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日経記事;『スマホ部品 新興国に的 ソニー、廉価版の画像センサー。。高級機中心から転換』に関する考察

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皆様、

おはようございます。
グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月13日付の日経新聞に、『スマホ部品 新興国に的 ソニー、廉価版の画像センサー 中韓への供給 各社増強 高級機中心から転換』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『ソニーはスマートフォン(スマホ)の中核部品である画像センサーで、新興国の中・低価格機向けに廉価版を開発した。高画質を維持しつつ、一部の機能を絞り込んだ。アルプス電気やミツミ電機も新興国向けの部品供給を増やす。スマホの世界市場は新興国中心に伸びる見通し。各社は高級機中心の戦略を転換し、新興国市場でシェア拡大を目指す。

ソニーは画像センサーの生産能力増強に積極投資している。

ソニーは1300万画素と800万画素の高画質な画像センサーで、機能を絞り込んだ廉価版を開発した。自動焦点(AF)の速度を抑えたり、「HDR(ハイダイナミックレンジ)」と呼ぶ明暗差の大きい光景を鮮明に写せる機能などを省いたりして価格を抑えた。

画像センサーの価格は明らかにしていないが、中国で1000元(約2万円)や700元(約1万4000円)といった中・低価格帯のスマホに供給する。

ソニーはCMOS(相補性金属酸化膜半導体)画像センサーの世界シェア(金額ベース)で、2014年に約4割と首位だった。これまでは米アップルや韓国のサムスン電子などへ、高価格帯スマホ向けを中心に画像センサーを供給してきた。廉価版の投入をてこに、15年にも世界シェアを5割超へ引き上げる。

同社は約1500億円を投じ、16年9月末までに画像センサーの月産能力を現在より45%増の8万7000枚(300ミリメートルウエハー換算)に高める。生産増強の多くは中・低価格スマホ向けに振り向ける見通しだ。

世界のスマホ市場では中国の小米(シャオミ)や華為技術(ファーウェイ)、インドのマイクロマックスといった新興国のメーカーが台頭。上位5社のうち新興国勢が3社を占める。今後も新興国が市場拡大をけん引するなか、成長を見込める中・低価格帯向けの対応が欠かせないと判断した。

スマホのカメラ用部品大手も、需要の大きい中国のスマホ市場を開拓する。アルプス電気は15年度内に、カメラの手ぶれ補正用部品を中国のスマホメーカーに供給する。アップルが昨年発売した「iPhone(アイフォーン)6プラス」に採用された高機能部品「光学式手ぶれ補正用アクチュエーター」で、中国メーカーへの供給によって15年度に14年度比3割増の出荷を見込む。

ミツミ電機も、15年度内に中韓メーカー向けの供給を始める。フィリピンのセブ島の製造拠点にラインを新設するなどして、生産量を14年度比2倍程度にまで高める見通し。TDKも手ぶれ補正用部品を15年度に増産する。中韓メーカーへの供給により生産量は昨年比10%以上高める考えだ。

手ぶれ補正用アクチュエーターはスマホの自動焦点を実現する重要な部品だ。世界市場は15年に14億個と、14年比16%伸びる見通し。そのうち高機能型の比率は16%に当たる2億2400万個で、同2.3倍に拡大しそうだ。高機能型は高い製造技術が必要で、ほぼ日本メーカーが世界市場を独占している。

各社は高級機で蓄積した技術力とブランドを生かして、中・低価格機でもシェアを広げる。量産効果に伴って価格競争力を高め、コモディティー化が進むスマホ市場のなかでも収益を確保したい考えだ。』


ソニーは、現在世界シェアで40%をもつCMOSセンサー事業を強化しています。CMOSセンサーは、ソニーのハードウエア事業でほとんど唯一と言っていいくらい、世界市場で勝ち組になっている事業になります。

ソニーは、画像処理技術に対して不断な開発投資を行っており、CMOSセンサー以前のデバイスであるCCDでも世界トップシェアと最高技術を確保していました。

ソニーが過去10年以上の間で、世界市場で勝ち組になったハードウエアは、CCDやCMOSセンサーや、コンソール型ゲーム機であるプレイステーションくらいなものです。

とくに、ソニーは、CCDやCMOSは圧倒的な技術力で世界市場をリードしてきました。ソニーは、センサーデバイスビジネスに関しては、部品サプライヤーの位置付けを明確化して、アップルや台湾、中国などのスマホやタブレット端末機器メーカーにCMOSを供給しています。

CMOSセンサーは、スマホにとって、カメラ機能による他社商品と差別化・差異化を図るキーデバイスの一つになります。高画質化が当たり前のように進んできました。

その結果、高画質機能をもったスマホが、デジタルカメラの市場を奪いつつあります。ソニーもデジタルカメラをビジネスとして行っていますが、自らCMOSセンサーをスマホに供給することで、デジタルカメラの需要を縮小させつつあります。

スマホの商品力は、カメラ機能のみのデジタルカメラに比べて優れていますので、大部分の需要がスマホに移るのは合理的なことです。

部品メーカーは、世界の勝ち組になる商品に積極的に供給していくことは、当然のことです。

そのスマホは、アセアンや南アジアなどの新興国市場で爆発的に売れています。アップルのiPhoneなどの高級機器を除くと、需要の大部分は数千円から1万円代の低価格商品になっています。

低価格商品を供給している中国などのメーカーは、価格競争力を維持するために、更なる低価格化を進めていきますが、激しい競争による収益確保が難しい状況になります。

そこで、低価格商品群の中でも差別化・差異化を図る努力が必要であり、そこに高画質化のニーズが出てきます。

今回、本日の記事にありますように、ソニーが低価格スマホ向けの廉価版CMOSセンサーを商品化するのは、そのニーズを取り込むことにあります。

ソニーが廉価版CMOSセンサーを商品化するに際し、高級スマホに標準搭載されている自動焦点(AF)の速度を抑えたり、「HDR(ハイダイナミックレンジ)」と呼ぶ明暗差の大きい光景を鮮明に写せる機能などを省いたりした、いわゆるストリップバージョンを実用化しました。

ソニーがこのように、高画質機能を維持しながら、廉価版CMOSセンサーを商品化することは大きな意義があります。

ソニーの廉価版CMOSセンサーが急速普及している低価格スマホに搭載されますと、目となる機能部分をソニー商品でデファクト化できることになります。いわば、ソニーのCMOSセンサーがスマホの目のプラットフォームになることになります。

また、ソニーは、低価格スマホメーカーからの要求仕様・機能・販売価格などに応えることで、CMOSセンサー事業の足腰を強化できるメリットがあります。

CMOSセンサーは、スマホ以外に、自動車の目としての大きな需要があります。ソニーは、自動車メーカーや米大手ITベンダーが進めている、自動ブレーキや自動運転用途のCMOSセンサーを供給することを表明しています。

たとえば、ソニーは2014年10月に、車載カメラ専用のCMOSセンサーを商品化すると発表しました。星明かりよりも暗い闇夜の環境下でも高画質なカラー映像を撮影できるとのこと。

ソニーがCMOSセンサー本体と共に、得意分野の一つであり、かつ関連する画像情報の処理技術に磨きをかけて、さまざまな用途に適したものを開発・実用化することで、世界の勝ち組としての足場を強化できることになります。

日立や東芝、パナソニックに比べて、集中と選択作業の実行が遅れたソニーが、CMOSセンサー事業を中核とするハードウエア事業でどこまで収益を伸ばせるか注目していきます。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 


 

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