- 大塚 嘉一
- 菊地総合法律事務所 代表弁護士
- 弁護士
対象:民事家事・生活トラブル
- 榎本 純子
- (行政書士)
平成27年度の○○小学校PTAの会長を仰せつかりました、大塚 嘉一(おおつかよしかず)と申します。○○前会長の後任として、精一杯頑張りますので、宜しくお願い申しあげます。
子供は二人おりまして、下の子が、こちら○○小学校でお世話になっています。新3年生になります。
仕事は、弁護士をしております。
会長になるに当たって、当の子供にも聞いてみました。「パパ、PTAの会長になってもいいか」と。すると息子は言いました。「いいよ。だけどギャグだけは言わないでね」。そんなわけで、子供たちの前では、ギャグは封印しなければなりません。
実は、この大役をお引き受けするとき、私でいいのだろうかと悩みました。まず、私は、家族とともに、平成23年(2011年)5月に、当地○○に引っ越してまいりました。言わば新参者でして、それまでは、○○の有名なところ、程度の知識しかありませんでした。また、これまでPTAでの活動の経験が全くないことも不安の一つでした。
しかし、住み始めてすぐに、こちらにお住いの皆さんが、そろって素晴らしい方々であることに気が付きました。私の妻も仕事をもっており、息子を外で遊ばせる際には、一人で○○公園に遊びに行かせておりました。その折にも、ご近所のお母さん方が、やさしく見守ってくださっていたこと、今もそうであることを、息子から聞き、また実際に見聞きし、本当にありがたいことだと感謝しておりました。
私も妻も、公園に同行しないことについて、ある日、息子に聞いてみました。すると息子の返事は、「大丈夫だよ。僕がお母さんたちと世間話をしているから」と。どうも保護者の役目を誤解しているようです。
息子が昭和小学校に入学してからは、様々な活動に目を見張りました。とくに運動会には、子供たちが、生き生きと活発に参加し、全校生徒が一団となって、盛り上げていることに感動しました。しかも、一人一人が、実に楽しそうではありませんか。また、授業参観に参りますと、先生方に、実に熱心にご指導いただいております。
その他の様々な行事も、先生方、地域社会の皆様、そしてPTAの皆様の活発な活動に支えられていることが分かりました。おかげさまで、息子も学校に楽しく通っております。
そのようなわけで、私も、何かしらお役に立てるのであれば、やらせてもらおうと思っておりましたところ、今回のお話をいただいたわけです。
経験豊富で優秀な副会長、書記、会計の役員の方々がいらっしゃることに背中を押され、私のような者でも、なんとかやれるかなと思いました。
それに、仕事がら、数多くの少年事件を担当してまいりました。そのような経験から学んだことは、根っからの非行少年はいない、ということです。非行を犯す少年の場合、環境に問題のあることがほとんどです。子供たちの環境、自然環境のみならず、家族、地域社会、学校などの人的環境が、大事だと思うに至りました。
そのような経験も、直接には役にたつものではないかもしれませんが、何らかの意味で、活動に活かせることがあるかもしれない、と考えたことも、自らの非力も顧みず、この度の大役をお引き受けした理由の一つでございます。
さて、私たちが子供たちに残してあげられるものって、何でしょう。
お金は、使ってしまえば無くなってしまいますし、盗まれたり騙されたりして無くなってしまうかもしれません。
すると本人の身に付くもの、教育であるとか、心身の健康であるとかになりましょうか。
私は、そのほかにいい環境を残してあげることも親の重要な務めだと思います。知識を身に付け、健康に恵まれても、例えば仕事がない、であるとか、仲間と協調して仕事が出来ない、というのでは、本人の才能、能力を発揮できないこととなります。
環境には、自然環境もありますし、町内会から、学校、国家、世界政治なども含まれます。多くの友人知人などの人間関係も重要です。
私は、PTAというのは、自分の子供と同時に、他の子供たちをも育てるのが眼目だと思っていいます。
上の子の通った小学校は、子供たちも元気、先生方も優秀で保護者も熱心という素晴らしい学校でしたが、今思えば、仮にもう少しあればよかったかなと思うものに、そのような姿勢があります。その小学校には、PTAがありませんでした。
PTAがあれば、保護者が、主体的に、先生方や地域社会の方々とともに、子供たちのためになることは何か、を一緒に考え、ともに行動することができます。
21世紀も、すでに10余年を経過しました。グローバリゼーションの波が止まりません。個人的には、今、日本は、明治維新、太平洋戦争の敗戦に次ぐ、近現代における三回目の大変動期を迎えているのだと考えております。
これからの日本人に、そして人類に与えられた課題は、どのような賢人であろうとも、決して一人では解決困難な問題の連続だと思うのです。周知を結集して事に当たる必要があります。人を信じ、人と協調して問題解決のために活動できる人材を育てることが喫緊の課題です。
○○小学校の生徒には、そのような課題を克服できる土台を、小学校での生活を通じて身に着けてもらいたいものだと願っています。
私たちPTAの活動の目下の報酬は、子供たちの笑顔であります。しかし、本当の成果は、子供たちが成長し、あるいは地域社会のリーダーとなり、あるいは経済、産業に従事し、あるいは発明、発見をし、社会に貢献してくれるときだと思うのです。私たちは、ここ○○小学校で過ごした楽しい思い出を胸に抱いたたくさんの子供たちを育てるお手伝いをしているのです。いつの日にか、彼らが、○○小学校での経験を、懐かしく思い出す日がくることがあれば、それこそが私たちの誇りなのです。それは、5年、10年先かも知れませんし、あるいは50年、100年先のことかも知れません。しかし、それこそが、私たちに与えられた本当の報酬なのです。
当地の保護者の方々は、皆さん、高い能力を持ち、意欲的な方々ばかりだと実感しております。どうか、子供たちのために、お力を貸していただければと思います。
PTAの役員、また会員の皆様のご協力、ご支援を得まして、職務を全うするべく全力で努力したいと思っております。
重ねて宜しくお願い申しあげます。
このコラムの執筆専門家
- 大塚 嘉一
- (弁護士)
- 菊地総合法律事務所 代表弁護士
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