金融危機! ニューヨーク現地報告 - 資産運用・管理 - 専門家プロファイル

前田 紳詞
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山中 伸枝
山中 伸枝
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閲覧数順 2016年12月10日更新

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金融危機! ニューヨーク現地報告

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9月13日から21日までアメリカの状況がどなっているかを調べるため、自ら主催する経済教室等の生徒さん達を引き連れ総勢10名でニューヨークに行ってきました。

今回の主要訪問先は

1.ウォール街周辺

2.ニューヨーク連邦準備銀行(FRB)見学

3.ニューヨーク商品取引所(NYMEX)見学

4.国連見学

5.ハーレム

です。


*リーマンブラザーズ破綻のニュースに衝撃

9月13日(土)の夜23時にニューヨークの中心部にあるホテルに到着、翌日は朝からクイーンズにある教会訪問、一日アメリカ文化を体験していました。
そのころは今、起きている金融危機については全く気づかない状態でした。

15日(月)時差ボケで5時には起きホテルロビーにて無線LANを接続。

メールを受信するとニュース配信には”リーマンブラザーズ破綻”の文字が出てきて仰天です。
リーマンブラザーズが危ないことは報道されていましたが、今回も政府が最後は救済すると予想していたので大変ショッキングなニュースです。

日経新聞のウェブサイトを見ると最後まで売り先を政府は交渉していましたが、うまくいかず、バンク・オブ・アメリカがメリルリンチを買収することで合意したとのこと。

2ヶ月前の経済教室で「リーマンブラザーズとメリルリンチが破綻するうわさがある」と説明したことを思い出しました。

火のないところには煙は立たない

ということでしょうか、この両者が今回、消滅しました。


*ウォール街とFRB見学

当日は10時半からニューヨーク連邦準備銀行(FRB)見学の予約が入っていました。
常に金融機関に対する資金供給をしている中央銀行の一つです。場所はウォール街のすぐそばにあります。

NY証券取引所の前に行きました。一部取材陣がいましたがそれほど大騒ぎという雰囲気はありません。まだ市場が開いていないからかもしれません。

連邦準備銀行(FRB)も平穏です。地下に大量の金塊が保管されていることもあり警備は厳重です。

荷物チェックを受けて中の見学コースに通されます。私たちも含めて総勢30名ぐらいの見学者です。

この見学の目玉は地下5階にある米国政府保有の金塊見学です。映画「ダイハード2」でも登場した保管庫です。限られた人しか降りることを許されないエレベーターに乗り地下5階に向かいます。そこからドアを抜けると通路には金の延べ棒が20本ぐらい積んだカートが通路に3台並べられてそれを横目にしながら通路を抜けます。

2メーターぐらいある鉄の扉をぬけるとそこに金の保管庫があります。鉄格子の向こうには金が山のように積んであります。説明では、これは米国政府保有の1割ぐらいで、それ以外は別のところに保管してあります。すべてが政府所有ではなく、海外の国や金融機関からの預かり分も含まれています。


*不良債権処理のための予算をどうするか?

今回の金融危機で米国政府はAIGへの救済策で約9兆円、不良債権買取機構として75兆円の資金を準備する計画です。これを税金でまかなうのは不可能です。米国債の発行がひとつといわれていますが、これはドル暴落と大幅な財政赤字を生む可能性があります。

経済教室でも何度か指摘していますが、すでにFRBのバランスシートは危険な状態でこのまま資金流出を続けるとFRBそのものが破綻するほどのレベルになっています。

そうなると、この打開策としてここにある金の放出というのも将来的に選択肢として出てくるかもしれません。

たとえばMF(国際通貨基金)は財政難から保有している金をこれから市場に随時売却していくことを決定しています。


*現地の報道

NY市民全体としては月曜日の段階ではリーマンショックは一部の金儲け連中のしでかした失敗だと見る向きが多く、大騒ぎにはなっていませんでした。
本格的に不安が広がりだしたのは夜ぐらいから翌日朝ににかけてです。

15日は夜、現地の方々と夕食を共にして今回のリーマンブラザーズ破たんについて議論をしました。前FRB議長のグリーンスパンが引き起こしたマネーゲームが引き起こしたものと、批判されていました。

私自身は日本のバブル崩壊に似ていることを指摘しました。

但し当時と大きく違う点は

**アメリカ政府の対応が大変早いこと

を指摘しました。


*今後どうなるか?

ニューヨークでは地下鉄で無料の新聞が配られています。通勤する人たちはこれを読んでいて有料の新聞を読む人は減っています。

翌16日の一面トップが、「ウォール街の金融危機」に関するものです。

これで多くの一般人も問題の深刻さを理解し始めたようです。朝、6時にメールチェックのためロビーに降りるとフロントの人たちがリーマンのことを話題にしていました。

その後は、AIGが危険状態に陥り公的資金注入です。

現地のTVを見ていても、危ない金融機関として、「ワコビア」「ワシントン・ミューチュアル」「AIG」「ゴールドマン・サックス」「メリルリンチ」が出ていました。特にAIGやワシントン・ミューチュアルは株価が10ドルを切っていて危険状態、最終的にはAIGは公的資金注入。

銀行のワシントン・ミューチュアルも9月26日破たんしました。

9月27日現在、銀行のワコビアが危険な状況に陥っています。

ゴールドマンサックスは株価は100ドルを超えていて危険とは思えなかったのですが、それでも、900億ドルの増資を発表しています。

シティバンクも株価が低迷しています。ハーレムにあるシティバンクの店頭に行きましたが、6ヶ月ものCD(譲渡性預金)で預けると年利4%です。異常に高い金利はシティバンクが市場で資金を集めることが困難になっていることを意味しています。

ちなみにハーレムの住宅街を歩きましたが、”SALE”で売り出されている建物が多くあります。ニューヨークは全米でも不動産状況がまだ良い方ですが、それでも多く売りに出されています。

さらに「GM」の株価も低く、マスコミでも危険な状況と言われていました。

先日、格付けがBクラスからCクラスに変更されています。もしGM」が破綻すれば大きな経済不安を呼び起こすでしょう。

このようにまだまだ危険な状態が続いています。

現地の人とも話しをしていましたが、米国政府の対応は迅速です。問題解決に向けてすごいエネルギーを使って戦っています。これが日本のバブル崩壊との大きな違いです。

議会では不良債権処理機構の設立に向けて議論がされています。

世界中でドルの資金不足が発生して、日本や韓国、欧州の中央銀行が協力してドルの供給を現在行っています。

世界が協力してこの金融危機に対して対応していることを知っておく必要があります。

ただ、今後も警戒は必要です。