日経記事;『東レ、営業益最高330億円 4~6月5割増 航空機向け炭素繊維好調 市場予想上回る』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『東レ、営業益最高330億円 4~6月5割増 航空機向け炭素繊維好調 市場予想上回る』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月27日付の日経新聞に、『東レ、営業益最高330億円 4~6月5割増 航空機向け炭素繊維好調 市場予想上回る』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『東レの2015年4~6月期の連結営業利益は330億円程度と前年同期に比べて5割増えそうだ。航空機向けの炭素繊維や自動車用樹脂が期初の会社想定を上回って伸びたもようで、4~6月期としては4年ぶりに最高益を更新する。円安や海外子会社の決算期変更も利益を押し上げる。

アナリスト予想の平均を示すQUICKコンセンサスによると、東レの4~6月期の営業利益は3割増の282億円。期初の会社想定より炭素繊維の引き合いが強く、市場予想を上回る増益率になりそうだ。

売上高は5000億円程度と1割増える見込みだ。世界的に航空機の生産が増えるなか、機体に使う炭素繊維の需要が伸びている。欧州の自動車向けも堅調だ。3月末までに販売する予定だった一部製品の出荷時期が4~6月期に後ずれしたことも収益を押し上げる。

繊維事業では国内の衣料品向けが振るわない半面、海外でエアバッグ用素材や紙おむつ向け不織布が伸びる。自動車に使う樹脂や食品向け包装用フィルムも好調だった。

4~6月期の平均為替レートは1ドル=120円程度とみられ、前年同期に比べ20円ほどの円安となる。期初の想定為替レート(1ドル=115円)より円安が進み、海外の収益増につながる。

海外子会社の決算期を12月から3月に変えたことも利益の押し上げ要因になる。前期まで3カ月遅れで連結決算に反映させていた海外子会社の業績を、15年4~6月期から同時に計上するようにした。4~6月期は秋の商戦に向けた衣料用繊維の需要期のため、前年同期に比べて収益が上積みされる見通しだ。

16年3月期通期の連結営業利益は前期比21%増の1500億円を見込む。4~6月期は好調だったものの、中国経済の減速など懸念材料も少なくない。8月上旬に4~6月期決算を発表する予定だが、現時点では通期見通しを据え置く公算が大きい。』


本日の記事は、東レの事業収益が予想以上に伸びていることについて書いています。収益拡大の要因は、航空機や自動車向けの炭素繊維と自動車用樹脂の大幅な事業拡大です。

何度か本ブログ・コラムで書きましたように、東レ、帝人、三菱レイヨンなどの国内企業は、米国企業が米国内で開発した炭素繊維の開発・実用化を長く行ってきました。

その長年巨額の累積投資に悩まされながら、炭素繊維の潜在能力を信じて、愚直なまでに開発・実用化を継続した結果、高耐久性と軽量化などの性能が評価されて、航空機などに採用されました。

特に、東レは、2014年に米ボーイングから航空機向けに炭素繊維を1兆円分受注したことが大きく会社業績に表れています。

東レなどの国内メーカーは、さらに炭素繊維の加工技術の進化とコスト削減を実現したことで、自動車用途の事業拡大を可能にしつつあります。

日本の素材産業は、世界市場で高い競争力を保っています。新素材は、初期の開発段階から最終製品になるまでに、多くの技術課題を解決する必要があり、コストダウンの実現を含めて長い期間を必要とします。

短期的な収益に高い関心をもつメーカーは、このような長期的な開発・実用化の投資を継続するのは困難です。経営者の強い信念とリーダーシップなしに、長期的な開発・実用化の投資継続は実現しません。

東レの最新の好業績は、ようやく長期的な開発・実用化の投資が果実になっていることを示しており、国内メーカーのあるべき姿の一面を示しています。

6月16日付の日経新聞に、『パリ航空ショー開幕、新型小型機に日本の技 IHIや日本カーボン、低燃費エンジン支える』のタイトルで記事が掲載されました。

この記事に、IHIがエアバスの最新小型機「A320neo」のエンジンの外側を覆うファンケースについて、衣類などの繊維加工メーカーだったSHINDO(福井県あわら市)と連携・協業して、対応することが書かれています。

また、IHIは、空気の流れを整える静翼と呼ぶ構造部品に世界で初めて炭素繊維と樹脂の複合材を使っています。

日本カーボンは、炭素繊維にはない高い耐熱性を持つ炭化ケイ素(SiC)繊維とセラミックの複合材(CMC)を提供しており、高圧タービン部品に採用されました。

このように東レだけでなく、IHIや日本カーボンなどの国内メーカーも炭素繊維や新複合材などで新規事業立上や事業拡大を実現しています。

また、中小や中堅メーカーも、大手と同じような巨大市場ではありませんが、医療、環境、エネルギーなどの分野で、新素材や加工技術で独自性を出しているところがあります。

素材や部品は、製品のように表舞台に登場することはあまりありませんが、産業界を支える重要な要素を構成しています。

これらの裏方メーカーは、長期的な視野に立って、徹底した差別化・差異化を可能にする素材、部品、加工技術などを武器に世界市場で勝ち組になっています。

素材、部品、加工技術の進化・深化により、徹底した差別化・差異化を可能にするやり方は、国内メーカーのあるべき姿の一つになります。

日本にはこれらの潜在能力をもった中小メーカーがいます。当該企業が、国内だけでなく海外市場の需要を積極的に取り込んで収益拡大を図る努力することで収益拡大を実現できます。

私も経営コンサルタントとして、これらの徹底した差別化・差異化を可能にする技術をもった中小メーカーの海外販路開拓・集客を支援していきたいと考えています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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