- 星 和美
- グレータープレゼンス 代表
- パーソナルコーチ
対象:コーチング
私は昔、ビリギャルでした。
中学校で勉強しないから、志望高校に受かる見込みもなし。
「もう高校には進学したくない」と駄々をこねたら、先生が家にやってきて、母親と一緒に考えを改めるように諭されました。(今と思うと、ありがたいことです)
しぶしぶ家から遠い、よく知らない高校を受験し、どうにか合格。後から担任になった先生に言われました。
「おまえ、危なかったぞ」
合格ラインギリギリだったという意味です。
この先生が、後に私の運命の人となります。彼の口癖は、
「容易じゃないよ」
短歌が趣味の国語の先生で、職員室でも浮いた存在でした。反骨心があって、いつも物事をまったく違う角度から見ているような。そして、時々、含みのあることをそっと教えてくれました。
「いいか、人はな、3割の人から認められれば、後の7割からは嫌われてもいいんだ。それが本物ってヤツだ。ま、俺なんか1割から好かれてるかどうかも怪しいけどな」
そのあたりから、人から嫌われたり、変だと思われたりしても「それはもう仕方がない」と思えるようになりました。
少数の大切な人にだけ理解してもらえれば、あとはどうでもよくなっていました。高校で人気者になる必要はないのです。
同時に勉強に没頭するようになりました。無性に哲学が勉強してみたくなったのです。お金にも就職にも関係なさそうな分野でしたが、かなりのめりこんでいました。
のめりこむあまり、お風呂に入ることも1ヶ月くらい忘れ、親に注意されたこともありました。
おかげで1年後には、学年で上から何本かの指に入る成績をとるようになりました。けれども、何よりも大きな学びは、7割から嫌われても、変だと思われても大丈夫なほどに、愛と信頼を注ぎ続けてくれた、その先生とのやりとりです。
彼は私のメンターに匹敵する存在でした。卒業の時に言われた一言は、
「いつまでも友達でいような」
今は、自分が人を励ます側になっています。
そして、時々彼らに思います。
誰にどう思われても、あんたにはそれができる。
余計なことは気にすんな。誰に変だと思われても、私はあんたに興味がある。