日経記事;『処方薬、スマホでも 特区で規制緩和 離島など、映像で服薬指導』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『処方薬、スマホでも 特区で規制緩和 離島など、映像で服薬指導』に関する考察

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皆様、
こんにちは。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月13日付の日経新聞に、『処方薬、スマホでも 特区で規制緩和 離島など、映像で服薬指導』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『政府が月末にまとめる成長戦略の目玉と位置付ける国家戦略特区の拡充策が固まった。病院や薬局に行かずにスマートフォン(スマホ)やパソコンのテレビ電話機能を使って医師の処方箋が必要な医療用医薬品(処方薬)を買えるようにする規制緩和が柱。戦略特区の範囲も、東京都では全域に広げるなど岩盤規制の撤廃を各地で進め、成長力を底上げする。

現在、処方薬を購入するには薬剤師と対面して、説明や使用上の注意を受けなければならない。政府は成長戦略で、薬局や医療機関などの医療資源が乏しい離島、へき地などでテレビ電話で服薬指導できるようにする方針を明記。秋の臨時国会に特区法改正案を提出し、2016年度から運用を始める。特区が国に要望し認可されれば、規制緩和の対象となる。

テレビ電話を使った遠隔診療とセットで使えば、薬局、病院に行かずに処方薬を宅配便などで受け取れるようになる。

高血圧などの慢性疾患を抱えている人にとっては、同じ薬をもらうために毎回通院し、薬局に足を運ぶ手間が省ける。薬局や病院が近くにない地方の高齢者にとっても、便利になる。特区で新制度が定着すれば、全国に広がる可能性もある。

遠隔診療はあまり普及していないが、すでに制度的には全国どこでも認められている。ただ、薬を受け取るために薬局に出向かなければならなかったのが普及を妨げる一因とされてきた。服薬指導の対面の原則は岩盤規制の象徴だったが特区に限り見直すのを機に遠隔診療が広がる可能性もありそうだ。

特区の範囲も大幅に広げる。東京都の指定地域は千代田や中央、港、新宿などの9区だったが、豊島区や世田谷区のほか伊豆大島などの島しょ部も対象とする。政府が15日に開く東京圏国家戦略特別区域会議で舛添要一都知事が要望。政府が秋にも政令を改正し、正式に対象拡大が決まる。

対象が広がれば、9区だけに認められてきた特例措置を活用する事業計画が全域で策定できるようになる。(1)国際ビジネス拠点整備に向けた都市計画の手続き簡素化や容積率の緩和(2)外国人労働者の受け入れ拡大(3)外国人医師による診察(4)法人設立手続きの迅速化――などのメニューがあり、国際都市としての東京の競争力向上を目指す。

高層ビルが林立する豊島区の池袋などでは、容積率の緩和を活用した不動産投資の促進効果が見込める。東京五輪で外国人観光客の増加が見込める台東区などでは、外国人の滞在向けの宿泊施設を用意できるようにするニーズが多いという。』


政府による規制緩和については、たびたび本ブログ・コラムで取り上げています。私の基本的スタンスは、規制緩和大賛成です。

規制緩和は、企業にとって新規事業機会獲得につながることによります。たとえば、電力供給の自由化は、地域別電力会社がもっていた独占的地位を弱体化させて、多数の企業が発電、売電の各事業に参入しつつあります。

電力使用者である企業や家庭などは、今後もっとも経済的なサービスメニューから選べるようになりつつあります。

本日の記事は、政府が国家戦略特区の仕組みを利用して、病院や薬局に行かずにスマホやパソコンのテレビ電話機能を使って医師の処方箋が必要な医療用医薬品(処方薬)を買えるようにする規制緩和を実施しようとしていることについて書いています。

国家戦略特区は、日経新聞では以下のように定義されています。
「地域限定で医療や農業、都市開発などの規制を緩和し、新しい産業や雇用を生み出す制度。安倍政権の成長戦略の柱の一つで、省庁や業界団体などの抵抗が強い「岩盤規制」を崩すきっかけと位置づける。指定された地域は国や自治体、民間事業者の参加する特区会議で、地域活性化の具体策を盛り込んだ計画を作る。」

国家戦略特区は、政府が規制緩和を既存事業者の既得権益などを考慮しないで、企業が自由に事業活動をできるようにする地域になります。

この国家戦略特区でうまくいったビジネスモデルは、将来他地域でも実施するようにして、日本全体に適用できるように動くことで、新規事業機会獲得につながる効果が期待できます。

今回政府が実施しようとしている規制緩和は、処方薬を調剤薬局に行かなくても購入できることです。

いくつかの調査結果によると、高齢者が自宅から移動できる、あるいは移動する範囲は周辺地域数百メートルの距離とされています。

多くの高齢者は、薬を飲んでいますので、現在は処方薬は薬剤師のいる調剤薬局で説明を受けた後に購入する機会が多くなります。

一般的に調剤薬局は、病院の近辺にあります。これは、医薬分業の観点から、患者は医師から処方箋を受領後に、調剤薬局で処方薬を購入する仕組みになっていることから、患者の利便性と薬局の集客の容易さを満たすために形成されています。

もっとも、政府は、医薬分業を方針を見直して、医療と薬品の事業経営が分離されているのを条件に、対象病院では患者が院内で薬を購入できる仕組みに変更しようとしています。このやり方の方が患者負担の軽減につながることは確実です。

このビジネス条件を逆手にとって、患者の自宅を薬剤師が訪問して、より密に面談する調剤薬局も出てきています。

また、調剤薬局は、病院内で処方薬を購入できるようになると、需要減少につながりますので、提供サービス内容を充実させて、差別化・差異化を可能にしないと競争に負けることになります。

政府が計画いている規制緩和を実施すると、調剤薬局は、薬剤師がSkypeなどのテレビ会議機能を使って患者に処方薬を説明すれば、基本的にはどこに住む患者に対しても当該薬品を売ることが可能になります。

丁寧にかつ解かりやすく説明できる薬剤師を抱えている調剤薬局が、競争力をもつことになります。

インターネット通販で薬を売っている事業者は、厚生労働省の方針により、処方薬の販売は、薬剤師が対面で情報提供・指導することが義務付けられていますので、ネット販売は事実上できない状態です。。

特区内の調剤薬局は、テレビ会議機能を活用して、ネット通販事業者が行うように、近隣地域を超えた処方薬の販売が可能になります。

テレビ会議による対面説明による販売は、調剤薬局だけでなくネット通販事業者も可能です。このことは、将来的には、ネット通販事業者もテレビ会議による対面説明で処方薬販売が可能になることを示唆しています。

特区内でのテレビ会議による対面説明・販売が処方薬に有効であれば、ネット通販事業者によるテレビ会議による対面説明・販売を否定する理由にはなりません。


薬局経営は、コンビニエンスストアや全国チェーンの医薬品企業などとの競争が激化しており、販売価格が安定している調剤薬局に専業する事業者も増えています。

今回の特区内の規制緩和が、既存調剤薬局、病院、ネット通販事業者などにどのような影響を与えるのか、今後の動きに注目していきます。

競争激化は、より良いサービスを提供できる事業者しか生き残れなくなります。


一方、プライバシー問題や個人情報漏えいのリスクから、国民の総背番号制度を利用した薬品の使用履歴のデータベース化には多くの反対意見があります。

しかし、各患者の薬品の使用履歴がデータベース化され、どの薬局で購入しても、医者や薬剤師が使用履歴を一見できると、不要な薬品提供の可能性低減につながります。

個人情報漏えいのリスクを抑える仕組みが実現できれば、ぜひ実行すべき施策だと考えます。

私は、何社かの調剤薬局のマーケティングや販路開拓支援などを行った経験をもっており、今回の特区での規制緩和が既存事業者に与える影響や対応の仕方などについて、見極めたいと考えています。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


 

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