- 菱田 剛志
- 株式会社グローバル商事 太陽光発電システム「見積工場」 代表取締役
- 神奈川県
- 住宅設備コーディネーター
対象:住宅設備
- 松林 宏治
- (住宅設備コーディネーター)
- 松本 秀守
- (住宅設備コーディネーター)
今回は、ブログの内容をこちらのコラムにも転載させていただきます。
本日9月28日の日経新聞の1面にやっと太陽光発電システムに対する補助金の具体的内容が掲載されています。(ネットでの記事を下の方に転載しておきます)
最近はいろんな報道が錯綜しており、ただ具体的数字が見えていないため静観しておりました。今回の報道に関しては、具体的な金額及び予算に見合った設置件数目標が出ており、ある程度信憑性があるのかな?と思いブログに掲載させていただきます。
基本的に1世帯あたり20万円くらい、補正予算で2008年度より開始、2008年度は数万戸・2009年度は10万戸ということです。2009年度予算の概算要求は237億5千万円ですから、37億5千万円くらいは事務経費などで消えていくと考えると200億円が純粋に補助金として出る。それを10万戸で割ると1戸あたり20万円という数字も理解できる。今年度の補正予算で90億円の計上らしいので1割の10億円くらいが事務経費とすると80億円が純粋な補助金なのでしょうか。そうすると1戸あたり20万円で4万戸くらいということでしょうか。
今でもメーカーさんによっては1ヶ月から2ヵ月待ちという状態でモジュールの供給ができるのか?という点でも心配です。
ただ、来年度10万戸という目標で大丈夫なのでしょうか。2020年に現状の10倍にするという目標においては、2010年に400万戸・年間33万戸くらいのペースで伸ばす必要がありますが、加速度的に価格低減と合わせて普及させるということですが、そこまでうまくいくかはちょっと懐疑的です。基本的に来年33万戸といってもモジュールの供給が難しいのではないかとも思っております。
段階的にまた補助金の額を下げていく方針となるならば、2005年の補助金の最終年度ではkW当たり2万円の補助金を受けて設置したのは設置件数の約6割くらいです。その他は補助金申請の煩雑さなどを受けて利用しなかった。それでも7万戸以上の設置があったという事実を踏まえるならば、今回の補助金額は個人的には多い・目標件数は少なすぎるという感想です。
それと、何度も言い続けていますが、2005年度も含め今まで設置された方々の気持ちを踏みにじった政策としか思えません。これから設置された方・これから設置される方にとってもFIT(電力料金の固定価格買取制度)の導入が一番の政策だと思います。現在のRPS法を堅持したいという気持ちが行政では強いのかもしれませんが、それならばRPS法での電力事業者の自然エネルギーの比率をもっと高めて厳しい罰則規定を作っていただきたい。今のままでは各電力会社が自社でメガソーラーの建設を計画しており、それでRPS法で定められたエネルギー量をクリアしてしまうのではないか?そうするといつ電力購入をしませんと言われても文句の言えない状況になるかもしれません。補助金をもらえるからいいではなく、その先の問題も考えていただきたいと思います。
しかしながら、今の動きを変えられるわけではないので設置された方やこれから設置された方がそのあたりをこれから監視して発言していくことが大事だと思います。
あとは、従来と同じようなkWあたりでの補助金になるのか?どこが予算執行を行うのか?申請の手続きの仕組みは?との疑問があります。
新聞記事では1戸あたり20万円、設置金額200万円の1割くらいという表現がありますが、購入金額の1割とかなどになると不正支給が行いやすくなる・わざと高い金額での販売が行われる危険性も考えられます。実際の執行機関も今までノウハウのある新エネルギー財団を使わない場合は、余計なシステムの構築や人員が必要になり余計な税金が使われるのではないでしょうか。申請の手続きも以前のように個人では難しいとなれば販売店での申請代行などが見えないうちに価格転嫁要因となる可能性もあります。場所によっては、国・県・市など3つへの申請から受給までの手続きや書類は大変だと思います。
個人での申請ができて、不正が行われない仕組み、余計な税金を事務経費に使わずに予算をできるだけ多く補助金に充当できるような仕組みを望みます。
すべての補助金政策をやめて、FITが一番だと今でも思っています。補助金でも電気料金でも払うのは国民1人1人なのですから・・・
(以下転載) http://eco.nikkei.co.jp/news/nikkei/article.aspx?id=AS3S2602P%2027092008
経済産業省が2008年度にも導入する住宅向け太陽光発電補助制度の内容が明らかになった。太陽光発電機器を購入する世帯に約20万円を補助し、標準的な機器(約200万円)を約1割安く買えるようにする。補助制度をテコに家庭での普及を促し、家庭の温暖化ガス排出量の削減を進めるとともに、機器の量産と価格低下にもつなげる狙いだ。
29日に政府が国会に提出する08年度補正予算案に90億円を計上する。補正予算が成立すれば、08年度中に個人が補助制度を利用できるようになる。09年度予算でも約240億円を概算要求しており、経産省は08年度で数万戸、09年度で約10万戸の利用を見込んでいる。