日経記事;『人工知能ベンチャー商機 WACUL,10分でサイト改善策 カラフル・ボード,好みに合わせ服提案』考察 - 新規事業・事業拡大全般 - 専門家プロファイル

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日経記事;『人工知能ベンチャー商機 WACUL,10分でサイト改善策 カラフル・ボード,好みに合わせ服提案』考察

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皆様、

おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁です。

6月8日付の日経新聞に、『人工知能ベンチャー商機 WACUL,10分でサイト改善策 カラフル・ボード,好みに合わせ服提案』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ベンチャー企業が人工知能(AI)を活用する動きが広がってきた。ウェブサイトのコンサルティングを手掛けるWACUL(東京・文京、大津裕史社長)はサイトの分析・改善に活用。

アプリ開発のカラフル・ボード(東京・渋谷、渡辺祐樹社長)は個人向けにファッションを提案するアプリを提供する。AI技術の急速な進化が、応用サービスの開発を後押ししている。

利用者の好き嫌いを学習してファッションを提案してくれるセンシー。

WACULは4月、独自開発したAIがサイトを分析して改善策を提案するサービス「AIアナリスト」の提供を始めた。電子商取引(EC)サイトなどのアクセス数や検索語といった膨大なデータを自動で分析し、どうすれば購買率など実績を上げられるか改善点も示す。今月、大手ベンチャーキャピタル(VC)のジャフコから約3億円を調達した。

一般的なサイトの分析では、人が手掛けた場合は1週間弱かかるが、AIだと約10分で完了するという。同社のコンサルタントによる相談も含め料金は月額3万円。大津社長は「分析・改善に人手が割けない中小企業などにも有効だ」と話す。

消費者向けのサービスも出てきている。カラフル・ボードは昨年11月、最適なファッションアイテムを薦めるアプリ「SENSY(センシー)」の提供を始めた。

AIは慶応大学などと共同開発した。表示されたアイテムが好きか嫌いかを選ぶと、AIが利用者の好みを学習して衣料品や服飾雑貨などを提案する。

現在、ビームスなど国内外の2400ブランドと連携している。渡辺社長は「一人ひとりが専属スタイリストに相談するように洋服を選べるようになる」と強調する。先月に1億4千万円を調達済みで、年内にもグルメや音楽、旅行といった分野にも広げる予定だ。

AIをスマートフォン(スマホ)向けアプリの分析に活用するメタップス(東京・新宿、佐藤航陽社長)は2月に米国のVCなどから計43億円を調達して話題となった。

同社は今夏から博報堂と連携し、アプリのテレビCMの広告効果を測定する。佐藤社長は「今後はウエアラブル端末や自動車などのデータ解析に乗り出す」と話す。

米IBMやグーグルなどが開発したAI技術を利用できるだけでなく、低コスト化によりベンチャーも自前のAI開発が可能になっている。今後さらに、AIを応用したサービスに商機が広がっていきそうだ。』


最近、人工知能(AI)に関する記事が多く書かれています。AIは、日経新聞による定義を引用すると以下のようになります。

「人間のような知的能力を備えたコンピューターのこと。言語を理解したり、論理的に推論したり、経験から学習したりする。大量のデータを分析して規則性を見つけ、答えを確率的に推測する手法をもとに、人間の行動などを高い精度で予測することが可能になっている。」

AIの研究開発や実装は、以前からIBMやマイクロソフト、フェースブック、グーグルなどの米大手ITベンダーや日立製作所、富士通、NECなどの国内大手IT企業などが中心になって行われてきました。

最近では、IBMが開発・実用化したAIのワトソンが人の言葉を理解する認知型コンピューターの特徴を生かして、三井住友銀行のコールセンターでオペレーターの応対業務に導入されることが発表されました。2015年度中に導入予定とのこと。みずほ銀行も同じような動きをしています。

AIの研究は以前から進められてきました。しかし、最近、AIの開発・実用化に拍車がかかっています。

一つの理由は、Deep Learning(ディープ・ラーニング)」という手法が注目され、実用化が進んでいることです。

Deep Learningの考え方は、1950年代に構築されていましたが、開発・実用化には大量のデータを収集・分析するツールや仕組みが必要であったため進展しませんでした。

コンピュータ技術の進歩により、大量のデータを収集・分析できる環境が整ったため、Deep Learningが実用されるようになったとのことです。

現在のDeep Learningの一般的なやり方は、最初のフェーズだけ、人間が正解を判別してコンピュータに教えてあげれば、そのあとは機械が自動的にデータから分析・学習を反復して行い、分析精度を向上させます。一説には、数万件のデータから分析精度を向上させることが可能になると言われています。

たとえば、グーグルは2012年にDeep Learningの手法を使ってコンピュータに「猫の画像を自動認識化させる」ことに成功したと発表しています。

グーグルは、最初に猫の特徴を教えて、あとはコンピューターが大量の画像から自動的に学習して、猫を判別することに成功したというやり方であり、まさにDeep Learningそのものです。

Deep Learningは、今までIBMやグーグルなどの大手ITベンダー・企業のみが実用化を可能にしていました。

しかし、最近、Deep Learningのビジネス環境が激変しています。それは、AIの開発・実用化をITベンチャーができるようになったことです。

一つの理由は、Deep Learningを実行するためのコンピュータ技術が大幅に進化したことにあります。

具体的には、ウィキペディアによると、GTX TITAN X等の高性能GPUの登場がハードウエアの技術的課題を解決しつつあるとのこと。GPUを利用することで価格や消費電力を100分の1に抑えることができるとされ、これにより、GPUの市場拡大が期待されていると書かれています。

GPUとは、Graphics Processing Unit(グラフィックス プロセッシング ユニット)のことであり、パソコンやワークステーションなどの画像処理を担当する主要な部品です。

この画像処理に使われるGPUをパソコンやワークステーションに搭載されているCPU(Central Processing Unit、中央処理装置機能)と連動させて、Deep Learningを実行させるやり方になります。

GPUのトップメーカーの一つであるNVIDIAのWebサイトには、GPUで加速化したコンピューティングは、数値計算のアプリケーションの部分をGPUに領域開放して並列処理を行うことで処理を加速させ、残りのコードがCPUで作動するように組み合わせて活用することのやり方が掲載されています。

もう一つの理由は、IBMやグーグルなどが開発したAIを他企業が使えるようになったことと、フェースブックなどがディープラーニングに最適化した科学計算フレームワーク「Torch」向けのモジュールを、2015年1月にオープンソースで公開したことで、誰でも使えるようになりつつあることによります。

さらに、一部のITベンチャーは大学との共同開発でAIを実用化しています。


このような事業環境下から、国内ITベンチャーがAIを活用したビジネスモデルを開発・実用化しています。

代表事例の一つが、本日の記事に出ていますメタップスで、米国VCなどから計43億円を調達してメディアで大きく取り上げられました。

メタップスは、AIとビッグデータを活用して、データの分析・パターンの認識・将来の予測・処理の自動化などを行います。たとえば、スマートフォン向けアプリソフトの提供ベンダーに対して、集客⇒分析⇒収益確保のプロセスを自動的に行う仕組みを提供するものです。

また、WACULは、Google Analyticsのアクセス解析データと連携することで、人間では集計困難な大量データを分析し、 サイト内の課題を自動的に発見し、改善提案を自動的に提供するサービスを提供しています。

Google Analyticsは、Webサイトを活用して情報発信・広告宣伝や、ネット通販を行う上で必要なSEO対策に必要不可欠なツールになります。

このGoogle Analyticsを自動化で行ってくれるサービスは、IT人材をもっていない中小企業には価値あるサービスの一つになります。この検索エンジン対応サービスは、他社からも提供されており、さらに増えるとみています。

AIの活用には、この分野でのノウハウ確立や専門家が必要になりますので、参入障壁が現時点では高いものになっています。しかし、今後数多くのITベンダーがAI活用したサービスを開発・実用化するとみています。

このサービスを活用する機会が増えることで、多くのベンチャー・中小企業が新規事業立上や競争力強化、あるいは海外市場・販路開拓をより容易に実現するようになればと期待します。

さらに、最も重要なことは、AIを活用するベンチャー・中小企業が得られた分析結果をどのように活用して、自社の技術・商品・サービスの強化につなげるか、明確な意志とやり方をもっていることにあります。

今後の中小のITベンダーやITベンチャーによるAI活用サービスの進化に注目しつつ、中小企業に対する経営支援の視点から分析結果などの活用の仕方を考えていきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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