日経記事;『GE124年目の革新(上)脱・金融 モノづくり回帰 「選択と集中」で成長維持』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表
神奈川県
経営コンサルタント
専門家の皆様へ 専門家プロファイルでは、さまざまなジャンルの専門家を募集しています。
出展をご検討の方はお気軽にご請求ください。

日経記事;『GE124年目の革新(上)脱・金融 モノづくり回帰 「選択と集中」で成長維持』に関する考察

- good

  1. 法人・ビジネス
  2. 新規事業・事業拡大
  3. 各種の新規事業・事業拡大
経営コンサルタントの活動 新規事業開拓・立上支援

皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月23日付の日経新聞に、『GE124年目の革新(上)脱・金融 モノづくり回帰 「選択と集中」で成長維持』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『米ゼネラル・エレクトリック(GE)が経営戦略を大転換する。一時は「革新性の象徴」ともてはやされた金融事業を大幅に縮小し、モノづくりへの回帰を進める。事業を巧みに入れ替えながら、成長を維持してきたGE。創業から124年目のリノベーション(革新)が目指す先は何か。

GEの代名詞ガスタービンでも競争は激化している。

「これから話すことはGEの進化に決定的に重要なステップだ」。10日の電話会見は、最高経営責任者(CEO)のジェフ・イメルトが高揚した口調で口火を切った。

金融子会社のGEキャピタルが保有する不動産関連資産を265億ドル(約3兆2千億円)で売却。昨年末時点で40兆円を超えていた金融の資産規模は、今後2年間で一気に4分の1へ圧縮する。

航空機リース、医療機器への融資など本業の産業分野に関係が深いものを除き、金融事業は原則として手じまいする。

「こういう決断ができるからこそ、GEは今なおダウ工業株30種平均の開始時から採用されている唯一の銘柄なのだ」。前任CEOのジャック・ウェルチはイメルトを称賛した。金融事業拡大の旗振り役だったウェルチによれば「ゲームのルールは変わってしまった」。

転機は2008年9月だった。リーマン・ショック後の金融危機で、GEは窮地に陥った。信用収縮で1千億ドル超の残高があったコマーシャルペーパー(CP)の借り換えが目詰まりした。

トリプルAの格付けから陥落し、70年ぶりの減配に追い込まれた。07年に営業利益の6割を稼ぎ出した金融は、一転してリスク要因となった。

「我々のビジネスモデルに競争力がなくなった」(GEキャピタルCEOのキース・シェリン)。GEは高い信用力で調達した低コスト資金を、企業や個人に幅広く貸し付け、利ざやを稼いできた。

だが米当局が金融機関への監督を強化し、貸出先拡大が思うように進まなくなった。超低金利時代に低コストの資金調達力の優位性も薄れた。

それでも金融はなお営業利益の4割を稼ぐ「カネのなる木」。それを捨てる決断ができたのは、本業の産業部門に絶対的な競争力があるからだ。

徹底した「選択と集中」で電力、航空機エンジン、医療機器など世界シェア1位の製品を数多く持つ。製品に組み込むセンサーやソフトから膨大なデータを収集・解析し、顧客に部品交換を促すなどサービスの先進性でも競合他社の先をいく。

それでも競争環境は厳しさを増す。「三菱重工業と日立製作所の統合会社は強力なライバル」。GEの代名詞であるガスタービンの開発を担うモンティ・アトウェルは、日本の2社の火力事業統合に神経をとがらす。「GE・イズ・スタンダード」(GEこそ標準)と公言し、時に自社製タービンに合わせて発電所の設計変更すら迫ってきた傲慢さは影を潜めた。

産業分野の大半で競合する独シーメンスは米市場への攻勢を強める。中国勢も台頭し、価格競争力を武器に新興国市場で存在感を高める。

昨年、仏アルストムのエネルギー部門の買収合戦で、仏政府の意向を受け入れて完全買収を諦め、合弁設立などにとどめたのも、三菱重工やシーメンスには渡せないという危機感の表れだった。

「GEの将来は産業分野にある」と断じるイメルト。金融の収益の穴を埋め、一段の成長シナリオを描けるか。その姿は製造業回帰を掲げる米産業界とも重なり合う。』


米GEについては、何度か本ブログ・コラムで取り上げています。これは、GEが日本の総合電機メーカーである日立製作所や東芝などの最強の競合企業であることによります。

GEは、日立や東芝などの国内勢に比べて、世界市場開拓を先行して行っており、世界市場で勝ち組になっていることによります。

日立や東芝などが世界市場で勝ち組になるには、GEや独シーメンス社との激しい競争に打ち勝つ必要があり、国内勢が事業展開するときの先行指針としてみることが多いことによります。

日立や東芝などの国内勢がGEやシーメンスなどとの競合に対応していくやり方は、中小製造事業者が海外企業との競争に打ち勝つためのヒントがはいっており、大いに参考になります。

この視点から、GE、シーメンス、日立、東芝などの動きに注目しています。

GEは、最近、集中と選択作業を加速化させており、徹底的に行っている印象をもっています。本日の記事にありますように、GEは自社の主戦場を産業分野に限定して集中化を進めています。

4月18日付の日経新聞に、『米GE、1~3月最終赤字1.6兆円 金融縮小で評価損』のタイトルで記事が掲載されました。

記事の抜粋は以下の通りです。

「GEが17日に発表した2015年1~3月期決算は、最終損益が135億7300万ドル(約1兆6000億円)の赤字となった。前年同期は29億9900万ドルの黒字。今月10日に発表した傘下の金融子会社、GEキャピタルの事業縮小に伴う費用が膨らんだ
15年1~3月期の売上高は12%減の293億5600万ドル(約3兆5000億円)となった。
GEキャピタルの主に不動産関連事業を縮小したことが響いた。損益面では不動産評価損などを約160億ドル計上した。
一方、注力する産業分野の売上高はドル高のマイナス要因があったが電力関連や鉄道関係などが底堅く1%の減収にとどまった。。。』

このように、GEの決算結果は、短期的にはマイナスです。金融や不動産事業の大幅縮小に伴う巨額赤字によるものです。

GEは、2014年9月に家電事業をスウェーデンの家電メーカーへの売却を決めました。採算性の低い家電事業の比重を下げています。

GEは、現在、集中と選択作業の過程にあるため、巨額赤字を出していますが、遠くない将来、産業分野で、世界をリードする可能性をもっています。

GEは、”こてこて”の製造事業者から、IoTを意識した先進的な”スマート”製造事業者に変貌しつつあります。

GEのCEOであるジェフ・イメルト氏は、インターネットを取込むことが産業分野で競争力強化と付加価値向上を可能にすると確信しています。同社は、それを「インダストリアル・インターネット」と呼んでいます。

たとえば、多数のセンサーで航空機エンジンの状態をモニターし、ビッグデータ技術を使って解析すれば、エンジンの保守管理が非常に高い精度でできる仕組みを提供しています。

GEはたとえば、2014年11月に、産業機器の稼働状況などをデータ解析する事業の強化策を発表しました。ソフトバンクや米シスコシステムズなど主に通信系の企業と提携を深め、機器のデータ管理・分析に必要なインフラ基盤を整えるとしています。

さらに、日経記事によると、工場内に開設した最先端の製造技術の開発拠点では、3Dプリンターやレーザー技術を製造に活用する試みを進めています。2020年までに10万点以上の金属部品を、金型から3Dプリンター製造に変える方針で、タービンでも相当数で同プリンターを採用するとしています。これを可能にするのが、加工の精密度測定などでのデータ収集・活用・分析技術です。

これらのインターネット対応を可能にするため、GEはITやソフト技術の取り込みを進め、4年前にシリコンバレーに開設した開発拠点の人員が今では1千人以上の人員になっています。

GEの言う「インダストリアル・インターネット」は、GE版IoTです。これは、ドイツが官民一体で行っています「インダストリー4.0」に相当します。

日本のベンチャーや中小製造事業者は、IoT対応を新規事業機会の一つとしてとらえて対応していくことが重要になります。

たとえば、3Dプリンターは、モノづくりの今までの既成概念を否定、もしくは変えつつあります。金型や試作品製作、多品種少量のやり方などに大きな影響を与える可能性があります。

現在、金型製作や試作品製作事業を主に行っている中小企業は、3Dプリンター対応が必須になるとみています。

私が知っています中小企業の中には、ITや3Dプリンターなどを駆使して、商品開発・試作・企画・設計・製造・販売までの全ビジネスプロセスをそれぞれの得意企業が分業化・連携・協業して実行する動きが出ています。

今後、中小製造事業者が国内外で勝ち残っていくには、ITやIoTなどへの対応が必要不可欠になっていきます。

GEは、その先行指針の一つになりますので、今後も注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

カテゴリ このコラムの執筆専門家

(神奈川県 / 経営コンサルタント)
グローバルビジネスマッチングアドバイザー GBM&A 代表

起業・企業存続の為の経営戦略立案・実行と、ビジネススキル向上

起業及び、事業拡大や経営合理化を目指す企業に対して経営コンサルを行います。大手メーカーで得た経験を活かし、補助金活用、アライアンスやM&A、市場分析に基づいた事業戦略策定・実行や事業再生を支援します。OJT研修でのビジネススキル向上を支援します。

カテゴリ 「経営コンサルタントの活動」のコラム