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日経記事;『先端技術へ出資、企業連合 パナソニック・富士通など ロボットなど125億円基金』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

6月2日付の日経新聞に、『先端技術へ出資、企業連合 パナソニック・富士通など ロボットなど125億円基金』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ベンチャー投資で有力企業が連合を組む。パナソニックや富士通など10社超の国内大手企業が、日米のベンチャー企業に計125億円を出資する。

国内投資会社が組成したファンド経由で最先端技術を持つ国内外のベンチャーに投資する。連合の強みを生かし、米シリコンバレーなどで生まれるロボットやビッグデータ解析といった成長領域での新事業創出につなげる。

日本とシリコンバレーに本拠を持つベンチャーキャピタル(VC)、ドレイパーネクサスベンチャーズ(東京・千代田)が組成したファンドに出資をする。パナソニック、富士通のほか、富士フイルムやIHI、NECなど、10社超の企業が出資者となる。

ベンチャー1社当たり3億~5億円を投じる。投資先はドレイパーが決める。計30社ほどへの投資を予定する。ロボット技術、太陽光やバイオマス(生物資源)発電などの省エネルギー技術、ビッグデータ解析などを得意とするベンチャーを対象とする。

出資する日本企業が期待するのは「シリコンバレーで有望なIT(情報技術)ベンチャーとのパイプを持つ」(NEC)ことだ。将来有望な独自技術を持つベンチャーは規模がまだ小さく単独では見つけにくいが、ドレイパーは日米のベンチャーにネットワークを持つ。企業は連合に参加することでこうしたベンチャーを発掘し、新事業の育成につなげる考えだ。

ソニーや日産自動車なども別のベンチャー投資会社に出資している。ファンド経由でベンチャーに投資する動きが広がっている背景には、業績回復を受け成長分野への投資意欲が大手の間で高まっていることがある。大企業がベンチャーとの結びつきを強める姿勢は今後も続きそうだ。』


私の支援先企業の中には、開発先行型のベンチャー・中小企業があります。これらの企業を含めた多くの会社が、中堅・大手の製造事業者に新規技術やノウハウの説明・提案をしても、大抵の場合、当該企業との連携・協業には結びつきません。

提案した技術・ノウハウが新規性や特徴がなく、差別化・差異化を可能にするものでなければ、中堅・大手企業が相手にしないのは当然のことです。

しかし、たとえ差別化・差異化を可能にする技術・ノウハウであっても、多くの中堅・大手企業は保守的であり、第三者との連携・協業や導入に対して前向きでないとの印象をもっています。

また、ベンチャー・中小企業が中堅・大手と会話や連携・協業を行うときに、技術・ノウハウだけを盗まれるリスクがあることにも注意する必要があります。

ある大手メーカーは、優秀な技術・ノウハウをもつ中小製造事業者に自社の優秀な技術者を派遣して、眼で盗んで自社特許として出願したことを、複数聞きました。もちろん、対象となった中小製造事業者が特許化していなかった脇の甘さもあります。

これらの経験をもったベンチャー・中小企業で差別化・差異化可能な技術・ノウハウをもつ会社から、海外、とくに欧米企業との連携・協業や当該技術・ノウハウの海外企業への売込支援をときどき依頼されています。

このような支援依頼に対して、私は当該企業同士をつなくマッチングサイト、代理店、有力な海外展示会への出展などを活用して、ベンチャー・中小企業がもつ技術・ノウハウの出口確保を実現するように対応しています。

これまでの経験を通じて感じていることは、国内中堅・大手企業は一般的に保守的であり、冒険しません。

それに対して、米国企業は国内ベンチャー・中小企業がもつ技術・ノウハウが革新的であれば、企業の規模に関係なく採用検討する積極さや貪欲さをもっています。

米国企業は、ベンチャー・中小企業がもつ技術・ノウハウを合理的に評価して、良いものであれば採用や連携・協業に進む傾向にあります。

米国企業とは、きちんと契約して連携・協業の枠組みを作れば、合理的な関係構築が可能になります。また、企業自身や企業がもつ技術・ノウハウの買収提案も受けるときがあります。

私の場合、支援先企業は製造事業者とITベンダーが主になっているため、コンタクトする米国企業は、シリコンバレーやサンフランシスコとその近郊などカリフォルニア州に拠点をもっている場合が多いです。

本日の記事は、国内大手がシリコンバレーに拠点をもつ日系のベンチャーキャピタル(VC)に出資して、米国ベンチャーの最新情報獲得を狙うことについて書いています。

この記事で述べていることが、国内大手メーカーが外部企業との連携・協業や当該企業がもつ技術・ノウハウを積極採用することで、新規開発・事業立ち上げにより積極的に動き出す兆候であれば大いに期待します。

国内大手は、当然のごとく社内に多くの競争力のある技術・ノウハウを蓄積しています。しかし、欧米大手企業との厳しい競争を考えるときに、社内でもつ潜在能力のみでこの競争に打ち勝つことができるかどうかがポイントになります。

本日の記事に出ています、パナソニック、富士通、ソニー、日産自動車、富士フイルム、IHI、NECなどの大手は、技術・ノウハウを米国のベンチャーから積極的に導入、あるいは買収して、新規事業立上や競争力強化につなげる意思をもっていると推測します。

シリコンバレーは、従来よりITベンダーの集積地ですが、最近、ここに製造事業者が進出しています。

代表例は、米GEです。IoT対応を競争力強化の切り札の一つとするために、シリコンバレーに大型のソフトウエア開発拠点を設けて、数多くのITエンジニアを採用しています。

IoTは、昨年来製造事業者の間でホットな課題になっています。政府もIoTを含めたインターネット対応が、製造事業だけでなく他産業でも競争力強化のために必要であると認識しているようです。

たとえば、5月30日付の日経新聞に、『政府の起業支援、最大2000万円に 自社株で返済可能 成長戦略、IT分野の目玉に』のタイトルで記事が掲載されました。

政府は6月末にまとめる成長戦略の柱としてベンチャー企業への支援策の拡充を打ち出す。有望なIT(情報技術)技能を持つ個人への起業支援金を現在の300万円程度から最大2000万円に引き上げ、ストックオプション(株式購入権)での資金返済も認める。とのこと。

ようやく政府や大手企業が、ITの重要性を認識して、競争力強化のための施策を打ち始めたとの印象をもっています。

競争力のある技術・ノウハウをもったITベンダーやベンチャーは、米国シリコンバレーだけでなく、日本にもいます。

また、最近、米アップルやGEは、日本国内のベンチャー・中小企業の優秀な技術・ノウハウに注目して、国内に拠点作りや拠点強化を図っています。これは、米大手企業が国内のベンチャー・中小企業の強みを理解して、自社の競争力向上に活用したい意思の表れとみます。

国内大手企業が、国内外を問わず、より積極的に外部の技術・ノウハウを導入して、新規事業立上や競争力強化を行う姿勢に変わっていくのか注目していきます。

国内のベンチャー・中小企業にとっても新規事業立上の機会につながります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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