日経記事;『コマツ、GEとビッグデータ提携 鉱山を効率運営 製品・サービス一体提供』に関する考察 - 各種の新規事業・事業拡大 - 専門家プロファイル

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日経記事;『コマツ、GEとビッグデータ提携 鉱山を効率運営 製品・サービス一体提供』に関する考察

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皆様、
おはようございます。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー 山本 雅暁です。

4月8日付の日経新聞に、『コマツ、GEとビッグデータ提携 鉱山を効率運営 製品・サービス一体提供』のタイトルで記事が掲載されました。

本日は、この記事に関して考えを述べます。

記事の主な内容は以下の通りです。

『コマツはビッグデータ解析で米ゼネラル・エレクトリック(GE)と提携する。世界の鉱山で生産設備の稼働データをインターネットから収集して共同分析する。

採掘から物流、発電まで鉱山全体の最適な運用を実現し、生産コストを1割削減する。様々な機器がネットにつながる時代を迎え、サービスと製品を一体で提供する製造業の新しいモデルが広がってきた。

機器同士をネット接続する手法は「モノのインターネット化(IoT)」と呼ばれる。世界の製造業大手は工場の設備や鉄道などインフラにIoT技術を活用。ネット経由で稼働状況のデータを解析して、運用効率化を提案するサービスに着手し始めている。

この分野ではGEが世界で先行している。自社の航空機エンジンやガスタービンをIoTで常時監視し、製品の付加価値を高めている。建設機械の位置や稼働状況を把握するノウハウを持つコマツはGEと組むことで、資源分野でのビッグデータ解析を本格化させる。

コマツとGEは今回のサービス提供から直接の収益を得ない。鉱山にコマツは鉱山機械、GEは発電設備などを納入している。稼働効率を最適化するソリューション提供により顧客のビジネスを支援し、自社の機器の販売増につなげる。

両社は昨年からチリの銅鉱山で実証試験を続けており、2015年度中に資源会社向けに分析サービスを始める。資源価格の低迷が長期化するなか、鉱山運営コスト削減への要望は強い。

コマツは大小1000以上の鉱山に機械を納入しており、同様のサービスを北南米やオーストラリア、アフリカの鉄鉱石や石炭の鉱山に広げる。

コマツが大型ダンプトラックに取り付けたセンサーから集めた稼働状況を、米国内にあるGEのデータセンターに送信する。解析結果を基にトラックのルートや配置を最適化するほか、地面の状況に合った速度やブレーキのかけ方を算出。トラックに制御装置を取り付け、燃費を向上させる。

コマツ単独の分析でも燃費を5%向上できるが、GEのビッグデータ解析を組み合わせることで13%程度の改善につなげる。トラックを300台導入するような大規模鉱山では、燃費の1%改善で燃料コストを年間5億円程度削減できる。

操業状況を細かく把握することで、鉱山内の発電量を削減し、鉱物の運搬に使う鉄道の運行本数の無駄も省ける。鉱物の採掘から港湾での積み出しまでの滞留や在庫を減らし、運営コストを引き下げる。』


IoTは、ここ2~3年の間に大きく取り上げられるようになっています。日経記事によると、IoTは以下のように説明されています。

「IoTはインターネット・オブ・シングスの略。家電や工場の生産設備などあらゆるモノをネット接続し、データを分析することで、革新的なサービスや製品を生み出す。

センサーや無線の技術革新も後押しし、2020年には世界で500億台のモノがネットにつながるとの試算もある。ドイツでは「インダストリー4.0」と呼び、官民を挙げて産業の高度化に取り組むなど、新時代をにらんだ製造業の一大潮流となっている。」

IoTは、あらゆるモノをインターネットでつないで、自動的にデータや情報を入手して、クラウド・データセンターを含む高性能サーバーに送って、蓄積・解析することで、最新状況を把握しながら、改善・修正などの手段を自動的に計画・実行する仕組みになります。

IoTを有効に活用するには、安定且つ高速でつながる通信網、データ蓄積・解析・改善/修正手段を自動的に行う人工知能的な機能が必要になります。

IoTの実現は、1社単独で行うことは難しく、他社との協業・連携で行うことで実効性を実現できます。

本日の記事は、コマツと米GEの協業・連携で、鉱山で使われるコマツ製建機やGE製の発電装置に取り付けたセンサーから送られてくるデータを収集・解析して、鉱山オペレーション全体の効率向上につなげる仕組み作りを行うことについて書いています。

記事によると、コマツ単独の分析でも燃費を5%向上できるが、GEのビッグデータ解析を組み合わせることで13%程度の改善につなげる、とのこと。トラックを300台導入するような大規模鉱山では、燃費の1%改善で燃料コストを年間5億円程度削減できるとされます。

この推定値が正しければ、鉱山事業者は、かなりのコスト節約を実現できますので、コマツやGEから付加価値の付いたサービスを受けられることが、コマツやGE商品の購入意欲を高める効果が期待できます。

インターネットが今まで既存事業基盤を崩壊、あるいは変更してきた状況から、IoTは、モノの開発から実用化までのすべての分野にわたって大きな変革を与えるとみます。

データセンター・クラウドサービスの充実が、IoT実現を後押ししています。IoTで収集したデータ蓄積・解析は、高性能サーバーで行う必要があります。

高性能サーバーを自社単独で所有・管理しようとすると、人員、装置などに多額のコストを要します。

データセンター・クラウドサービスを活用すると、自社内に固定的なインフラ環境をもたなくても、相対的に低コストでデータ収集・蓄積・解析を行うことができます。

GEは、世界の大手メーカーの中でいち早くIoTを取り入れて、顧客に納入したジェットエンジンの稼働状況を自社のデータセンターで収集・蓄積・解析を行って、必要な保守サービス作業や新規開発・実用化などのためのノウハウ蓄積を行っています。

コマツも、国内メーカーの中では、いち早くIoTを取り入れて、建機の設置場所や稼動状況などのデータを収集・蓄積・解析して、顧客サービスに活用しています。

日本は、現時点ではドイツのように、官民一体でインダストリー4.0と呼ぶ製造業の革新を行っていませんが、ファナックやトヨタなどの各企業はさまざまな取組を行っています。

鉱山事業では、日立製作所が英豪資源大手リオ・ティントと巨大鉱山の運営で連携・協業します。
リオが持つ鉱山の運営ノウハウと日立のインフラ管理技術を持ち寄り、鉄鉱石の生産コストの約1割削減を目指す動きをしています。

今後、IoTは、モノだけでなく、モノを作る工場や関連する資材・部材工場や物流まで、幅広い分野で活用されていくとみています。

中小企業の中にも、工場内にIoT対応を行って、省力化・自動化、高品質化を実現するメーカーも出てきています。GEは、巨大企業であるがゆえに自社のデータセンターをもっていますが、この中小企業は、クラウドサービスを利用しています。


また、民生用途の商品では、現在代表的なIoT対応機器は、パソコン、スマートフォン、タブレット端末ですが、今後、白物を含めた多くの家電商品などがIoT対応していきます。

自動車では、米テスラモーターズが販売している電気自動車がIoT対応の代表例になります。今後、グーグルやアップルなどの米大手ITベンダーも、IT化した電気自動車を商品化してくる可能性があります。

車の自動運転や自動ブレーキなどの機能も、IoT対応なしには実現できません。

IoTの応用分野が広がると、IoTのインフラ構築・整備、および、その活用に関するノウハウ提供、
や関連システム提供などについて、大きな新規事業機会が生まれます。

すでに多くの中小ITベンダーや製造事業者が、IoT関連事業に参入しつつあります。

IoTは、インターネット活用が既存事業基盤を崩すと共に、非常に大きな新規付加価値や新規事業機会を顧客や提供事業者に与えることになります。

今後のIoTの動きを、データセンター・クラウドサービス事業や人工知能などの解析ルールの進展と共に、注目していきます。

そこには、多くのベンチャーや中小企業に大きな新規事業機会が生まれることによります。

よろしくお願いいたします。

グローバル・ビジネスマッチング・アドバイザー GBM&A 山本 雅暁

 

 

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