子どもの教育費いくらかかるの? - 保険設計・保険見直し全般 - 専門家プロファイル

田中 香津奈
かづなFP社労士事務所/株式会社フェリーチェプラン 代表取締役
東京都
CFP・社会保険労務士

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対象:保険設計・保険見直し

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子どもの教育費いくらかかるの?

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教育費とは、子どもが独立するまで困らない教育費を確保するための資金です。子どもが生まれた瞬間に必要な時期が確立するという意味で、とても準備しやすい費用といえます。
文部科学省の定義によると、教育費を「学習費総額」とし、内訳としては、「学習教育費」、「学校給食費」、「学校外活動費」の3つとしています。

▲学校教育費・・・学校に通う場合に必要な教育費の総額(授業料、修学旅行、PTAや生徒会費用、寄付金や冷暖房費など、授業以外でかかるもの、クラブ活動費、通学費、制服など)
▲学校給食費・・・給食費として納付した費用
▲学校外活動費・・・学校以外でかかる教育費の総額(学習机や参考書などの購入費、通信教材や家庭教師、学習塾へ通うための費用、その他ピアノや水泳などの習いごとの費用)

教育費は家族の教育方針や子どもの希望進路によって、一人ひとり異なりますが、文部科学省の調べによると、私立進学率は、幼稚園が80%超、大学が70%超と割合が高めで、小学校や中学校は10%に達していないのが現状です。このことから、比較的に多いケースである『幼稚園は私立、小・中・高校は公立、大学は私立文系』に進学した場合の教育費について解説していきます。



幼稚園でかかる学習費総額は、公立の場合で年間約23万円、私立の場合で約48万円と、約2.1倍の開きがあります。地域によっては、公立幼稚園がほとんどないところもあるため、私立幼稚園に通う率が高くなっています。自治体によっては、私立幼稚園に通うための補助が出ないところもありますので、習い事をまったくしなくても、月3万円程度の出費になります。また、地域差はありますが、入園時には、5万円~10万円程度の入園料がかかります。
なお、保育園にも公立と私立がありますが、保育料は一律です。世帯が前年に納めた所得時の金額と入所する子供の年齢等に応じて設定されます。また、厚生労働省が定める保育料基準額表を目安に自治体が決めています。入園料はかかりません。

小学校でかかる学習費総額は、公立の場合で年間約30万円、私立の場合で約142万円と、約4.7倍の開きがあります。公立でもっとも高い割合を占めているのが、学校以外でかかる教育費の総額である「学校外活動費」で約20万円です。つまり、習い事をしないことによって学習費総額が少なくなることがあります。また、共働きの家庭では、小学校低学年のうちは、学童保育などの利用によって、地域差はありますが、別途年間約10万円程度かかります。

中学校でかかる学習費総額は、公立の場合で年間約45万円、私立の場合で約129万円と、約2.9倍の開きがあります。しかし、学校以外でかかる教育費の総額である「学校外教育費」は、公立で約28万円、私立で約29万円とほとんど差はありません。公立中学校に行くと、高校受験に備えるための塾代がかかっていることがデータから読み取れます。

高校でかかる学習費総額は、公立の場合で年間約38万円、私立の場合で約96万円と、約2.5倍の開きがあります。公立高校にかかる費用は、公立中学校より少なくなっています。理由は、高校の授業料無償化の影響というよりは、学校以外でかかる教育費の総額である「学校外活動費」が少ないことです。公立中学校では約28万円かかっていたのに対し、公立高校は約15万円と約13万円も少なくなっています。それだけ、高校受験に備えるための塾代は負担が大きいということです。

教育費の最大のヤマ場は大学ですが、その大学4年間のなかでもクライマックスを迎えるのが大学の入学時です。比較的に多いケースである『幼稚園は私立、小・中・高校は公立』に進学した場合、年間教育費が最も高い中3の約50万円と比較すると、私立文系の大学入学時は、入学金・授業料・施設設備費を合わせて約115万円と2倍以上となります。大学2年目以降は、入学金の約25万円を差し引いた約90万円が3年間かかりますので、4年間で約386万円となります。
私立大学入学時の費用を学部別でみると、文系は約115万円ですが、理系は約149万円と金額が上がります。突出して高いのが医歯系の約472万円で、学部によって金額にかなりの開きがあるのが私立大学の大きな特徴です。また、自宅通いでない場合、日本政策金融公庫「平成25年度 教育費負担の実態調査」によると、一人暮らしを始めるための費用(アパートの敷金や家財道具の購入費など)は平均48.3万円、仕送り額は年間平均92.1万円が別途かかります。

実際、希望する進路でどのくらい教育費がかかるでしょうか?文部科学省のデータを参考に目安をまとめてみます。



ここがポイント!

家族の教育方針や子どもの希望進路によってかかる費用は大きく異なってきますが、まずはかかる費用の目安をもつこと、そのうえで計画的に資金準備を進めることが大切です。教育費についての知識を身につけておくと、適切な金額での学資保険、死亡保険(終身保険、定期保険など)の加入につながります。

(2015.6.25公開)   

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