日経記事;『NEC・鴻海、クラウド事業 アジア市場を共同開拓』に関する考察 - 海外展開 - 専門家プロファイル

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日経記事;『NEC・鴻海、クラウド事業 アジア市場を共同開拓』に関する考察

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皆様、
こんにちは。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月26日付の日経新聞に、『NEC・鴻海、クラウド事業 アジア市場を共同開拓』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『NECは電子機器の受託製造サービス(EMS)大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業と中国などアジアでクラウド事業を展開する。年内にもインターネット経由で自前の設備を持たずに業務システムを構築できるサービスを共同で始める。

NECのクラウド関連技術と鴻海の持つ中国、台湾のデータセンターや顧客網を組み合わせ、アジアの需要を開拓する。

米調査会社IDCによると、2018年に世界のクラウド市場は14年の2.2倍の1220億ドル(14兆5千億円)に拡大し、その3割程度をアジアが占めるとみられる。

顧客企業が自前でのシステム構築に比べ初期負担を抑え柔軟に規模を変えられるため、事業が急拡大する新興国で利用の増加が見込まれている。

両社は鴻海が台湾南部の高雄市と中国・貴州省貴陽市に持つ大規模データセンターを主に活用し、クラウドサービスを提供する。

NECの管理ソフトや最新の通信システムを導入し、サービスを安定供給する体制を整える。NECの顧客である日本企業のアジア拠点や、鴻海のEMSでの顧客などを相互に紹介し、営業も共同で進める。

NECは高機能サーバーを時間貸しし顧客が多様なサービスに使うクラウド事業を国内中心に手掛け、海外は出遅れていた。

鴻海は米アップルの「iPhone(アイフォーン)」の受託生産が中核を占めるが、成長は鈍化している。事業拡大へデータセンター運営やクラウド事業に参入しており、高品質サービスのノウハウを得るため、NECと組むことにした。

NECのクラウド事業の14年3月期の売上高は240億円で、国内が9割を占めた。鴻海と旺盛な需要が見込めるアジアの顧客開拓をテコにして18年3月期に1200億円に拡大する考えだ。』


アセアンは、2015年度末までに経済統合を行う計画で進んでいます。経済統合が実現しますと、モノ、ヒトの往来の自由度が増しますので、域内貿易や経済が活性化します。

ここ3~4年の間に、スマートフォン(スマホ)の急激な販売台数増加により、アセアンは一気にブロードバンド環境が整備されつつあります。

スマホやパソコンを道具にして、インターネットを活用したさまざまな新規事業が立ち上がりつつあります。

また、製造や流通、飲食などの既存事業者が、情報発信、広告宣伝、販売行為などを行う際にインターネットをフル活用するケースが急増しています。

国内ITベンダーがこのアセアン域内の動きに注目して、新規事業立上に動いています。インターネット通販のプラットフォーム構築・提供、LineやFacebookなどのSNSと連動させた情報発信・広告宣伝ツールの提供、スマホ用ゲームソフト、アニメーションなどの提供、などさまざまな新規事業が立上りつつあります。

アセアン域内のローカル企業やこれら日本から出ていくベンチャーや中小企業の多くは、資本力が脆弱であること、多くの人員を雇用できないことなどから、自社内にサーバーやサーバー管理担当者を置けない状況にあります。

必然的にクラウドサービスを活用する企業がアセアン域内で増える状況になっています。アセアン域内では、先進国のシンガポールから開発が始まったミャンマーやカンボジアまで、経済格差が広いので、クラウドサービス活用は一様ではありません。

クラウドサービスの活用度では、シンガポールが一番手でダントツに伸びています。二番手は、マレーシアになります。

三番手に属しているのが、タイ、インドネシア、フィリピン、ベトナムです。一番手と二番手のシンガポールとマレーシアは経済発展していますが、市場規模は小さいのでクラウドサービス事業者にとって大きなビジネスは見込めません。

三番手の国々がクラウドサービス事業の大きな対象になります。シンガポールやマレーシアに比べると、クラウドサービス基盤はまだぜい弱ですが、近々に大きな市場となることは確実です。
上記しましたように、スマホの急激な普及は、クラウドサービス需要を確実に高めつつあります。

タイやベトナムの政府は、eガバメント構想を打ち出しており、官民挙げてインターネットの高度利用と産業育成を最優先事項の一つにしています。

必然的にITプラットフォームのぜい弱性から、クラウドサービス事業に対する需要は高くなります。

この潜在市場の需要獲得のために、世界のクラウドサービス事業者や通信事業者などが当該市場に積極的に参入しています。

AWSで世界を席巻しつつあるアマゾン、Salesforce.com、Google、IBM、Microsoftなどの米大手ITベンダーに加えて、日本からはNTTコミュニケーションズやIIJなどが参入しつつあります。

本日の記事は、このような状況下、NECが台湾最大手のEMS事業者である鴻海(ホンハイ)との連携・協業でアセアン域内のクラウドサービス事業に参入することについて取り上げています。

日系企業が、インターネットやクラウドサービスを使ってアセアン域内で事業する場合、基盤のもとになるデータセンターの設置場所が重要になります。

自社のサービス、顧客情報、営業管理データなどの貴重なデータ・情報が、万が一災害や海外政府の思惑で破壊、あるいは、接収などされると、命取りになります。

この点から多くのクラウドサービスを使う企業は、多くの場合、データセンターの設置場所に高い関心を持っています。

NTTコムやIIJ、NECなどの日系クラウドサービス事業者がアセアン市場に参入することは、域内で事業する日系企業には大きな援軍となります。

今後も大きな成長が見込めるアセアン域内のクラウドサービス事業に、より多くの日系企業が参入することを期待します。

アセアン域内では、より多くの日系企業がクラウドサービス事業を活用して、商品のインターネット通販、アプリソフトやゲームソフトのネット配信、情報発信、広告宣伝などをSNSも利用しながら、行っていく必要があります。

より安定し、信頼できるクラウドサービス事業の基盤強化が、日系企業のアセアン域内でのビジネス拡大の援軍になります。

今後の動きに注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁


 

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