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「仕事があるのに働こうとしない」の批判は正しいか

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社員にやる気を出させるヒントになるエピソード集

 有効求人倍率は、昨年の後半から1.0倍を超え、数字の上での雇用環境は好転してきているようです。

 

 現場の人手不足感はこれよりさらに進んでいる印象で、例えば、私が関わることが多いIT業界では、技術者不足がかなり顕著になってきています。

 

 それ以外でも、例えばアルバイト募集が不調で、ある時間帯を一時的に閉店しなければならなくなった24時間営業の牛丼店、人手不足による労働環境悪化を食い止めるとのことで、全体の1割近い店を閉店するという居酒屋チェーン、アルバイトの正社員化で人材確保しようとする大手衣料品店の話などがあります。

 

 雇用環境が好転し、このような人手不足という話になれば、それこそ“働く気さえあれば仕事がある環境”ともいえますが、こんな状況であっても、現実にはなかなか仕事が決まらない人、働きたくても働けない人がまだまだ大勢います。また、こういう人たちを指して、「仕事があるのに働こうとしない」「働く気がない本人が悪い」と批判する人がいます。

 

 このような批判について、ただのわがままや選り好みという要素は確かにあると思いますが、私はどうしても一方的に批判する気持ちにはなりません。

 やはり、その人その人によって、できる仕事や向いている仕事は違うからです。

 

 例えば、最近の建設業界の現場は大変な人手不足ですが、「若いうちは体力があるんだから、職がないならこういう仕事をやればいい」などという人がいます。

 でも、若いから体力があるとは限らないし、昔に比べて圧倒的にインドア派が多くなっている現代では、こういう仕事をするのはかなりハードルが高いと感じる人がたくさんいます。実際にやって見たけれども、きつくて続けられなかったという話も聞きます。

 

 肉体労働から頭脳労働、単純作業から専門技術、職人さんからサービス業など、またその逆方向も同様に、自分の経験や志向、適性との距離があり過ぎる仕事は、いくら人手不足で求人があるといっても、実際にやるのは難しいことです。

 また年齢が高くなるほど変化への対応はしづらくなっていくので、職種の転換は難しくなっていきます。これは、本人の努力だけでは解決しきれない、致し方ないことだと思います。

 

 この状況を、「仕事があるのにやろうとしない」「わがまま」「選り好みをしている」などと批判することは、やはり少々的外れのように感じます。

 

 このところ、成長戦略の一環と称して、成長産業への人材シフトを図るためには人材流動化が必要で、“だから解雇規制を緩めるべきだ”などという議論がありました。スキル転換も職業訓練を徹底すれば可能だという人もいます。

 

 それぞれの考え方は間違っていないと思いますが、「職種を変える」というのは、実際には結構大変な労力が必要なことで、職種によってはそう簡単に行くものではありません。

 これには、かなり細やかなマッチングのための取り組みが必要であると思いますが、「仕事があるのに働こうとしない」という批判は、この取り組みを阻害するような気がしてなりません。

 

 「職種を変える」ということは、そう簡単なことではないということを理解した上で、いろいろな対策を考える必要があるのだろうと思います。

 

 

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