日経記事;『日立化成、米で電池部材工場 EV向け100億円投資』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『日立化成、米で電池部材工場 EV向け100億円投資』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 各種の新規事業・事業拡大
経営コンサルタントの活動 新規事業開拓・立上支援

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

5月16日付の日経新聞に、『日立化成、米で電池部材工場 EV向け100億円投資』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日立化成はリチウムイオン電池の主要部材の工場を2018年度までに米国で建設する。投資額は100億円規模とみられ、候補地選定の検討に入った。

米カリフォルニア州の排ガス規制が厳しくなり、電気自動車(EV)に使う電池の需要が伸びると判断した。昭和電工も16年をめどに電池部材の生産能力を倍増させる。高性能部材に強みを持つ日本企業が積極投資でシェア確保に動く。

日立化成が生産するのは負極材と呼ぶ部材で世界シェア(金額ベース)が約3割で首位。現在は日本と中国で生産しており、米国拠点が稼働すれば生産能力は2~3倍に拡大する見通しだ。

同社は、日産自動車のEV「リーフ」の車載電池向けなどに負極材の納入実績がある。EV大手の米テスラ・モーターズにリチウムイオン電池を供給するパナソニックが米ネバダ州に電池工場を建設する予定で、パナソニックへの負極材供給を視野に入れている。

昭和電工も負極材の生産能力増強に10億~20億円を投じる計画だ。現在は長野県大町市に年間3千トンの生産設備を持っているが、中国など旺盛なアジア需要でフル操業が続く。国内拠点の能力引き上げに加え、中国での現地生産も検討する。

負極材や正極材に混ぜて耐久性を高める炭素繊維の生産も増やす。15年後半に川崎市で停止していた設備を約3年ぶりに稼働し、生産量を年200トンと2倍強にする。

富士経済(東京・中央)によると、リチウムイオン電池材料の世界市場は18年に13年比で6割増の約9300億円に拡大する見通しだ。米カリフォルニア州で排ガスを出さない自動車(ZEV)の販売台数を一定割合義務付ける規制が18年から強化される。中国も排ガス規制を進めるなど、自動車の主要市場で車載電池の需要が伸びそうだ。

拡大を見据え、電池材料に強みを持つ日本の素材メーカーは投資に動いている。セパレーター(絶縁材)でも、世界首位の旭化成が同3位の米ポリポア・インターナショナルを約2600億円で買収するほか、東レは韓国での増産を決めた。』


米国では、最近、地球温暖化の原因の一つとされる二酸化炭素(CO2)排出量削減に高い関心がもたれています。

現在、米国は中国と並んで世界最大のCO2排出量を出しています。その排出量の高さの原因の一つが自動車です。

このため、米国では、とくにカリフォルニア州が中心となって、排ガスの出ない無公害車の販売数量を一定規模の割合を設定して義務付けるやり方を維持強化しようとしています。

カリフォルニア大気資源局は、無公害車(zero-emission vehicles =ZEV)の普及を目指して、同州内で販売する自動車メーカーと覚書を結んでいます。排ガスの出ない無公害車の販売数量を一定規模の割合を設定して義務付けるやり方です。

カリフォルニア州は、自動車メーカーに対して、2015年までに、7台に1台以上の割合でZEVを販売することを義務づけています。実際には、この規制値どおりにZEVを導入することは難しいため、ハイブリッド車や天然ガス車などの販売台数もZEVに準じて考慮されるようになっています。

同州のZEV規制では,EVや燃料電池車(FCV)などの排出ガスを出さないものを「Pure-ZEV」,ハイブリッド車や天然ガス車などを「AT-PZEV」、同州の基準であるSULEV(super ultra low emission vehicle)の保証距離を15万マイルに延長して、燃料システムから炭化水素(HC)の蒸発がない車両を「PZEV」と定義しています。

将来の無公害車は、EVとFCVとなります。これらの自動車が普及するまで、代替車として、HVや天然ガス車が認められている構造になっています。トヨタ自動車やホンダなどの国内自動車メーカーは、当面の対策として基本的にHVに集中して開発・実用化を進めています。

日産自動車は、当然のごとくEVで当該市場を開拓しようとしています。

米国では、カリフォルニア州に加えて、他州も同じようなZEV規制を導入しようとしています。カリフォルニア州、コネチカット州、メリーランド州、マサチューセッツ州、ニューヨーク州、オレゴン州、ロードアイランド州、及びバーモント州の州知事が2014年5月29日に、「多数州無公害車アクション計画(Multi-State ZEV Action Plan)」を発表しました。

「多数州無公害車アクション計画」は、上記8州の州知事が2013年10月24日に調印した、2025年までに8州で合計330万台の無公害車(ZEV)を普及させることで協力するという覚書に基いて策定されたものであり、ZEV市場の拡大に向けて州政府が講じるべき11の主要アクションを説明しています。

テスラモーターズは、EVがZEVを達成するための唯一無二の解決策としています。このため、従来の高級車に加えて、普及型車へとEVのラインナップを増やしています。

パナソニックは、テスラモーターズとリチウムイオン電池供給に関して緊密な連携・協業体制を構築しており、本日の記事にありますように、両社で総額5千億円を投じてネバダ州に工場を建設中です。パナソニックは、1500億~2000億円を出す計画とのこと。

また、テスラモーターズは家庭用蓄電池事業も最近始めました。

このように、当面の間、リチウムイオン電池に対する米国内の需要は、HVやEV用途、あるいは家庭、オフィス・工場用途などに拡大する可能性が高いものがあります。

このような事業環境下で、日立化成はリチウムイオン電池の主要部材の工場を米国内に建設することを決めています。

この決定は、合理的です。

ZEVがEVになるか、あるいはトヨタやホンダなどの国内自動車メーカーが推進しているFCVになるか、現時点での予測は困難です。

当面の間、リチウムイオン電池に対する需要は拡大していくことは、確実です。日立化成や昭和電工などの素材メーカーが投資拡大していく状況は続くとみています。

自動車は、HV、EV、FCVに加えて、自動運転や自動ブレーキなどの新規機能を取り込んでますます進化し続けていきます。

センサーデバイスなどの関連装置やソフトウエアなど多くの周辺領域で、多くの新規事業の機会が生まれつつあります。

国内のベンチャー・中小企業にとって、差別化・差異化可能な商品やサービスを提供することで新規に創出されつつある事業分野に参入可能です。

すでに何社かのベンチャー・中小企業は、米国カリフォルニア州のサンノゼに拠点を作って情報収集や連携・協業作業を開始しています。

今後の米国市場での自動車産業の動向に注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営コンサルタントの活動」のコラム