- 田中 香津奈
- かづなFP社労士事務所/株式会社フェリーチェプラン 代表取締役
- 東京都
- CFP・社会保険労務士
対象:保険設計・保険見直し
年金保険は、老後の生活資金準備を目的とする、契約時に定めた年齢から毎年一定額の年金が受け取れる保険です。
途中で解約しても解約返戻金があるため、一般的には「貯蓄性のある保険」と言われます。そのため、保険料を決める要素の1つである予定利率がとても重要になってきます。
同じ年齢時に、同じ保険金額に加入するなら、
予定利率が高い ⇒ 保険料が安くなります
予定利率が低い ⇒ 保険料が高くなります
契約時に確定した予定利率でその後もずっと運用されるため、低い予定利率の時代において、個人年金保険の貯蓄性が薄れてきました。また、少子高齢化の進展による老後生活保障に対する不安により、自己責任による資産形成ニーズが高まったことを受け、平成11(1999)年から、変額個人年金保険が日本で販売開始されました。このように、年金保険には、「定額」と「変額」がありますので、違いを確認しておきましょう。
個人年金保険は、一般勘定(主に長期の債券)で保険料を運用します。契約時の予定利率で運用するので、年金額・解約返戻金ともに契約時に確定しています。それゆえ、「定額個人年金保険」を意味します。保険料払込期間中の解約返戻率を80~90%に設定していて、払込期間が終了すると解約返戻率は100%を超えるケースが多いです。
変額個人年金保険は、特別勘定(国内外の株式および公社債)で保険料を運用するので、年金額・解約返戻金ともに変動します。払込保険料合計額を最低保証するものがほとんどですが、年金や解約返戻金には最低保証はありません。特別勘定で運用を行っているため、個人年金保険と同じ条件で保険料を比較すると、変額個人年金保険のほうが安くなります。また、特別勘定の選択次第で、インフレリスクへの対応も可能です。
ここがポイント!
年金保険は、運用リスクを保険会社が負担している個人年金保険のイメージが強いですが、低い予定利率の時代においては、運用リスクを契約者自身が負う変額個人年金保険も取り入れることで、インフレリスクへの対応も可能となってきます。
変額個人年金保険は「死亡保障のついた投資信託」ともいわれていますが、生命保険料控除や死亡給付金の相続税の非課税枠などの投資信託にはない特徴があります。老後の生活資金を準備するための一つの手段として、上手に取り入れていきましょう。
(2004.12.26公開 2015.6.15更新)
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