?
何が原因でそのようにひび割れのような症状になっているのか、その原因を改善する前に外壁塗装をすると、後で大変な事になってしまう危険性もあります。

まずは、そのひび割れが単なる経年劣化なのか? または、外壁の裏面に弊害が起きたことで内部の弊害が起きているのか?外から入る水分が外壁の裏面から浸水してひび割れをしている場合も数多いので。。。。

【その弊害が起きているとしたら、その原因を解決しないといけません。】

どのような弊害かと言いますと、外壁の裏面には防水透湿シートという紙が設置してあり、そのシートの紙と既存壁の裏面の間は外壁面のあちらこちらから浸水した雨水が流れる通り道になっています。

その水分の通り道になっている部分の間に隙間がなく水はけが悪く通気のない状態になっている場合、そこに浸水した水分が日光の当たらない部分である為、水分が乾燥しないで留まり、外壁材の裏面から浸水する事による弊害として外壁の表面にひび割れや膨らみとして症状が出ている場合もありますので。

そのような状態になっているとしましたら、その上にそのまま外壁塗装をすると外壁面全体を塞いでしまう事になりますので、益々乾燥しなくなり、雨が降るたびに弊害が大きくなってきます。

そうなると水分が外へ逃げる事も下への流れることもできず逃げ道がなくなり、防水シート紙の小さな穴(外壁材を固定する為の固定釘で数多くの穴空いています。)を目掛けて壁の中に浸水していきます。

その水分が木材に浸水すれば(その箇所は壁の中の柱ですので、日当たりも悪く通気もないので)柱を腐食し、その後白蟻がよってくるような環境になってしまいます。

今まで数年毎に雨が漏らないように外壁塗装を1回2回と繰り返してきたのに、いつの間にか壁の中や柱が腐食してしまって、柱の強度がなくなってきた。 雨漏りしていなかったのにまさか壁の中に白蟻が発生しているなんて、夢にも思わなかった。今まで、ご近所でしているような外壁塗装すれば、外からの風雨に耐えられると思っていたのに。というご相談もお受けします。

この外壁塗装が逆に住宅を腐食を早めてきたなんて。外壁塗装業者に苦情を言うと、それは外壁塗装の責任ではない、外壁の状態が悪いから、また壁の中の結露が原因だから外壁塗装業者の責任ではない、そこまで言うのであれば、裁判所にでも訴えてくれ、うちには責任はないですし、外壁塗装は完璧にしているから手抜きではないと逃げられ、どこへ相談したら良いのですか?
もう、信じられない、外壁塗装なんてするんじゃなかった。と後悔される方は数少なくありませんので。

まずは外壁塗装する前に外壁のひび割れとか外壁の膨らみという症状が出ている場合。これは、もしかしたら、外壁の裏面に何か弊害が起きているのでないか? 中の木材が腐食していなければ良いのですが・・心配だわ!・・・とまずは疑って下さい。

いや・・・・そんなはずはない、今まで雨漏りした事なかったし・・。たかがひび割れだけでないか、外壁塗装業者からもひび割れから雨水が浸水するから早めに塗装したほうが良いと言われているし、ひび割れを補修して外壁塗装をすれば大丈夫だよきっと・・・と
そう思いになり外壁塗装をされている方が大方だと思います。

住宅の腐食や白蟻が出ているお客様からの苦情相談を数多くお受けしてきたのですが、その住宅は目に見えての雨漏りはしておらず、見た目は全く問題ないと見える住宅が数多いのです。

今まで「雨漏りが一切していなかったのに」、腐食した、白蟻がでたという相談のほうが「雨が漏ってるという住宅」より多いです。
(それは、そうですよね、雨漏りしていなければ、問題ないと思いますので)

また、雨漏りして10年、15年経つが、今まで外壁塗装や補修をした際、一時的に直ったかと思ったのですが、しばらくするとまた、雨漏りがして、補修したら、今度は別のところから雨漏りがするようになりどんどん酷くなり、これでは、補修や塗装するたびに住宅を駄目にしているような感じで、外壁塗装以外の方法で何とかこの雨漏りを直す事ができませんか?という相談だけでも毎月平均50件くらいの相談があります。

ですので、外壁にヒビが入ったりして外壁塗装を考えておられるところだと思いますが、今一度立ち止まって外壁の構造を知り尽くしている専門家に相談(外壁塗装業者はそこまで分からないですし、知ろうともしないので、外壁及び外壁の構造部分は専門ではないので分かりません)して、
外壁面の裏側に弊害が出ているとしましたら、そこの部分を改善してから、外壁塗装をするか、または他の方法で外壁リフォームをするかをご判断をされたほうが良いです。

●最近の相談者様からの実例

ここ数ヶ月前の話ですが、ここに説明したままの状況で白蟻が出てしまった住宅があり、その住宅は2年前に外壁塗装を200万円くらいの費用で施工され、10年保証という事で外壁塗装された方がいらっしゃいます。

その後、雨漏りはしなかったのですが、外壁面に小さな穴のように見える(ピンホール現象)が施工後から出るようになり、その後、家の中の一部がカビ臭くなり、その住宅の施主様が、外壁の仕上げが悪いからという苦情を出され、数回手直しを施工した会社に依頼して(全国チェーンの有名な塗装業者です)補修してきたのですが、仕上げが綺麗にならない事とカビ臭くなった箇所も新たに出たので、私のほうに現場調査の依頼があり調査をいたしました。

そうしましたら住宅の1面全てが外壁裏面の一部の弊害だったのが全体まで広がり、外壁を支えている木材だけでなく、木柱の3本は2Fから1Fまでの外側半分が腐食し、外壁を支えている間柱部分の一部に白蟻の赤ちゃんのような蟻が寄ってきてこれから木材を食い始めるというところだったのです。

施主様はそれを見てかなり驚かれ外壁塗装会社に対し損害賠償請求を出されました。
相手方の塗装会社は今回の腐食は結露が原因だという主張だったのですが、そこの会社は超有名な企業だった為「おおやけ」になるを恐れて、裁判所へ訴えた直後、和解案を持ってきて腐食したところを全て、補修、修理の費用を負担しますという事で施主様と和解をされました。

現在、私が経営する会社にて外壁改善工事をしているのですが、今その施工途中の作業工程をその塗装業者の職人及び監督と住宅を建てた工務店の社長と大工が勉強の為に現場見学に来ております。

(こちらの施主様は2年前に別のサイトに登録している相談室で私宛に外壁塗装のことについて、相談されていた方でした。その時に深澤様の言われる通りの事をしていれば、こんな事にならなかったのですが、有名な企業が進める塗装で10年保証で雨漏りは保証するという言葉に結果的に騙されてしまった・・・高い授業料を払ってしまう始末になり後悔先にただずなのですが・・・・悔しいと言っておられました。)

その弊害を直すには外壁材の位置を正常な位置にする事を最優先とし、その弊害を改善できない場合、強制換気処置をしないといけません。
その強制換気処置をしても弊害を直す事ができなければ、外壁塗装以外の他の方法で、外壁リフォームを考えていかれたほうが良いと思います。
(強制換気処置といっても一般的な工務店さんやもちろん外壁塗装業者も何をどうするのか?分からないと思いますが。。。)

外壁の構造が正常で、外壁裏面に充分な隙間があり水はけが良く、浸水した水分がすぐに乾燥しやすい状態であれば、外壁材は20年、30年経ってもヒビ一つ入らず、全く問題がありませんし、外壁20年30年ヒビ一つ入っていない住宅を過去何度も見てきました。
そのような住宅は理想に近い外壁構造でした。

25年30年以内にヒビが入ること自体が問題なのですが、今の日本では15年、20年でヒビが入るのは当たり前のようにご判断をされている方が大方です。本当に・・・無知は怖いという・・・(←これは実際に苦い体験された施主様の生の声です)
現実に実際に起こっている史実、腐食している住宅の原因を数多く見て来た結果、その経験を基に、回答させて頂きました。

長くなり、大変恐縮ながら参考になれれば幸いに存じます。



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