日経記事;『日欧重電、洋上風力に託す 太陽光は失敗。。。シーメンス独走 三菱重連合追う 』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『日欧重電、洋上風力に託す 太陽光は失敗。。。シーメンス独走 三菱重連合追う 』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 各種の新規事業・事業拡大
経営戦略 海外展開

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁です。

4月28日付の日経新聞に、『日欧重電、洋上風力に託す 太陽光は失敗 再生エネの資源集中 シーメンス独走 三菱重連合追う』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『日欧の重電大手が洋上風力発電で存在感を高めている。舞台は欧州。独シーメンスが独走し、三菱重工業・ヴェスタス(デンマーク)連合などが追う。

洋上風力は陸上と比べプロジェクトの規模は桁違いに大きい。参入のハードルは高く、総合力のある企業が有利な市場だ。再生可能エネルギー産業で太陽電池は中国企業に席巻されたが、洋上風力で復権をめざす。

小型機でドイツ領北海の上空を飛ぶと、白い構造物が規則正しく並んでいる姿が視界に飛び込んできた。出力3000キロワット級の洋上風車だ。羽根(ブレード)の長さは50メートル、直径で100メートルと、欧州エアバスの世界最大の旅客機「A380」(両翼約80メートル)より大きい。巨大な金属の塊が、北海の強い風を受けながらゆっくり回転し続ける光景は圧巻だ。

「この大型風車を洋上で30年間、安定して運転させるのは至難の業だ。新興国の企業はまだ追いつけない」。風車を納入したシーメンスの幹部は誇らしげに語った。

欧州では遠浅の北海やバルト海を中心に洋上風力が盛んだ。欧州風力エネルギー協会によると、2014年末の出力は804万キロワットと、原子力発電所8基分に広がった。この市場でシーメンスは6割超のシェアを握り、さらに20年まで「年間16~20%の成長が期待できる」とみる。

シーメンスを追うのが三菱重工とヴェスタスの合弁会社、MHIヴェスタス・オフショア・ウインドだ。昨年4月に洋上風力の専業として設立した。昨年12月には英国で世界最大級の出力8000キロワット機を受注した。18年には同機の生産能力を年間100万キロワット規模に増やす。

加藤仁・共同最高経営責任者(CEO)は「総合的なメーカーである三菱重工とヴェスタスの合弁となり、シーメンスに対抗できる会社という認識が広がってきた」と自信を示す。技術力はあるが財務面の脆弱さが指摘されていたヴェスタスにとっても三菱重工は格好の相手だった。

洋上風車は陸上と違い設置面積に制限がないため、出力向上を狙った巨大化競争が止まらない。MHIヴェスタスの8000キロワット機はブレードの長さだけで80メートルを超える。

迎え撃つシーメンスは3月中旬、出力7000キロワット機の開発を発表した。17年にも量産する。風力発電・再生エネ部門のマーカス・タケCEOは「新技術を次々と投入していく」と強調する。

洋上風力に求められるのは、風車の開発・製造技術だけではない。洋上に巨大構造物を設置する高度なエンジニアリング力や、保守・管理ノウハウも欠かせない。

1プロジェクト当たりの投資額は数億ユーロ(数百億円)規模と、陸上風力とは桁違いに大きい。金融機関は投融資の際、稼働実績を重視する。「ヒト・モノ・カネ」がそろった企業でないと洋上風力を手がけられず、陸上風力が主体の専業メーカーでは太刀打ちできなくなりつつある。シーメンスが独走してきたのは、こうした事情からだ。

専業メーカーは合従連衡で洋上風力を手がけられる力をつけようとしている。三菱重工・ヴェスタス連合のほか、仏アレバもスペインのガメサと14年、洋上風力事業の合弁企業を設立した。

風力発電メーカーでは中国・新疆金風科技(ゴールドウインド)やインド・スズロンなども大手の一角を占めるが、欧州での影は薄い。アジア勢は自国の陸上風力の内需頼みなのが現状だ。スズロンは欧州攻略のため09年に独センビオンの前身企業を買収したが、負債が膨らみ今年1月にセンビオン売却を決めた。

欧州メーカーは太陽電池市場をけん引したが、価格競争に巻き込まれ、アジア勢に抜かれた。シーメンスは太陽光関連事業から撤退。太陽電池で業界首位だった独Qセルズは韓国企業の傘下に入り、2月末には独国内の生産から撤退した。だが洋上風力でアジア勢が台頭するには時間がかかりそうだ。』


EUの中心国であるドイツは、すでに原子力発電の廃止を明確に決めています。現時点の代替エネルギー源は、太陽光発電になります。

太陽光発電の最大の課題は、高い発電コストであり、そのコストが高い電気料金になっていることによります。

太陽光発電のコスト削減は、一段の技術革新が起こって、発電効率を飛躍的に上げない限り、天然ガスや石炭などの化石燃料による発電効率と太刀打ちできません。

化石燃料による発電は、地球温暖化という深刻な環境問題に直結しますので、中期的にはその使用比率を引き下げていくことが必要になります。

原子力発電は、日本が体験したように、いったん事故が起こると、発電所周辺地域に深刻な環境問題を発生させますので、中長期的には化石燃料と同じように使用比率を下げていく必要があります。

化石燃料や原子力による発電比率を下げた場合、代替策は、再生可能エネルギーになります。再生可能エネルギー源は、太陽光m風力、地熱、水力、バイオマスになります。

経済産業省は2030年時点の望ましい電源構成(ベストミックス)の原案で、再生可能エネルギーに関して以下のような比率案を発表しました。

・太陽光;7%程度
・風力;1.7%程度
・地熱;1%程度
・水力;9%程度
・バイオマス;4%程度
・合計;全発電量の22~24%

この経済産業省の比率案が、政府の施策として決定されますと、官民の協業でこのガイドラインに沿った形で、エネルギー対応していくことになります。

太陽光発電事業は、政府が現在割高になりつつある電力料金の引き下げを図るため、買取価格を引き下げて行く方向を明確化し、すでに実施しています。

経産省は、4月27日に同時に発電コストの試算を公表しました。大規模太陽光発電(メガソーラー)を1キロワット時当たり12.7~15.5円となっています。さらに、太陽光などは天候などで発電量が変わるため、家庭や企業が電気を多く使うには追加費用が必要としているとしています。

太陽光発電の先進国であるドイツでは、導入当初、地元企業が太陽光発電装置を供給していましたが、中国勢との価格競争に負けて、国内企業がすべて市場から淘汰されました。

これは、太陽光発電装置の汎用化が家電商品と同じように進んだことによります。このことは、ドイツ政府の当初もくろみから大きく外れたものになりました。

ドイツ政府にとって、太陽光発電事業は、国内企業の育成強化と、国内の電力需要を賄うことにありました。

しかし、高い電気料金に家庭や企業が耐えられなくなっており、これ以上の太陽光発電量の増加は非現実的になっています。また、上記しましたように、国内には当該企業が存在していません。

ドイツ政府が代わりの発電策として期待していますのが、風力発電、特に洋上風力発電です。ヨーロッパは、周辺っを遠浅の海に囲まれていますので、洋上風力発電に適した地域になります。

この地の利を生かして、独シーメンスは、ヨーロッパで洋上風力発電事業を伸ばしており、現時点では独走状態にあります。

ヨーロッパでは、イギリスも風力発電に力を入れていることもあって、毎年、1200万キロワット前後のペースで増えているとされます。ちなみにこの発電能力は、原発12基分になります。

本日の記事にありますように、洋上風力発電装置の開発・実用化・設置・運営は、高度な技術力よ陸上の関連施設を含めて巨大投資が必要になりますので、資金力のある大手企業しか対応できません。

シーメンスは、これらの条件をみたしているため、先行して走っています。これを追いかけていますのが、三菱重工とヴェスタスの協業チームです。

洋上風力発電は、国内企業では三菱重工業、IHI、日立造船など多くのところが日本中で実証試験を行う動きになっています。

風力発電普及は、発電コスト圧縮にあります。太陽光発電と同じような、高い発電コストでは普及が進みません。

ヨーロッパでは、風力発電コストを石炭火力発電並みにする目標をもっているようです。これは、現在より約40%ほど安い発電コストになります。

日本の風力発電コストも、開発・実用化を進める中で、積極的な引き下げ目標を設定して対応・実行することを期待します。

日本の場合、経産省が発表した試算では、石炭火力の発電コストが12.9円/キロワットであり、陸上風力の発電コストは13.9~21.9円/キロワットになっています。

洋上風力発電コストは、陸上より高くなりますので、今後の普及には、大幅なコストダウンが必要になります。

三菱重工業は、シーメンスと激しい競争をすることになりますので、この競争を通じて、技術力とコストダウン力に磨きをかけて、ヨーロッパや日本で勝ち組になることを期待します。

他の国内企業も、お互いに切磋琢磨して技術力を磨いて、アセアンで洋上風力発電事業を実用化できるようにすることを期待します。

アセアンも、電力需要が急増していますので、洋上風力発電事業に対する潜在需要は、非常に高いものがあります。

三菱重工業、IHI、日立造船などの国内企業が、日本およびアセアンなどの市場で、洋上風力発電事業を伸ばすことを期待します。

洋上風力発電事業は、自動車産業と同じようにすそ野が広いため、多くの中小企業に新規事業機会獲得につながります。

オールジャパン体制で、国内企業が洋上を含めた風力発電事業で世界市場で勝ち組になることが重要であり、必要になります。

今後の国内外での洋上風力発電事業の実証試験などに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営戦略」のコラム